概要
中新世(約2000万年前から530万年前)の南米大陸に生息していた大型のワニで、現在南米大陸に多く生息するカイマンの仲間。名前は最初に化石が発見されたアマゾン川の支流の一つ・プルス川に由来する。化石はアマゾンの熱帯雨林だけでなく、コロンビア、パナマ、ベネズエラからも産出している。
現生のカイマンは2メートルほどの小型種が多いが、プルスサウルスは小さく見積もっても10メートル、最大で13メートル近くに達する巨体を誇ったとされ、デイノスクスやサルコスクスと並び史上最大のワニと考えられている。
食性は肉食で、他のワニを含めた様々な動物を捕食する、当時の生態系における頂点捕食者だったと推測されている。
短く幅広な吻から繰り出される咬合力は69,000ニュートン=約7tに達したと推測され、歴代の陸上生物で最強クラス、あのティラノサウルスの倍以上に達したともされている。加えて、現在のワニと同様にデスロールも可能だったと判明している。
一方で巨体故に環境の変化には弱く、現在のカイマンのように泥に潜伏したりすることは(不可能ではないが)難しかったとされ、それが原因で徐々に寒冷化する地球環境の中、絶滅したと推測されている。
最強王図鑑での活躍
恐らく国内で知られるようになったのはこの作品がきっかけだろう。
『絶滅動物最強王図鑑』ではアルクトテリウム、スミロドン、パラケラテリウム、インペリアルマンモスを撃破。多くの読者の下馬評を覆しての優勝だった。また、『異種最強王図鑑』でもカバ、ティタノボアを相手に敢闘を繰り広げていた。その一方で、『水中最強王』ではシャチに一方的に攻撃されて敗北してしまった。だがこれも数合わせのため致し方ないという意見も。
アニメ版では12話にて初登場。トリケラトプスと岩場を舞台に激闘を繰り広げ辛勝…したのだが、なぜか現生のワニですらできない崖走りを披露しており、視聴者からかなりいじられこんなものまでも作られてしまった。
なお制作主曰く
「全部俺が悪い、プルスもトリケラもスタッフも悪くない」
とのことだ。
なおいじりの元凶になった崖走りは現生のイリエワニを見る限りは実は尻尾でジャンプして弾みを付けてから走っていた可能性が高い。
その後17話にてシロサイと戦闘。突如としてフィールドに発生した砂嵐に紛れて襲い掛かってくる相手の攻撃に苦戦しながらも、目を膜で保護したお陰で最後の一撃を見切り、その後必殺・デスロールを使うまでもなく勝利している。さすがは優勝経験者と言ったところか。
次戦は26話。対戦相手はミイデラゴミムシ。前半は完全にミイデラゴミムシのガス攻撃を前に翻弄されて続けてしまい、その後怒り任せで相手を追いかけた際、岩に体が挟まって動けなくなるという情けない姿を見せてしまった。……が、止めを刺そうとしたミイデラゴミムシはというとまさかの弾切れ。結果何とか脱出することが出来、逃げようとした相手を尻尾の一撃でノックアウトした。これでプルスサウルスはアニメ版に於いて初の3連勝を達成した。
その強さが評価されない訳がなく、41話にて最強王トーナメントに堂々の出場が決定。対戦相手はホッキョクグマ。
お互い泳げる動物というのもあり、案の定と言うべきかステージは氷原。そして変温動物であるプルスサウルスにとってはあまりにも過酷すぎる環境であり、寒さのあまり動きが鈍かった。
その弱みを握られ、ホッキョクグマの突進や引っ掻き攻撃を受けた上に、顔に乗られて噛みつきも阻止される(ワニの顎を開ける力は非常に弱く、老人の握力で負けるほど。上記のトリケラトプス戦でも頭を押さえられてしまった)
このままでは不利だと悟ったのか、その場で回転してホッキョクグマを振り払いながら、そのまま海へダイブ。地上よりも水温の方が温かいのもあり少しずつ体力を回復させたプルスサウルスが、氷を割って勢い良く地上に出現。先程までの屈辱を果たさんと言わんばかりの尻尾の一撃でワンパンしてホッキョクグマを海へ突き落とし溺死させ、2回戦進出。なおなぜここでデスロールを使わなかったのかという意見もあるがつっ込んではいけない。
