概要
かつてNINTENDO64で発売された「罪と罰 〜地球の継承者〜」の続編にあたり、開発は前作に引き続きトレジャーが担当している。後にWiiU対応ダウンロードソフトとして配信され、ゲームパッドだけでも遊べるようになった。
しかしこの続編が出るまでに9年ほど経ったので、前作のファンではあるが、続編が出ていることなんて知らなかった、と言う人がかなり多かった……らしい(一応テレビCMは流れていたりする)。
任天堂のゲームとしてはかなりの難易度を持つが、チェックポイントの多さ、残機の廃止により頑張ればその内クリアできるような調整がされている、いわゆる「死に覚えゲー」である。
ゲームシステムは前作からさほど変わっていないが、コントローラーとしてWiiリモコンを使うことによって、印象は大分変わっている(PROコントローラーなど、設定で他の周辺機器も利用可能)。
これはスティック操作で照準を動かす必要があった前作とは違い、Wiiリモコンを使うと好きな方向へリモコンを指すだけで一瞬で照準がそこへ移るため、開発中に3Dスティックを使った場合を前提にステージを調整していたら、任天堂から「簡単すぎる」とダメ出しをされた逸話があり、その結果、Wiiリモコンでプレイした場合を考えて調整を行ったら、敵の量が異常なまでに増えてしまったと開発スタッフが明かしている。
しかし60フレームで動くことや敵の多さ、その難易度の高さとやりごたえから、古来のアクションシューティングゲームが好きなユーザー達や、前作ファンからは高く評価された。
世界観
『地球の継承者』では曖昧だった世界観の設定がある程度明かされた他、今作は数十年後の物語になり、前作のあるシーンで登場したサキ・アマミヤとアイラン・ジョの息子「イサ・ジョ(イサ・アマミヤ)」と謎の少女「カチ」が主人公になる。
内宇宙(うちうちゅう、ないうちゅう)・外宇宙(そとうちゅう、がいうちゅう)
本作の宇宙は、地球が存在する「内宇宙」と、それを包み込むように広がる「外宇宙」の2つで構成され、内宇宙が年々膨張するために外宇宙側は不満を募らせ、武力衝突による戦争が勃発している。
なお2つの宇宙には統括する存在がおり、内宇宙は「神」、外宇宙は「聖女」と呼ばれているが、神側の場合は文字通りの伝承の存在ではなく、そう自称している人知を超えた生命体である事が示唆され、反対派からの糾弾があったなど、複数の存在から構成し、一枚岩ではない組織である事が明かされている。
惑星型防衛拠点「亜地球」
「擬似地球」とも呼ばれ、神側は知能があり好戦的でかつ、繁殖力が高い下等生物の「ヒト」が住む地球に着目し、兵士育成と防衛拠点も兼ねて、その地球を基に7つの地球を創生する。これが「亜地球」と呼ばれる惑星型の防衛拠点である。
しかし亜地球に住むヒトたちは、その事実すら認知していないどころか、自分たちの住む地球が偽物のコピーである事も知らないようで、戦闘兵として神側から評価された場合のみ、召集されてその事実を打ち明けられると思われる。
地球(オリジナル)
以下の亜地球のモデルになった惑星。設定のみ登場し、この星に住むヒトも外宇宙勢力と戦っているかは不明。
第1亜地球
設定のみ登場。
第2亜地球
前作『地球の継承者』の舞台で、イサの両親であるサキやアイランはこの惑星の出身。現実の地球と比較してやや近未来的な技術レベルを持ち、新世紀に突入した事により、食糧問題の解決策として食用生命体を生み出すが、その中でイレギュラーの存在である「ルフィアン」達の襲撃に遭う。
前作の描写から、神側の認知や内宇宙と外宇宙の戦争を知っていたヒトはいなかった可能性が高い。
第3亜地球
設定のみ登場。
第4亜地球
本作の舞台。巨大宇宙船やフクオカの地下都市、軌道エレベーター、外壁がないセトナイカイの海底チューブなど、非常に高度な科学文明を誇っていたが、環境汚染により放棄されてしまい、今はキーパーズと呼ばれる惑星修復を担う生命体以外は存在しない死の星になっている。特にフジ山は機械要塞と化し、溶岩の海に浮かんでいる異様な光景である。
神的には惑星を放棄されてしまい、ヒトが不在で本来の役目を果たせなくなって良かったのかと思うが、キーパーズ自体がかなりの戦闘能力をもつため、代替として認められているのかもしれない。
第5亜地球
G5達の出身地。詳細な描写はないが、G5はこの地球を牛耳っており、かなり立場が高いと思われる。
第6亜地球
設定のみ登場。
第7亜地球
設定のみ登場。
外宇宙生命体
変身(擬態)能力を持った不定形なエネルギー生命体。どれも非常に計算高く、狡猾な存在であるとされ、それによって内宇宙が制圧されないよう、惑星サイズの防衛拠点が神側によって創られる事になる。
擬態能力はあらゆる物理法則を無視できるほどであり、前作でとあるキャラクターがヒトから実寸大の地球に変身し、既存の地球(亜地球)との「置き換え」を巡り防衛戦を繰り広げたが、これも外宇宙生命体だからこそ行える芸当であろう。
