曖昧さ回避
- 「贖罪の山羊」を意味する言葉。聖書に由来する「身代わり」「生贄」などの意味を持つ用語で、直接的な原因となるもの以外に責任転嫁して事態の収拾を図ること、あるいは責任を転嫁された対象を指す。→スケープゴート
- 上記を由来とする『遊戯王』シリーズに登場する魔法カード。大本の生贄対象は山羊なのに羊トークンを召喚してしまうことはよく突っ込まれる。
遊戯王の「スケープ・ゴート」
スケープ・ゴートは、『遊戯王』シリーズに登場する魔法カードである。略称は「スケゴ」。制限カード・準制限カードに指定されていた時期もあったが、現在は無制限カードとなっている。
魔法カードの名称がスケープ・ゴートで、これにより召喚されるトークンの名称が羊トークンだが、pixivでは羊トークンが描かれたイラストに両方のタグが混在している。
速攻魔法。攻守0の羊トークン4体を守備表示で特殊召喚する。ただし、羊トークンはアドバンス召喚のためにはリリースできない。
攻守ともに0と非力だが、守備表示モンスターは基本的には戦闘で破壊された時に戦闘ダメージを受けないため、4回の攻撃に耐えられる。
その性能と性質上、いざという時の緊急回避的に使用する防御カードとしての運用が基本となる。
主に城之内克也が使用したカード。原作ではモンスターを守る効果もあり、さらに防御力が高い(この効果は後にカバーカーニバルに受け継がれた)。アニメ版では「漆黒の豹戦士パンサーウォリアー」の攻撃コスト確保にも使われているが、ドーマ編ではOCG準拠となっている為にコスト確保が上手く行えなかったり、全体除去を喰らったりとイマイチ活躍していない(一応、スターブラスターのコスト確保には成功しているが)。
また、アニオリキャラであるレベッカも使用しているが、逆ギレパンダに利用されて大ダメージを背負っているが、結果的に【キュアバーン】の要であるビッグバンガールを守ることに成功している。
アニメ『遊戯王GX』では天上院明日香、早乙女レイが使用するが、サンド・ギャンブラーで一掃されたり、ダークティラノで突破されたりとやはり扱いが悪い。
『遊戯王5D's』ではマルコが少なくとも3枚所持しているのが確認できる。
GBA用ゾフト『エキスパート2006』ではレベル1の対戦相手として登場。
【スキルドレイン】を使用してくるので一見強敵に見えるが、実はモンスターがデメリットアタッカーしか入っておらず、モンスター除去や強化カードも殆ど投入していないので、攻撃力2800以上のモンスターを出すだけで完封できる。
この様に比較的倒しやすい相手であるが為に、序盤のDP稼ぎとして用いられることから『羊狩り』と呼ばれることも...。
但し、LPサバイバルではライフ回復の関係で、アタッカーを確保しづらく、一転して強敵となる。
メリット
壁として使用でき、地割れにチェーンすれば破壊対象を羊トークンにずらせる。
アドバンス召喚には使えないが、特殊召喚のためのリリースやシンクロ召喚の素材にはできる。
「団結の力」とのコンボすれば、モンスター1体の攻撃力を4000アップさせることもできる。
防御性能もさることながら「突然変異」を使うことで、「サウザンド・アイズ・サクリファイス」を特殊召喚するコンボが流行した。
近年では「始祖竜ワイアーム」の融合素材やリンク召喚用の素材などにも使用することができるようになっている。
デメリット
発動には条件があり、召喚・反転召喚・特殊召喚を行ったターンには発動できず、自分のメインモンスターゾーンが4体分空いていなければ発動できない。ただし、このカードを発動後も通常召喚のセットは可能。
このカード発動後、モンスターを特殊召喚する強制効果が発動しても特殊召喚は行われない。
速攻魔法であるため、相手ターンに発動するとデメリットをある程度軽減できる。
不用意に発動すると自分のメインモンスターゾーンを圧迫し、展開を妨げることもある。
