イヴェルカーナ
いゔぇるかーな
モンスターハンターワールド:アイスボーンにて初登場し、本作のパッケージモンスターを務める古龍種モンスター。
別名は『冰龍』(ひょうりゅう)。「冰」は「氷」の旧字体である。
目撃例が少なく、口伝のみが残るとされていた幻の古龍。万物を凍てつかせる力を操るとされている。クシャルダオラやテオ・テスカトルに通じるドス古龍骨格であり、白と青を基調とした氷晶のような龍鱗に覆われている。また最大の特徴として、体内で生成した過冷却水を用いて氷を鎧のように全身に纏い自らの力を向上させることができる。
氷属性を操る古龍としては、派生のフロンティアにはトア・テスカトラ、メインシリーズでもキリン亜種や地域によっては氷属性が付加されるクシャルダオラが存在していたが、純粋な氷属性の古龍種とするならばメインシリーズ初となる非常に珍しい古龍種である。
突如として起こったレイギエナの大移動、そして各地で聞こえるようになった"歌"を始めとした異変の原因を探るべく、主人公達調査団は新たなフィールドである「渡りの凍て地」へと気球を飛ばし、新たに設営した調査拠点セリエナから各地の調査を行っていた。
その調査の最中、突如として主人公達の前に出現。翼の羽ばたきだけで猛吹雪を起こし、ブレス一つで小型モンスターを氷漬けにするという凄まじさをまざまざと見せつけ、しかし主人公達に危害を加えることもなくはるか彼方へ飛び去って行った。
……しかし、この方角が問題だったのだ。
イヴェルカーナが飛び去ったのはなんと新大陸の方角。このままイヴェルカーナが上陸すれば古代樹の森をはじめとする生態系の破壊は免れず、アステラにも被害が及ぶことを危惧した調査班は一時帰還を決定し新大陸へ舞い戻ることとなる。
そして嫌な予感は的中してしまい、イヴェルカーナの上陸による寒冷化の影響で食料調達などに支障が生じ、アステラは新大陸から撤退せざるを得ないレベルの物資不足に陥ってしまう。そんな中、新大陸生まれの調査班リーダーが発した「生態系の一部として生きる為に足搔きたい」という決意は調査員達を奮起させ、アステラは現大陸の支援を受けながら少しずつ元の調子を取り戻していく。
そうして再起した調査団は、5期団希望の星である主人公にイヴェルカーナの撃退を依頼。龍結晶の地に羽を休めたイヴェルカーナと主人公はここで初の対峙を果たす。
熾烈な戦いの末、主人公に敗れたイヴェルカーナは力なく地に伏せた―――
ように思えた。
イヴェルカーナに主人公が近づこうとした次の瞬間、足元にみるみる広がっていく氷結。動揺する主人公の前で地に伏していた巨躯はゆっくりと起き上がる。その風貌は、先程まで対峙していた姿とは大きく異なっていた。
過冷却水から形成された氷の鎧は四肢、尻尾、翼、胸部へじわりじわりと纏いつき、やがて頭部まで覆ったそれは凍てついた刃のような王冠―――「冠角」を携え、壮麗纏いし銀盤の貴人となって再び主人公の前に立ちはだかった。
…そう、イヴェルカーナは力尽きるどころか、今までただの一度も本気を出していなかったのだ。
これ以上は危険だと感じ取った主人公と編纂者は撤退を試みるも、イヴェルカーナの攻撃から編纂者をかばった拍子に氷塊が頭に直撃した主人公は気を失ってしまう。主人公が倒れたことで脅威は無くなったとみなしたのか、イヴェルカーナは編纂者には目もくれず再びどこかへ飛び去ってしまう。
龍結晶の地から飛び去ったイヴェルカーナが羽を下ろしたのは、かつての住処である渡りの凍て地だった。
主人公との戦闘の影響かは定かではないが、戻り立ってから活動が急激に活性化しており、此度はセリエナへの襲撃が危ぶまれるようになった。セリエナを守るため調査団は大規模な迎撃拠点を設営、真正面からかの龍を迎え撃つ「セリエナ防衛線」が幕を開ける。
