曖昧さ回避
- 1996年に公開されたとされるフリーゲーム。本項で解説。
- 東宝が1971年に公開した特撮ホラー映画「呪いの館 血を吸う眼」。山本廸夫監督作品。
- 2004年にテレビ東京系列で放送されたテレビドラマ「ファンタズマ~呪いの館~」。
- 2011年にアメリカ合衆国で製作・放送されたテレビドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」第1部のサブタイトル「呪いの館」。
概要
ゲーム製作ツールの一種である「Klik&Play」を使用して作られた自作ゲームの一種。1996年にベクターで配信され、当時のパソコン雑誌「TECH Win」にも収録されていた。
製作者は「三角おにぎり&ともちゃん」。曰く、小学校3年生の息子と共同制作したとのこと。
いつしかベクターからも削除され忘れ去られたはずだったが、2008年にこのゲームのデータを偶然発見した人物がプレイ動画をニコニコ動画に投稿。奇妙なゲーム画面と音楽、死亡した際の主人公の珍妙な挙動がごく一部で爆発的な人気となり、作者の意向によりベクターから配信が再開された。
続編?
エンディングで「Part2に続く」と続編を示唆するテロップが表示されるが、反響を受けてNHKの『ザ☆ネットスター!』の取材を受けた作者によると「息子が遊んでくれなくなったので製作中止になった」らしい。
そのほか有志による二次創作ゲームが制作されている。
ゲームシステム
ジャンルは公式からの発表はないが、アクションゲームに相当するシステム。
名もなき主人公をキーボードで操作し、コース上の障害物を避けて進みステージ奥に待ち構えているラストボスを倒すことでゲームクリアを目指す。障害物に接触すると即ゲームオーバー。コースの分岐は存在せず、ゲームクリアまで完全な一方通行。
コースは一画面ごとに区画を固定する方式。主人公が画面端に接触するとその位置と隣接する区画に視点が変更される。
セーブ機能はなく、アラビア数字4桁のパスワードを入力してゲームを再開する。
登場キャラクター・ギミック
ごく一部を除いて公式の名前はない。
主人公
- 詳細は「ひろし(呪いの館)」を参照。
長袖の赤いシャツと、わずかに黄色みがかった白い長ズボンにターコイズブルーの靴を着用している人間。風貌が自宅で日常生活を送る野原ひろしに類似している。
カーソルキー左右で左右移動、Shiftキーでジャンプし、カーソルキー下で屈む。上り下り可能なギミックでは、カーソルキー上で登り、カーソルキー下で下りる。攻撃アイテムを取得するとスペースキーで攻撃する。いずれもキーボード操作が反映されるまでタイムラグがあるため、それを読みながら操作する必要がある。
障害物に接触するとその種類を問わず「イ゛ェアアアア」と断末魔の叫びを上げ、仰向けの体勢でゲーム画面上まで真っ直ぐ『昇天』する。どうしてこうなったかというと接触による自機の死亡処理がうまくいかなかったようで、一切の操作を受け付けない状態で画面上端にすっ飛ばし「穴に落ちた」という処理をさせる事で死亡判定としているためである。これは本作の特徴の一つとされているようで、有志のアレンジ作品においても律儀に残されている。
風貌も相まって、断末魔の叫びが何らかの激痛を訴え悲鳴を上げる藤原啓治か森川智之のセリフに空耳する者もまれにあるという。
敵キャラクター・障害物
ふりだしの区画に登場。2種類あり、短い間隔で何度も発射される。
一つは☆が書かれた大きな物で、主人公が左に進み画面右端から転がり込み、一番右の穴に落下して消滅する。
もう一つは足場と同じマリンブルー色の小さな物で、画面中央若干左寄りと画面左側をひたすら一方向に飛んでいる。弾速が速く発射間隔も短いため非常に厄介。
緑色の蟻に酷似した虫。ふりだしの左の区画にて、画面左側の画面外に潜伏している。主人公が木箱に接近して「カギがありません!!!(原文ママ)」と判明した直後に血生臭い赤色の瞳と白い牙をむき出しにして襲ってくる。画面右端まで逃げると避難成功。ふりだし区画に戻ると右端にカギが落ちている。
- 松明らしきもの
カギを持って木箱に近づくと、らせん状の線がクルクル回って木箱が消滅、区画左側に「地下への秘密の通路」が開く。するとその瞬間を待ち構えていたかのように松明らしき物体が画面左から発射され画面右へ向かって水平飛行で襲撃してくる。円形同様弾速と発射間隔が速く、また通路の位置関係も相まってかなり避けづらい。
