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概要編集

白亜紀前期終盤から後期序盤(だいたい9500万年くらい前)のアフリカ北部一帯(エジプトモロッコニジェールスーダンアルジェリア等)に棲息したカルノサウルス類獣脚類で、カルカロドントサウルス科を代表する恐竜。


属名は「のような歯を持つトカゲ」または「ホホジロザメのトカゲ」を意味するが、これは薄くギザギザした歯の特徴が鮫(特にホホジロザメ)を彷彿とさせたことに由来する。

ちなみに「カルカロドン」そのものは「鋭い歯」を意味し、ホホジロザメの学名としても使われている。

※ホホジロザメの学名は「カルカロドン・カルカリアス」

 

発掘の歴史編集

最初は1920年代にアルジェリアで歯の化石が発見されたが。当初はメガロサウルス属だろうと考えられ「メガロサウルス・サハリクス」と命名されたが、今度はドリプトサウルス属に転入。

その後、ドイツの古生物学者エルンスト・シュトローマーがスピノサウルスなどの化石と共にエジプトで断片的な体骨格を発見し、少なくともメガロサウルスやドリプトサウルスとは別の系統である事が判明。1931年に新属カルカロドントサウルスと命名された。

 

化石はドイツのミュンヘン博物館に保管されていたが、第二次世界大戦のミュンヘン大空襲のせいでスピノサウルスやストマトスクスといった貴重な化石共々灰塵に帰してしまった。

こうして長らく忘れ去られていたが、半世紀後の1996年にシカゴ大学の調査隊により、モロッコで大部分の頭骨(後頭部と吻端、下顎を欠く)が発見され、新たな模式標本として記載された。また2007年にはニジェール産の新種カルカロドントサウルス・イグイデンシスが記載された。


身体的特徴編集

同じカルノサウルス類のアロサウルスが全長8~10メートル程に対し、推定全長は10~12メートルに達した。

ちなみに頭だけでも1.6メートルあり、これはティラノサウルス(1.5メートル)よりも少しデカい(おそらく個体差もある)。

 

このように全長ではティラノサウルスに匹敵するが、推定体重はむしろ軽く、また頭骨の幅も狭く、ティラノサウルスの半分近い薄さ。

脳のサイズはティラノサウルスの3/2くらい(ティラノサウルスが500gくらいなので350gくらい)。そもそも思考よりも運動能力の制御や本能などを司る部分がかなり多いため、脳が小さい=低知能でないことは留意すべきである。

 

博物館などではやや細長い頭骨が展示されているが、これは未発見の部位を想像で補ったもので、実際はギガノトサウルスメラクセスと大差ない顔をしていたと考えられている。

 

その他編集

群れたのか?編集

近縁種のマプサウルスは複数体で発見されており、群れをつくっていた可能性が指摘されているが、大型獣脚類は群れを作ることはあまりなかったと考えられている(個体や生息地の状況などにもよるだろうが)。

仮にマプサウルスが群れで狩りを行っていたとしても、だからといって安易にカルカロドントサウルスが群れを組んでいたと考えるのは早計。

また、他の大型肉食恐竜同様に同族による歯型らしき傷も確認されており、哺乳類のように統率の取れた群れを形成していたかは疑問視されている。何ならマジュンガサウルスに至ってはハッキリ共食いしていたと結論付けられているため、その気になれば同族でも餌食とする程に殺伐としていた可能性は高い。

 

獲物編集

前述した鋭利な歯や巨体から、当時の北アフリカにおける頂点捕食者だった可能性が高い。

どちらかといえばそこまで速くない竜脚類を狙い、その鋭い歯で獲物に重傷を負わせ失血死させていたと考えられている。

実際同時期の竜脚類であるパラリティタンの化石に混じって本種の歯が見つかった例もある。

 

他の獣脚類との関係・強さについて編集

同時期にはスピノサウルスの他、ルゴプスデルタドロメウスなど多数の大型獣脚類が棲息していたが、食性の違いからうまく共存していたと考えられている。

但し現在の頂点捕食者も競合する肉食動物を襲うことを考えると、カルカロドントサウルスも同様の事をしていた可能性は高いとされている。実際、あるスピノサウルスの脊椎には棘突起に噛み千切られたらしき傷が確認されており、カルカロドントサウルスの仕業ではないかとされている。


  • 参考・ティラノサウルスとの比較

同じく最大級の肉食恐竜であるティラノサウルス。

もしこいつらが戦ったとしたら、ティラノサウルスが優勢だったと考えられる。

まずカルカロドントサウルスの歯は強力な武器ではあるものの、ティラノサウルスに一撃で致命傷を与えるのは至難の業。対するティラノサウルスは骨すら噛み砕くような分厚い歯と頑丈なアゴを持ち、その咬合力は陸上生物史上最強(3~6t)と推測される。ちなみにこれはライオンの10倍、ワニでさえ倍以上の大差をつけられる威力。

