概要
「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」「ジュラシック・パークIII」の舞台となった島。
「ジュラシック・パーク」の舞台となったイスラ・ヌブラル島の南西140kmにある架空の島であり、スペイン語で『皮肉の島』という意味を持つ。
「サイトB」と呼ばれたソルナ島はインジェン社社長のジョン・ハモンドがジュラシック・パーク計画の為ヌブラル島と共に購入した物で、恐竜の孵化施設と復活に必要なDNAの研究施設が置かれており、ここで孵化、成長させた恐竜をヌブラル島にあるテーマパーク「サイトA」に移送して展示する手筈となっていた。
一応ヌブラル島にも孵化・研究施設はあったがそれは来場客に見せるための小規模なものであり、あくまでメインの研究施設はソルナ島の「サイトB」である。
歴史
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク
1993年の事故によってジュラシック・パーク計画が白紙化された後も細々と研究は続けられていたが、その1年後に大型のハリケーンが島を直撃。施設は壊滅的な打撃を受けてソルナ島も放棄される事となり、インジェン社の人員は島から撤退。ヌブラル島同様に脱走した恐竜が支配するようになる。
ジョン・ハモンドは事故の反省から恐竜達を保護しようとしていたが、1997年、クルージング中に偶然この島に上陸した富豪ボウマン一家の娘キャシーがコンプソグナトゥスに襲われて負傷してしまう。
ハモンドがその責任を取らされる形で失脚すると、代わって社長に就任したピーター・ラドローがジュラシック・パーク計画の再開を目論み、ハンター達を率いて恐竜を捕獲しようとした。
捕獲された恐竜達はハモンドの依頼で島に来ていた恐竜調査隊によって解放され、更にティラノサウルスとヴェロキラプトルの襲撃によってハンター団も殆どが死亡したため頓挫。
ハンター団のリーダーローランド・テンボが捕獲したティラノサウルスの親子だけが運び出されるも、新たなジュラシック・パークが建設される予定だったサンディエゴで目覚めて大暴れしラドローを捕食した挙句、再び麻酔銃で眠らされてソルナ島に送り返された事で計画は再び失敗に終わる。
その後はハモンドの尽力もあってソルナ島周辺は立ち入り禁止区域となり、人間が関わる事のできない恐竜の楽園となった。
ジュラシック・パークIII
立ち入り禁止区域となったソルナ島だったが、恐竜見たさに近づこうとする人間は後を絶たなかった。
2001年に島の近くでパラセイリングをしていたエリック・カービーとベン・ヒルデブランドがアクシデントによって制御不能に陥り、島に不時着して行方不明になってしまう。
エリックの両親であるポールとアマンダはエリック救出のために傭兵を雇い、更に恐竜に詳しいアラン・グラント博士と助手のビリー・ブレナンを騙して島に上陸するが、直後スピノサウルスに襲われて乗ってきた飛行機が大破し島から出られなくなる。
スピノサウルスやヴェロキラプトルによって犠牲を払いながらもグラント一行は2ヶ月生き延びていたエリックと合流。衛星電話でエリー・デグラーと連絡を取ってアメリカ軍の救助隊を呼び、島からの脱出に成功した。
また本編後ソルナ島は危機的状況を迎えており、個体群の大半が、生態系の崩壊に伴い数を減らしている。小説フライヤーズによると、違法で生み出されたスピノサウルスがティラノサウルスを始めとするソルナ島の大型肉食恐竜を殺害したことにより、個体数のバランスが保てなくなったことが原因であると考えられている。
ジュラシック・ワールドシリーズ
メインの舞台がヌブラル島とアメリカ本土であるため、直接の登場や言及はない。
ただし設定上、インジェン社を買収し島の所有権を獲得したマスラニ・グローバル社によってソルナ島の恐竜達の大半が捕獲された、2005年までにヌブラル島に移送されて一括管理される事となり、ジュラシック・ワールドで展示されていたらしい。
2015年のインドミナス・レックス事件によってジュラシック・ワールドが崩壊すると恐竜達は元々ヌブラル島にいた恐竜達と共に再び脱走して野生化するが、その後の生存競争でいくつかの種が再絶滅し、残った恐竜達も2018年にシボ山の大噴火に伴う火砕流に飲み込まれ島と運命を共にする。
助かったのは恐竜保護団体「DPG(Dinosaur Protection Group)」と「ロックウッド財団」によって救助された極一部(それも大半がヌブラル島の恐竜)のみだった為、ソルナ島の恐竜はほぼ全て、下手をすれば完全に再絶滅したと思われる。
余談
スピンオフ作品のジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプには、『ジュラシック・パークIII』と同一個体と思われるスピノサウルスやティラノサウルスサウルスの親子などが登場し、彼らが2001年から2004年の何処かでソルナ島からマンタ・コーポレーション島に移送されたことが明かされた。
ソルナ島は『ラス・シンコ・ムエルテス(五つの死)諸島』と呼ばれる、『C』を描くように連なる5つの島々の一つであり。
『五つの死』の島々は北西から順に『イスラ・マタンセロス島』(虐殺の島)、『イスラ・ムエルタ島』(死の島)、『イスラ・ソルナ島』(皮肉の島)、『イスラ・タカニョ島』(嘘つきの島)、そして『イスラ・ペナ島』(苦しみ・刑罰の島)からなり、イスラ・ヌブラル島と同様5つとも火山島である。
ラス・シンコ・ムエルテス諸島は「ロスト・ワールド」の劇中で地図に示されたワンシーンのみしか出なかったが、経営シミュレーションゲーム「ジュラシック・ワールド・エヴォリューション」ではメインの舞台となっており、5つ全ての島(+ヌブラル島)を開発して恐竜パークを建設する事が可能となった。
関連タグ
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者では…(ネタバレ注意!)
前2作に引き続いて直接の登場はないものの、バイオシン社の広報担当ラムジー・コールが恐竜保護区「バイオシン・サンクチュアリ」の説明をする際に「ソルナ島から移送されてきた恐竜もいる」と発言しており、マスラニ社の手を逃れてソルナ島で生き残っていた恐竜が普通に存在していた事が示唆されている。
また、マスラニ社はソルナ島に恐竜の個体群は存在しないと述べていたにもかかわらず、立ち入り禁止区域のままであった。更に国連とインジェン・セキュリティの合同タスクフォースが10年以上にわたり島を巡回し、密猟者が島に上陸するのを阻止しようとしており、現在でもインジェン社は、ソルナ島で秘密裏に不審な活動をしているのではないかと強く示唆されている。
現在、ソルナ島は主にコスタリカ政府と、以前はバイオシン社(2022年時点ではもはや関与していない)を含むいくつかの第三者企業によって監視されている。島の状況、そこに何匹の恐竜がまだ生息しているかなどは謎のままである。政府間先史野生生物局による説明は現在、ソルナ島で今何が起きているかを一般の人々が実際に知る唯一の情報源であり、その数は少ない。DPWの監視下で恐竜が復活したかもしれないということだけが確認されている。当局は島にはもはや恐竜は生息していないと繰り返し主張しているが、手元にある事実は一貫してそうではないことを示しており、何かが生き残っているという長年の疑惑を煽っている。
更にコリン・トレボロウ監督が、ラストシーンでレクシィと交流していた2頭のティラノサウルスは「ロスト・ワールド」のバックとドゥ夫妻であると認めた為、この事は確定となった。