概要
アメリカの玩具会社ハズブロから販売されている『トランスフォーマー』の玩具シリーズで、同じ『トランスフォーマージェネレーションズ』シリーズのコンバイナーウォーズ、タイタンズリターンから続く『プライムウォーズトリロジー』と呼ばれるシリーズの最終シーズンにあたり、アメリカを中心とした海外諸国では同トリロジーの完結編となるCGアニメも前2作に続いて放送された。
一方日本では『トランスフォーマーレジェンズ』(の一般販売分)の次のシリーズとしてタカラトミーから発売されているが、日本では諸般の事情により前述のアニメは放送されていない。
特徴
「合体」が一つのテーマとなっているためか、合体機能を持った玩具が多いことが特徴で、前年の『コンバイナーウォーズ』と同一の合体機構を備えた商品も引き続きリリースされており、かつてのG1シリーズからはテラートロン(オボミナス)がリメイクされ、ダイノボット部隊も5体合体してボルカニカスとなるコンバイナーとして生まれ変わった。
オプティマスプライムやロディマスプライム、そしてファン投票により選出されたオプティマルオプティマスなどの歴代のプライム達は大型商品のリーダークラスでの発売となり、合体時のコアとなるロボットがビークルの外装と合体することにより大型ロボットが完成する。
シリーズ恒例の超大型アイテム・タイタンクラスにはプレダキングが選ばれ、G1シリーズ当時でも最大クラスの合体戦士だったかつての玩具の2倍近くにまでサイズアップ。それに加えて本シリーズのギミックを内包したものとなっている。
そんな中でも本シリーズ最大の特徴はプライムマスターの存在である。プライムマスターとは『タイタンズリターン』における「タイタンマスター(国内版における『ヘッドマスター』)」と同規格のミニフィギュアで、単体でコアとして変形する以外にビークルのコックピットへの搭乗が可能だが、タイタンマスターと異なるのは「プライムコア」と呼ばれるコアユニットへ変形する点であり、プライムコアには13人の「プライム」を象徴する「シンボル」が背面ユニットにモールドされている。前述したようにタイタンマスターと規格は同じなので、トランステクターにヘッドオンさせてドローンフェイスのように見立てて遊ぶ事もできる。
更にプライムマスターは「デコイアーマー」と呼ばれるアーマーボディに内蔵する事で「プリテンダー」として活動する事が出来る上に、デコイアーマー自身の武器を背面に装着し変形させる事でデラックスクラス以上のアイテムの5mmジョイントに武器として装備させる事が出来る(ターゲットマスターに近いギミック)。この武装には『タイタンズリターン』のウェポンビークルと同様のマイクロピンが備えられており、プライムコアを「パワーコアユニット」として接続する事ができ、同シリーズのコンバイナーの拳・爪先パーツにあるスロットやリーダークラスの商品に付属するマトリクスにも装着可能。
以上のように本シリーズのアイテムはこのプライムマスターの登場により、G1シリーズにおける「ヘッドマスター」「パワーマスター(日本ではゴッドマスター)」「ターゲットマスター」「メガプリテンダー」の4シリーズのギミックを1つに集約したプレイバリューを獲得している。
この他にも『タイタンズリターン』以来ハズブロが全面的に押し出してきた「ウーマンサイバトロンの充実」にも力を入れており、本シリーズではオプティマスプライム&エリータ・ワン、ノヴァスター(ファイヤースター)&インフェルノといった「G1当時の時点で恋愛関係にあった者達」の再現にも積極的に取り組んでいるという特色もある。
国内における扱い
日本において本シリーズは国内で展開されるトランスフォーマー玩具にとって大きな節目となっている。『トランスフォーマーレジェンズ』まで行われてきた「海外販売品のリデコアイテムを使った国内独自のシリーズ展開」がここに来て、海外シリーズと合流し同一化された事で(一般販売分は)終了し、以降は実写映画版の玩具と同じくハズブロ版とほぼ同じ仕様の玩具が発売される事になる。トランスフォーマーの名称も『トランスフォーマージェネレーションズ』以来再び海外版の呼称に戻されている。
玩具の仕様を統一したことで『トランスフォーマーレジェンズ』版ブラックコンボイや『ユナイトウォリアーズ』のメガトロニアなどで見られた「海外では一般販売された商品が日本では限定商品になる」点や、「海外版とはカラーリングや同梱品や仕様が異なる」点、そして「海外版とのキャラクター設定の食い違い」といった問題点が「一応は」改善され、更に海外では限定販売品だったスローンオブザプライムやダブルスパイが一般販売されるという異例の措置が取られた。
しかし、これは同時に「日本のファンにとって馴染み深い形にリメイクされない」、若しくは「海外版の不満点が殆ど修正されないまま国内導入される」といった看過出来ない弊害も生み出している。特に本シリーズではボイジャークラス以上の大型商品にホイルシールが多用されている為、それ由来のチープさを残したまま国内導入される形となってしまった。とはいえ、過去の2シーズンの集大成とも言えるシリーズなだけあっていずれの製品もスタイルの良い、プレイバリューも高い一品に仕上がっている為、購入する事自体は十二分に推奨できるシリーズである。
関連項目
スクランブル合体 プリテンダー ターゲットマスター ゴッドマスター
トランスフォーマーレジェンズ:日本における前シリーズ。本シリーズからも幾つかのアイテムが『トランスフォーマーレジェンズ』ブランドとしてタカラトミーモール限定商品に導入される予定だったとのこと。