本作の主人公の一人である「カチ」も外宇宙の聖女側が侵略を命じ、派遣された外宇宙生命体の尖兵である。
ストーリー
神側の指示により第4亜地球に派遣され、当初は目的通りの抹殺任務を受けていた「イサ・ジョ」が、抹殺対象でありながら記憶喪失に陥っていた、外宇宙生命体であるカチをかばった事で、G5から追われる身となり、宇宙船を見つけて第4亜地球から脱出しようとする所から物語が始まる。
物語が唐突に始まり、聞き慣れない設定が多く困惑するため、ストーリーを理解したい場合は公式サイトのバックグランド小説や、取扱説明書に記載されたストーリーを読む事が推奨される。
前作も似たような体裁を取り、小説として刊行されていたが、今作では刊行化されていない。
登場人物
なお前作では一部のキャラクター描写にグロテスクで過激な表現が目立ったが、今作では控えめになっており、ボイスも英語から日本語に変更された。
キャラクターボイスは全員マウスプロモーションに所属する(当時)声優が担当。
主人公
CV:細谷佳正
本作の主人公の一人。前作のサキ・アマミヤとアイラン・ジョの息子。父親が受血による暴走から失踪したためか、母親の姓を名乗っている。
父親と同じく声が年不相応に低く、服装のファッションセンスは独特だが、ヒバルが彼の服装を褒めている描写があることから、彼らの価値観は変わっているのかもしれない。
CV:吉田聖子
本作の主人公の一人。聖女側に派遣された外宇宙生命体の尖兵だったが、トラブルで記憶を失ってしまい、名前もイサから便宜的に名付けられたもの。尻尾が生えているが見た目は少女そのもので、エネルギー生命体なので腹に鉄骨が突き刺さっても平気。しかし、服は脱げる。
真エンディングでは、前作のあるキャラクターと同一の存在である事が明かされ、前作経験者からすれば少し後味が悪い内容となっている。
G5(Group Of Five Countries - '地球施政連合機構')
第5亜地球の中でも特に戦闘能力が高いメンバーが集められたエリート集団。しかし神側からすれば「下等生物の駒」でしかないため、今回の作戦が成功した暁には「ヒトの権利向上」の取引を持ちかけていた。
全員何かしらの人体改造を受けており、最終決戦では異形の姿に変身する。
CV:新垣樽助
顔が青白く、細身長身なポーカーフェイスの男性。周囲には攻撃用の端末を浮かせている。
劇中の描写からサイボーグで、イサ達に見せた姿も偽物であり、本体は外部認識装置が取り付けられた脳と神経系だけの姿で、培養液に浸っている。
カチを「人の皮をかぶった化け物」と罵倒するが、本人もあまり人のことを言えない。
CV:石上裕一
液状化するスーツとマントを身につけた、小太りな中年男性。変身能力を有しており、巨大かつ様々な海洋生物に変身し、ミサイルなどを生み出して攻撃する。
フジ山を「龍脈が集う地」「不死の山」と称したが、普通にフジ山と言えなかったのであろうか……?
CV:沢城みゆき
G5に所属するメンバーの一人。見た目は女子高生の少女そのもので、セーラー服のような衣服と爪にはネイル、ミニスカートとニーソックス、ブーツを履き、腰には侍のような大袖状のプロテクターを身につけて機械仕掛けの日本刀を携えているという独特の格好をしている。
イサを気に入り、デートの申し込みをするほどに軽い性格で、ゲームオーバーになると色々罵ってくる。
CV:沢海陽子
大型の鳥型の仮面を被り、エキゾチックな風貌をした女性。杖を武器に様々な魔法のような攻撃を繰り出すが、その後暴走と思われる発作症状を起こし、両腕が異形の姿になって驚いたプレイヤーも数知れず。
CV:大川透
G5のリーダー格。筋肉質なイケメンであり、イサとは訓練生時代からの旧知の仲。超能力者のようで、様々な重火器や格闘技なども扱える戦闘のエキスパート。
本作のラスボスも務め、難易度イージーでも相当苦戦を強いられる。
前作の人物
前作の主人公。イサの父親で、(アイランがいなかったせいか)前作終了の数年後に変身して暴走する姿が映し出されたが、その後の詳細は不明。
その姿を子供時代のイサは目撃しており、自身もいつか父親のようになるのではないかと不安に怯えていた。
前作のヒロイン。イサの母親。今作では男勝りな部分は鳴りを潜め、女性らしい性格になっており、イサにかつての経験から、変身して暴走しないよう、心をつなぎとめられるパートナーを見つけるように諭している。
その後の顛末は明かされておらず、消息不明になっている。
作品タグについて
『罪と罰』のタグだけでは他のイラストとかぶってしまうため、『宇宙の後継者』のタグも併用したり、特定のキャラクター名を付けることが推奨される。
関連タグ
地球の継承者 - 前作
新・光神話パルテナの鏡 - 飛行・アクションパートのゲームシステムが本作と似ている。