またウェイト面でもカルカロドントサウルスを凌いでいた上に、衝撃を吸収する構造の後肢から機動力でも優っていた可能性がある。

もっともティラノサウルスが強すぎるだけでカルカロドントサウルスも相当強力だったことには変わりないが。


フィクション編集

古代王者恐竜キング編集

第5紀から登場し、上から2番目の強さ1800。ショルダーネームは「地上の人食い鮫」。

ちなみに同じカルカロドントサウルス科に属す連中で本作に登場したのはアクロカントサウルス・ギガノトサウルス]]・マプサウルスがいるが、アクロカントサウルスとギガノトサウルスはつよさ1400の中堅、マプサウルスはつよさ2000。

顔が左右に平たいという特徴はきちんと再現されており、台形のマプサウルスやギガノトサウルスとは一目瞭然。

アメリカ発の連中が多い炎属性では初のアフリカの恐竜だった。

※ギガノトサウルスは南米、タルボサウルスはアジア、ヨーロッパはトルヴォサウルスメトリアカントサウルス(トルヴォサウルスはアメリカとポルトガルで見つかっているが、本作ではカードの発掘地の欄にアメリカとしか記載されていない)。

必殺わざはグー。

バトルタイプは第5・6紀・DS版はまもりタイプ、2007第1紀+から2007第3紀はそっこうタイプ、激闘!ザンジャークではカウンタータイプ。

  • 炎属性の超わざ「フライトブレイズスピン」の同時に登場したが、超必殺超わざにならないためか、初登場したバージョンでは「ビッグファイアキャノン」のカードに描かれていた。

緑の恐竜のたまごやアフリカのたまごのカード使用時に出てくる事もある。

テレビアニメでは第5話に登場。カードが万里の長城の近くで起きた山火事に当たった事によって現れた。同じカプセルに入っていたわざカードの力を使って「ビッグファイアキャノン」を使用していた。

「翼竜伝説」では第62話で宇宙海賊ザンジャークのグーネンコの恐竜として登場し、サイカと戦った。

  • コロコロイチバン!のコミカライズ版でもやはりグーネンコの恐竜として登場した。わざカードは「バーニングダッシュ」を使っていた。

なおコイツの鳴き声は同時期の特撮「魔弾戦記リュウケンドー」のデルタシャドウに流用されている。またスピノサウルスの咆哮も「名探偵コナン」の大怪獣ゴメラに流用されているため、これらを見ている(た)プレイヤーは聞き覚えがあるかも。


ARK:Survival_Evolved編集

アップデートで追加された。

ギガノトサウルスとスポーン枠を共有しているのでギガノトサウルスが湧く場所を探せば見つかる。

生物の死体を手渡しで食べさせ、ゲージを一杯にした後、騎乗して野生生物を倒してテイムゲージを一杯にすることでテイムできる。死体を持っていれば敵対されない。ゲージの伸びは死体の生物の重さに依存する。赤ちゃんであろうと重さは同じ生物種であれば変わらないので大型生物の赤ちゃんの死体を与えると一発でゲージを満タンにできる。野生時はギガノトサウルスと同様に圧倒的な攻撃力と体力を持つが、テイム後は弱体化する。

生物を1体倒すごとに「滅多殺し」という10秒間移動速度上昇とスタン無効のバフと「ブラッドレイジ」という攻撃力、体力回復速度上昇のバフがかかる。ブラッドレイジは最大100スタックまで重ね掛けできるので倒せば倒すほど強くなり、ギガノトに比べて連戦に向いている。


ダイナソープラネット編集

サルタサウルスの成長」にて登場。

舞台が8000万年前のパタゴニアなので、明確には放送当時は未記載だったアエロステオンではないかと考察されている。


最強王図鑑編集

初登場は『恐竜最強王図鑑』。イグアノドンテリジノサウルスアルゼンチノサウルスと対決した。

その後『恐竜タッグ最強王図鑑』でパキケファロサウルスと組みベスト4進出。


  • カセキホリダー

カルカーロという名前で登場。

黄土色に青い縞模様というカラーはどことなくツタンカーメンのマスクを思わせる。

 

ちなみに「サメの歯トカゲ」という名前だが土属性。


関連タグ編集

恐竜 獣脚類 カルカロドントサウルス科

ギガノトサウルス:ほぼ同時期の近縁種。アルゼンチンに生息していたが、当時南米とアフリカは地続きだったので自然なことである。

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