ゲーム概要
1995年2月24日発売、開発:トレジャー・発売:セガによる、メガドライブ用横スクロールアクションシューティングゲーム。
超遺伝子工学を発達させた「亜人類」が生活する「亜地球」を舞台に、主人公イプシロン2(セカンド)を操作し、秘密結社「スカーレット」への復讐と組織の壊滅を目指し、全25ステージを進む。
巨大多関節ボスとの連続対戦を売りとした作品であり、その分一般的なアクションゲームに比べてステージ道中は短い。タイトルロゴには「FOR MEGADRIVERS CUSTOM」と添えられ、ゲーム内にて標準でタイムアタック用にクリアタイムが計測されているなど、ヘビーゲーマー層のやり込みを想定した高難度の作りとなっている。ウネウネ動く不気味な合成生物とハイテクな機械文明が同居した世界観も作品の特徴。
覚えゲー・死にゲーの側面が強く、対処法を知らない最初のうちはなす術なくやられてしまうようなステージでも、敵の行動パターンや有効な武器を把握し、進行チャートを練っていくことで驚くほど短時間でクリアできるようになる。解法を見つけ、短時間で爽快にクリアできるようになるまでのやり応えが醍醐味の作品である。
ストーリー
超遺伝子工学により生み出された改造生命体からなる秘密結社「スカーレット」と、それを生み出した亜人類との存亡を懸けた戦いにより、亜地球は危機に瀕していた。
亜人類は、スカーレット首領イプシロン・イーグルに対し特殊部隊による暗殺作戦を実行し、殺害こそならずもイプシロンを亜空間に追放することに成功する。しかしイプシロンは、自らを邪悪の意思を持つ「イプシロン1」と無垢の意思を持つ「イプシロン2」に分裂させ、人類に寄生することで亜空間からの脱出を図る。そのうち、イプシロン2を宿したのが日本の研究施設に暮らす少年フォウ・ミサキであった。
一方、スカーレットの新首領に就任したXi(サイ)タイガーは、亜人類に対するこれまで以上の苛烈な攻撃を開始した。Xiタイガーのあまりに暴虐な振る舞いに、スカーレット内部からも前首領イプシロンの復活を望む声が高まり、焦ったXiタイガーはイプシロンの完全抹殺を目論み、亜空間への扉を開くために「Xエイジ」と呼ばれる超能力者の少年少女たちが集められた日本の研究施設を襲撃する。
その襲撃の際、Xiタイガーは施設の少年の一人、フォウ・ミサキにイプシロンの魂を感知した。フォウの親友の少女・七瀬楓を人質に取り、正体を現すようフォウに迫るXiタイガー。フォウが怒りに身を任せたとき、彼の中にあるイプシロンの無垢の意思が呼応し、鷲の頭と鋼鉄の翼を持つ亜人「イプシロン2(セカンド)」として覚醒した。思わぬ事態に、Xiタイガーは楓を殺害して逃亡する。フォウは、自らに覚醒した未知の力に戸惑いながらも、復讐を果たすためスカーレットとの戦いに身を投じていく。
一方、イプシロンのもう一つの邪悪の意思を宿した謎の生命体も、魂を一つに戻そうとするかのように、フォウを追って飛び立っていた…。
主なゲームシステム
- 武器
ゲーム開始時に6種類の武器から4つ(重複可)を選ぶ。各武器にはエネルギー制限があり、必要に応じ切り替えながら進む。道中にはエネルギーを回復する武器コンテナが設置されており、ここで別の武器に交換するか、今の武器のエネルギー上限を上げるかを選択できる。ステージに応じた武器の切り替えと、エネルギーを切らさず突き進むための弾薬管理が攻略チャート構築のひとつのポイントである。
- カウンターフォース
- 0移動(ゼロテレポート)
いかに0爆装を温存しここぞの場面で放つか、またそのためにどこでカウンターフォースを使い体力を回復するかが、クリアやタイム短縮に向けた重要な戦略となる。
キャラクター
主要キャラクターをはじめ、各ステージのボスにもそれぞれ人間としての本名や年齢、経歴、人間関係など極めて詳細な(かつかなりエキセントリックな)設定があるのだが、余りに膨大なため詳しくはトレジャー公式ツイッター等を検索されたい。ここではストーリーに関わる主要キャラのみを挙げる。(以下、ネタバレ注意)
- イプシロン2(セカンド) / フォウ・ミサキ
- Xi(サイ)タイガー / 虎殺狂介
- イプシロン1(ファースト) / 黒木天魔
- セブンフォース楓 / 七瀬楓
死後、念動力の源である脳下垂体以外の頭脳を生体コンピュータに交換されて蘇生され、感情のないサイボーグとして巨大変形兵器「セブンフォース」のパイロットデバイスにされてしまう。また殺害された際にXiタイガーに片腕を食いちぎられたため、義手で補っている。ステージ20(ストーリー第3章)のボスとしてフォウの前に立ちはだかり、フォウは楓を終わりのない苦痛から解放するために、セブンフォースと戦う…。
その他
評価・移植
発売時期がセガサターン発売より後というメガドライブ最末期のソフトのため出荷数が少なく、当時のゲーム雑誌でも「難易度が高い」という評価が主であった。しかし、独特の世界観と迫力あるボスのアクション、やり応えのあるゲーム性からヘビーゲーマーの好評を得ており、メガドライブ版の状態のいいソフトには、オークションサイトで数万円のプレミア価格がつくこともある。
その後、プレイステーション2にガンスターヒーローズ・ダイナマイトヘッディーとの同梱で廉価版として移植された。現在では、steamなどで配信されているほか、2019年にはメガドライブミニ(アジア版のみ)・2022年にはメガドライブミニ2に搭載され、プレイの敷居は格段に下がっている。
完成度
ガンスターヒーローズで好評を博した変形ボス「セブンフォース」が本作にも登場する。しかし、ヒロインが生体パイロットデバイスにされているというストーリー上重要な存在にもかかわらず、セブンの名に反し5形態しか存在しない。その他、ゲーム後半につれ道中がないに等しいステージが増え、重厚な世界設定にもかかわらずゲーム中ではストーリー展開がよく分からないなど、明らかに開発期間が足りていなかった様子が見て取れる。
関連イラスト
外部リンク
関連項目
セガ トレジャー(ゲーム会社) メガドライブ メガドライブミニ メガドライブミニ2
- 罪と罰~地球の継承者~:後にトレジャーが開発を担当したNINTENDO64用ソフト。世界設定に本作との共通項がみられる。
- 異世界おじさん:主人公のおじさんは重度のセガゲーマーであり、特に本作の熱狂的なファンである。偽名を用いる時には「黒木天魔」「ウルフガンブラッド」(ステージ23ボス。馬型のロボットに乗った狼男のガンマン)など本作の登場人物を名乗り、また七瀬楓の話をたびたび引き合いに出すなど、その愛着ぶりが見て取れる。後にメガドライブミニ発売に際し、セガとの公式コラボが実現した。また、メガドライブミニ企画第2弾であるメガドライブミニ2の発売当日には販売記念の特別編が公開されたのだが、ページの半分以上使ってエイリアンソルジャーの解説を熱弁している。