概要
日本ではそれまでのシリーズにおいてビーストコンボイと呼ばれ親しまれていたが、G1のキャラクター達が2007年に公開された実写映画『トランスフォーマー』の公開を機に以降のシリーズでの名称が海外版に改められ、ビーストコンボイの名称もなるべく原語版に準じた名称が使用されるようになった。
そういった経緯もあり、Pixivでも「オプティマスプライマル」の名称で呼ばれているのは実写映画版以降に放送されたシリーズにおけるオプティマス達で、逆に実写映画版以前のシリーズのオプティマス達は今現在でも「ビーストコンボイ」の名で呼ばれている。
なお、当記事で解説する歴代のオプティマスプライマルは、日本でその名称が適用されている作品のみに限定していく。
プライムウォーズトリロジー
CV:ロン・パールマン
最終章となる第3章『パワーオブザプライム』より登場。
メガトロナス・プライムの追放後、彼の武器であったレクイエム・ブラスターの管理を最初の13人に命じられた守護者の最後の末裔であり、長年にわたって「Primal Swamp」の秘密の保管庫にてブラスターを守り続けてきた。
メガトロナスが復活し、狙いがレクイエム・ブラスターだと勘付き「Primal Swamp」へ訪れたメガトロンの説得を受け、ブラスターを委ねると、共にメガトロナスの野望を食い止めるべく仲間に加わった。
終盤、メガトロナスとロディマス・ユニクロナスを食い止めるべく、マトリクスの力を解き放ってオプティマル・オプティマスへとパワーアップし、両者を食い止めた。
戦後は復活したオプティマスプライムらに擁立され、新たなプライムとしてサイバトロン星の再生を担うことになる。
玩具
『ビーストウォーズ』放映から20年余りが経過した2018年に、次代のプライムをファン投票によって選ぶ「Choose of the Prime」にてハウンド、アーシー、ウルトラマグナス、スターセイバー、メガトロン、ショックウェーブ、サンダーウイング、デスザラスと共に候補に挙げられ、見事投票を勝ち抜いて製品化された(日本では原語版と同じくオプティマル・オプティマス名義で発売)。
旧製品のようなミサイル発射・発光ギミックはないものの、同シリーズのコンボイ・ロディマスコンボイとの共通ギミックとして胸部のコックピットにはマトリクスが収納でき、頭部から胸部にかけての部位は宇宙船に変形可能なオプティマスプライマルに分離する。オプティマル時はビーストモードやジェットモードに変形可能で、ビークルモードのオプティマスプライマルをメタルスコンボイのホバーボードに見立ててその上にビーストを乗せる事が可能だが、残念ながらタンクモードはオミットされてしまった。
後にアメリカでは、サンディエゴ・コミコン2018の会場限定販売商品として『パワーオブザプライム』版オプティマル・オプティマスの配色をビーストコンボイに準じたものに変更し、4体のプライムマスターとこれらを装着可能なセプターオブスパークス(杖)、そして頭部に被る王冠を追加したスローンオブザプライムが限定発売(日本では一般流通にて発売)された。その内部はオプティマル・オプティマスが鎮座する玉座となっており、背もたれにある回転式の光輪には12体のプライムマスターが取り付けられる。
ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー
「私たちは、君らの未来から来た!」
第3章『キングダム』より登場。
吹き替え版は子安武人が続投。
オールスパークが失われ、オートボットとディセプティコンが滅んだ荒廃した未来の世界における戦士であり、新種族・マクシマルのリーダー。原典と同じく真面目で責任感が強い人物として描かれている。
古代の地球において、ビーストメガトロン率いるプレダコンと何年もの間戦い続けており、その過程で大勢いた部下の殆どを失い(サイバトロン星を発つ際には200人以上いたそうだが、オートボット達が出会った時点ではプライマルを含めた6人しか生き残っていなかった)、残った彼らも先の見えない戦いに疲弊しているなど、かなり切羽詰まった状況にあった。
オプティマスおよびオートボットに対しては自分達が途方もない戦いに身を投じる遠因となった存在として当初は批判的な目を向けており、オールスパークの存在にも懐疑的だったが、部下達を故郷へ帰すために彼らと手を組むことを選び、その過程で信頼関係を築いていく。
また、オプティマスとは名前が殆ど同じなためか、作中ではオプティマスを始めとした登場人物達からはもっぱら「プライマル」と呼ばれており、プライマルは逆にオプティマスを「プライム」と呼んでいる。
一方でマクシマルのメンバーからは「オプティマス」と呼ばれている。ちなみにタイガトロンがプライマルに向けて「オプティマス」と名を呼んだ際には、プライマルだけでなくプライムも同時に返事をした。
実写版
「ライノックス!チーター!マクシマイズ!!」
CV:ロン・パールマン/吹:子安武人
実写映画第7作目『トランスフォーマー/ビースト覚醒』にマクシマルのリーダーとして登場。