尚、45話にてティラノサウルスとアルゼンチノサウルスの対決が決まったことから、自動的に次の相手はスピノサウルスであることが判明した。
ステージはミイデラゴミムシ戦以来の洞窟。そして他試合の選手達同様、1つ前の試合の状態は持ち越しで、プルスの場合頭部と腹に傷がある状態で戦闘した。
尻尾と牙の応戦により白熱した試合を見せた両者、序盤にてまたしても顎を抑えられてしまうが、これを力ずくで振り払い、スピノサウルスの噛み付きも横回転で何とか振りほどいた。
最終的に首にスピノサウルスの牙が突き刺さるが、プルスサウルスも負けじと相手の首を噛み付き返す。そしてそのまま久し振りのデスロールを喰らわせてスピノサウルスの首を折って勝利した。
その後47話の次回予告にてティラノサウルスとライオンが戦闘する事が決定したため、自動的に次の対戦相手はティタノボアであることが判明。
プルスサウルスにとって初めての森林ステージで勝負が行われる49話、ティタノボアはさっそく締め上げようとするが、鼻先を噛まれた途端デスロールを発動。しかしすぐに即座に肉体を締め上げ巻き付けられてしまう。ただ、必死に暴れた結果締め上げが解除。正面からティタノボアの弱点である頭を砕いて原作とは異なる決着を迎えまさかの勝利。
このような結果になった最大の理由は恐らく「アニメ版の森林に川が無かったから」だと思われる。爬虫類であるプルスサウルスは2話前のエキシビションで登場したモササウルス同様水中で呼吸する事は出来なく、書籍版では咄嗟に近くにあった川へ入り水中戦に持ち込もうとしたが、胴体が長いティタノボアは水面から顔を出しながら呼吸することが出来たため力が弱まることがなく、そのまま水中でキツく締め付けられた結果呼吸が出来なくなり溺死し敗北したというものであった。
だが、その決め手となる川が無いアニメ版の森林ステージではその状況を再現することが出来ず、それ故に今回のようなif展開になったのだと思われる。(それに加え、アニメ版では水のあるステージが氷原と海中しかなく、川と違って水深がかなり深いこれらのステージでも書籍版のような展開にする事は不可能)
モーストの「実力は五分と五分、バトルフィールドが違えばまた違った結果になっていたかもしれない!」という台詞からもそのことが窺える。(事実、この発言は過去試合の彼らにも当てはまる)
そして決勝戦にてついにティラノサウルスとの初の直接対決を迎える。
荒れ果てた荒野を舞台に、誰もが待ちわびた夢のカードが実現!一時前足に浅く噛みついたり、後ろ足に噛みついてマーベラスデスロールをお見舞いしたが、やはりティラノサウルスの急所への噛みつきに屈してしまった…が、一応今回は(1期)最終回である以上敗者ワイプがなかったので実感が沸かない人も多いかもしれないので言っておく。結果は準優勝だった。
特にこれまでの原作再現パターンからティタノボアには屈するかと思われた矢先の勝利は鮮やかだった。(しかし引き換えに入れ替わりで同種族戦での不覚を取り炎上した選手が出る始末だったが…)
因みにプルスサウルスは全てのバトルフィールドに姿を見せた唯一の生き物である。
(尚、厳密に言えば第47話に登場した海中が残っているのだが、これは恐らく海生生物専用のステージと思われるためここでは含めない)
特別劇場版においては12話と26話でのバトルがプレイバックされる。
必殺技はトップ・オブ・デスロール、プルスデンジャラスコンボ、怒りのプルスイング、復活のプルスイング、マーベラス・デスロール、プルスマキシマムデスバイト。外見はどちらかといえば絶滅動物最強王図鑑のものに近い。
なおマーベラス・デスロールに関しては中の人ネタとも見て取れる模様だが、そもそもマーベラスは本来「驚くべき」「不思議な」「奇跡的な」「ありそうもない」という意味の形容詞のため真意は不明。