- 真っ赤な魔物
秘密の通路に入った次の区画に出現。左手の握りこぶしから親指を取り除き、下顎を巨大化したワニ?のような不気味な顔を付けたような容貌をしている。
区画右端に降り立った主人公の背後から下顎を震わせながら迫ってくる。顎の先端が足場より先に出ることはない。
- 剣を振り回す人間
3列はしごの真ん中側を上がった先の区画にて、ひたすら剣を振り回しながら左右に往復し続けている。
上の黄色い足場にある横倒しになった樽を直撃させれば倒せ、「宝石みたいな物」を落とす。途中の足場や床に落ちると出口と足場が消え、主人公は永遠に勝てないデスマッチを挑まされてしまう。
主人公の「ひろし」に肖って「みさえ」と呼ばれることもある。
- ゲゲゲ!コウモリ
3列はしごの左側を上がった先の区画に待ち構えている。テロップではコウモリと表示されるが、どう見てもプテラノドン。宝石みたいな物に弱く(物理)、一撃必殺で散る。「爆弾みたいなもの」を隠し持っている。
- なにか中にある物体
3列はしごの右側を上がった先の区画にある。足場と同じ色だが、警戒色に光る帯と細いスリットがあり、打ち込まれた鋲の数が多い。主人公が接近すると天井が機械音を立てて降りてくるので早くはしごを下りないと挟まれて圧死してしまう。「爆弾みたいなもの」で破壊すると奥にコインが落ちている。
- コインを入れると動く物体
近づくと「コインをいれろ(原文ママ)」とメッセージが出る。コインを手に入れた状態で近づけば通路が開いて先に進めるようになる。投入口は画面から見えない位置にある模様。
- 鏃の目立つ矢
天使の剣が立てられている区画で登場。松明らしき物体とほぼ同じ挙動。
- 巨大コウモリ
本作のラストボス。3列はしごの区画に落ちている予言書にてその存在が明かされ、天使の剣を手に入れてに戻ると決戦となる。
スーツ姿にマントを羽織った姿で海底から登場。プテラノドンにしか見えないコウモリ姿に変身して主人公と戦闘になるが、天使の剣を手にした主人公を前に敗れる。
- 館に主人公を連れ戻すプテラノドン
エンディングで登場。巨大コウモリを倒した主人公が館から脱出したことに気づいたのか、主人公を念力で持ち上げて館へと超低速で運び込み再び拉致した。
アイテム
- 木箱
黒に塗装された金属で補強された木製の箱。カギを使うとらせん状の線を回転させて消滅していく。
- カギ
白いスケルトンキー。木箱を開ける?際に必要。
- 予言書
- 横倒しの樽
剣を振り回している人間の上にある。押しても転がらないよう工夫されているらしい。剣人間に直撃させると跡形もなく消し去ってしまう。
- 宝石みたいな物
青色に輝く五角形の物体。一つ取得するだけで物体を何度も投擲可能。弾道は腰の高さを重力を無視して直進。
- 爆弾みたいなもの
見た目はタイマーを装着したダイナマイト。なにか中にある物体を一瞬にして消し去る。
- コイン
「B」と刻印された黄色い硬貨。天使の剣の区画をふさぐ物体に使う。
- 天使の剣
コインで開扉した先に台座なしで自立している。矢で侵入者の強奪から守られていたらしい。
主人公はこの剣を手で掴んだり脇腹に腕で抱えたりせず、自身の横に接着して巨大コウモリと戦う。
関連動画
からすまAチャンネル氏のプレイ(このゲームの解説あり)
余談
「イ゛ェアアアア!」などのシュールな効果音やBGM、そしてどう見てもプテラノドンなコウモリなどの敵キャラクターのグラフィックは全て「Klik&Play」に同梱されているサンプル素材データである。一部の素材データは後継ツール「MultiMediaFusion」にも収録されている。
外部リンク
呪いの館wiki - http://www14.atwiki.jp/yakata/
関連タグ
ソフトバンク:タイトル画面のBGM「モンタギュー家とキャピュレット家」が当時同社のCMに使用されていたためよくネタにされた。予想GUYデス。
蒟蒻畑:「モンタギュー家とキャピュレット家」の冒頭のメロディがCMソングに酷似しているためネタにされた。
熊蜂の飛行:ステージBGM。
再現可能なエディタ等
スーパーマリオメーカー2:再現作品を造る職人がいる。(YouTubeを参照)
ツクール:ジャンプアクションというJavascriptのプラグイン、RGSSのスクリプトを導入すれば制作可能なものらしい。