概要
アルゼンチンのフインクル層から発見されたカルカロドントサウルス科で、ギガノトサウルス、マプサウルス、ティラノティタンとともにギガノトサウルス族を構成する。
属名は小説『氷と炎の歌』(『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作)に登場するドラゴンの名前に由来する。
カルカロドントサウルス科の中でも非常に発掘された骨格の保存率が高く、ほぼ完全な頭骨と下半身(骨盤、後肢、尾椎)の他、胸筋骨や前肢、肋骨や頸椎骨などが発見されており、南半球産のカルカロドントサウルス科としては最良の完全性を誇る。
これらを元にアクロカントサウルスなどの近縁種と比較した結果、推定される大きさは全長10.6m・頭骨長127cm・体重4t程とされる。これに対して前足は60cm程度と短く、アベリサウルス科やアルヴァレツサウルス類、ティラノサウルス上科との収斂進化が指摘されている。
骨組織学的分析によるとホロタイプ標本の個体で死亡年齢53歳という結果が得られており、既知の非鳥類型獣脚類で最も長命のものである。ティラノサウルスなど他の科に属する大型獣脚類より成長が遅く、30~40歳で成熟した可能性も指摘されている。
なお、化石の発掘されたフインクル層はマプサウルスも産出していることで知られるが、メラクセスの方が若干古い年代の層から発見されているため、共存はしていなかったとみられる。