キングコング並みの巨体(約4メートル)を誇るシルバーバックのメカゴリラの姿をしている(今作のマクシマル達はオートボット・テラーコン達とは違いビーストモードが本来の姿となっている)。
他のマクシマルにも言える事だが、体の一部に毛が生えた有機物と金属が混ざった体になっている。
本物のゴリラの様に普段は四足歩行だが、ドラミングを行う際などは二本足で立つ事も可能。そのドラミングは巨体ゆえに迫力満点である。
戦闘時は人型のロボットに変身する。ロボットモードは頭部を含めた全身が黒かったり、ボディがゴリラの筋肉の様な構造だったりするのを除けば殆ど無印アニメ版に近い(ただし劇中のバトルマスクを解除した顔は頭部がビーストモードと同一部位(変形メカ全般としてはまだしもトランスフォーマーとして極めて異例な事例)な事もありゴリラの面影が強い顔で筋肉的な胸部や小さめな肩パーツを考えるとメタルスコンボイとしての要素も含まれていると解釈できる)。
因みに下半身が1回転する変形もしっかり再現されている。
数千年前はサイバトロン星とは異なる惑星で暮らしており、あらゆる時空への移動を可能とするアイテムである「トランスワープ・キー」を守ってきた。
だが、キーを狙うユニクロンとその眷属であるテラーコン達の襲撃を受け、当時のリーダー・エイプリンクからリーダーの座を受け継ぎ残ったマクシマル達と共にキーの力を使って別次元の地球へと亡命してきた。
地球に移住すると強奪対策にキーを二つに分割すると、チーターとライノックスと共にペルーへと渡り、インカ人達と共存して暮らしていたが、インカの滅亡後はマチュピチュ近郊のジャングルへと渡り、生き延びた民族と共にキーを守ってきた。
今作ではオプティマスプライムと似た名前であるのは英雄として尊敬している彼に因んでつけたという趣旨の話を(本人の前で)している(この由来からするとビーストメガトロンと同じく本名ではない可能性が高い)。ただ、オートボットを守ることに執着しプライマル達が地球人と協力関係にあった事を信じ難そうにしていたプライム本人を見てエアレイザーに思っていた人物では無いと漏らす場面があった。
これについてはプライマルがプライムの事を過去の人物かのように語っていた点やマクシマル達がキーで時空を移動していた点を考えるとマクシマル達は「遠い未来から来た」か「別次元から来た」かの2パターンで考える事が出来る。
つまりプライマルの出会ったプライムも同様に「英雄と称される存在になる前」か「別世界線の同一人物」だった可能性も考えられるので、プライマルの理想とは掛け離れた面を見てしまい落胆したのかもしれない。また、ユニクロンに喰われた事で故郷が犠牲になったマクシマルはもう取り戻せないものと割り切っているのとは違い、故郷のサイバトロン星に帰還して戦争を終わらせる事で救える可能性が費えておらずキーを入手できれば帰還が可能となるオートボットとそれを導く義務があったオプティマスは背負うものが違ってくるとエアレイザーはフォローしていた。
使用する武器はアニメ版と同じくサイバーブレード。アニメ版では玩具のみの設定だった双刃刀形態も劇中で披露している。因みに特報では柄はチェーン状となっていた。
ビーストモード時ではゴリラの腕力を活かしたぶら下がりながらの移動や強力なパンチ、噛みつきなど野生味の溢れるスタイルで戦っていた。
劇中ではミラージュにドンキーコング呼ばわりされるシーンがあり、その際は呆れた顔でミラージュを睨みつけていた。
玩具は『パパパッとチェンジ』『ボイジャークラス』『スタジオシリーズ』が発売中。
『ボイジャークラス』は劇中での姿で発売された。塗装は劇中よりも灰色が強くなっている。武器は2本のサイバーブレードが付属する。
更にタカラトミー限定の『覚醒オプティマスプライマル』も発売。構造はキングダム版に近いがサイズはリーダークラスとなっており、頭部もマスクオンとオフの2種類に切り替えられる。武器は2本のサイバーブレードの他、玩具独自の設定で腕には「プラズマキャノン」、肩には発射機構付きの「メガブラスター」と、無印アニメ版のオマージュとなる銃火器を装備している。
『スタジオシリーズ』ではリーダークラスで発売。サイバーブレードとチェーンの他にプライムのエナジーアックスとトランスワープ・キーが付属する。
また、チェーンは同シリーズのバトルトラップにも武装可能な模様。
元の変形機構がシンプルなのでどの商品も安定した完成度を誇るが、問題点としてプライムとのサイズ比が合わないという問題がある。
劇中では四足歩行時のサイズがプライムの胸元に届くか届かないほどの高さであり、ロボット形態だと背の高さが同じくらいになるのだが玩具の都合上どちらかにサイズを合わせると片方の形態で合わなくなってしまう。
もっとも劇中の時点でビーストからロボットに変身するシーンで明らかにサイズが縮んでいる為、玩具化すると基本的にゴリラ形態は身をかがめる都合上仕方がないと言える。
因みに第5作『最後の騎士王』でも、コンセプトアートの段階で登場が検討されいたらしく、デザイナーのフリオ・テデスキによってイラストが何点か公開されている。(参照)