ステータスが低いため、貫通能力を持つモンスターには滅法弱い。「最終突撃命令」等で攻撃表示にされた場合もダイレクトアタックと同じダメージを受けることになる。
モンスターを破壊することで効果を発動するモンスターとも相性が悪い。
「阿修羅」のような全体攻撃モンスターも弱点で、合わせてカードの効果で表示形式を変更されたり、装備魔法等で貫通効果を付与されるといった、戦闘ダメージを与えられる状態にされることで多大なダメージを受けることになる。
メインモンスターゾーンが3か所しかないスピードデュエルではそもそも発動出来ない。
規制の歴史
上記の「突然変異」と「サウザンド・アイズ・サクリファイス」のコンボ抑制のため、2005/09/01に制限カードに指定される。
その後、この2枚のカードはいずれも禁止カードに指定されたが、シンクロモンスターの登場によって今度はシンクロ召喚時のレベル調整に多く利用されるようになったこともあり、長らく制限カードのままであった。
しかし、時代の流れと共に「バトルフェーダー」や「速攻のかかし」といったより防御性能の高いカードが登場し、さらにエクシーズモンスターの流行期にはエクシーズ素材に出来ない点とその素材としてよく使われる「フォトン・スラッシャー」等と相性が悪い事から次第に採用率が落ちていった。
そういった事もあってか、2013/09/01のリミットレギュレーションで制限解除され3枚入れられるようになった。
その後、10期にてリンクモンスターが登場によって再び日の目を見る。
一部のモンスターはトークンを素材にリンク召喚が可能であり、このカード一枚でLINK4のファイアウォール・ドラゴンを展開できたり、このカード1枚からトークンを素材にできるリンクモンスターをリンク召喚し、さらにそのリンクモンスターを素材に別のリンクモンスターを展開していく…などのコンボが可能となった。
こうした状況から2018/01/01のリミットレギュレーションにて準制限カードとなった。
しかしその後、マスタールールの実装でリンク召喚の影響力が弱まった事、他の方法でトークンを召喚する方法が増えてデッキ使用率が落ち着いてきたことから無制限に緩和された。
カードテキスト
速攻魔法
このカードを発動するターン、
自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
(1):自分フィールドに「羊トークン」(獣族・地・星1・攻/守0)4体を守備表示で特殊召喚する。
このトークンはアドバンス召喚のためにはリリースできない。
類似カード
迷える仔羊
仔羊トークンを2体特殊召喚する通常魔法。
一見下位互換だが、リリース制限が無いのでそのまま上級モンスターをセットする事ができる。
ただし、現在はほぼ上位互換として光属性のみ制限されずに召喚・反転召喚・特殊召喚が可能な「フォトン・サンクチュアリ」が登場しているため、低ステータスを活用したいデッキ(フォトントークンは高ステータス故に「奈落の落とし穴」などのカードの対象になる)やトークンをシンクロ素材したいデッキでもない限り採用は難しい。
終焉の焔
黒焔トークンを2体特殊召喚する速攻魔法。
こちらは闇属性であればアドバンス召喚にも使える。さらに相手ターン終了前に発動しておけば召喚・反転召喚・特殊召喚出来ないデメリットも無視できる。
カバーカーニバル
カバートークンを3体特殊召喚する速攻魔法。
発動ターン限定だが、カバートークン以外への攻撃を封じるため、防御性能はこちらの方が上。
また、召喚・反転召喚・特殊召喚も制限されない。
ただし、カバートークンはリリース不可なうえに、カバートークンが存在する限りエクストラデッキからの特殊召喚全般が封じられるという重いデメリットを持つ。
その代わり、特殊召喚の際、攻撃表示にするか守備表示にするかを選べるため、自爆特攻や送り付け役としてはそれなりに有用。
こちらも上位版と言える「超カバーカーニバル」が存在する。