戦線復帰した主人公が加わってもなお防衛は熾烈を極めたが、最後の一押しに放った迎撃兵器・撃龍杭砲イヴェルカーナに命中。倒れはしなかったもののさすがに堪えたようで、恨めしそうな視線を調査員達に向けながら迎撃拠点から逃走した。かくして撃退には成功したものの、調査団もありったけの資源をつぎ込み負傷者を出しながらの辛勝といった体(てい)であった。
またいつ襲撃してきてもおかしくない緊迫した状況を打破すべく、調査班リーダーは主人公にイヴェルカーナ追撃の任を託すのであった。
任を受けた主人公が足を踏み入れたのは、渡りの凍て地の最奥部。いびつな金属の結晶体が天地を覆うその巣の中央に、イヴェルカーナは現れた。主人公を明確に「敵」とみなし、全身が竦むような冷気を纏いながら襲い掛かってくる本気のイヴェルカーナとここでようやく本格戦闘となる。
そうして美しくも苛烈な猛攻を潜り抜け、見事主人公は凍て地の勝者となった。
その後到着した調査団の見分によって、イヴェルカーナが新大陸に訪れた理由が、巣の形成にも用いられていた金属の結晶を生成するためではないかという調査結果が出された。この結晶は龍結晶の地のマグマを急速冷却して生成されたものであり、イヴェルカーナはこれを用いて冷気を制御していた可能性があるという。
ともあれ、これでレイギエナの大移動と寒冷化による生態系の破壊が防がれるだろうと胸を撫で下ろしていた調査団だったが、不意に遠くから"歌"が聞こえ始める。その直後、凍て地の各所で地殻変動が発生。立つこともままならない揺れの中、畳みかけるように分厚い暗雲が空に立ち込め一帯を覆ってしまう。
そう、イヴェルカーナの急激な活性も、未だ解決に至らない"歌"の存在も、突如起こり始めた地殻変動も、すべての元凶の影響の一端に過ぎなかったのだ……。
行き迷い目睹せし氷像に
身震の因由は慄然であったと知る
凍て地の君は ただ冷厳に
六花の御簾より出づることなく
愚かなる雑輩を 凍獄へと幽する
2023年2月2日のPVにより、無料タイトルアップデート第4弾で復活古龍種モンスターとして参戦が決定した。
本作品ではリオレウスやジンオウガなどはもちろん、セルレギオスやゴア・マガラといったワールドでは参戦できなかったメインモンスターも参戦しており、アイスボーンのメインモンスターであったイヴェルカーナも無事参戦できることに。
ドス古龍とも縄張り争いをしていたマガイマガドと縄張り争いをする他、現在は探索ツアー限定だがサンブレイクのメインモンスターであるメル・ゼナとも縄張り争いをする。
特にメル・ゼナとの縄張り争いは、作中でも屈指のド派手演出。
危険度は9となっており、メル・ゼナやシャガルマガラを1つ上回る数値となっている他、探索ツアーでは大社跡や溶岩洞などの汎用フィールド全てに登場する事がある。今作の汎用フィールド全域に登場するモンスターは揃いも揃って化け物揃いである。
過冷却水を放って周囲の冷気を瞬時に凍結させる攻撃を基本戦法とする。この攻撃によって何も無い場所に突然氷塊や氷壁を生み出すことができ、密着して戦っていると突然大ダメージを受けて引き離されてしまうことがある。極低温ブレスによる遠距離攻撃を主体としているが、凍結させた尻尾の突きなどの肉弾攻撃もできる。また、氷刃佩くベリオロスの「凍結状態」のように足元をブレスで凍結させてハンターの動きを鈍らせ、そのまま尻尾で刺し貫く搦め手も用いてくる。
尻尾の切断は可能だが、切断面を凍結させて通常時と変わらぬリーチを保持して刺突してくるため、戦闘時における尻尾切断のメリットが薄いというという特殊な様相を呈する。
その代わり…というわけではないが、氷を纏った部位を合計3ヶ所破壊すると普通の気絶とは違った特殊ダウンが発生し、氷纏い状態が解除され絶好の攻撃チャンスが訪れる。
ちなみに切断された尻尾はディノバルドや次作のパッケージモンスター同様地面に垂直に突き刺さるようになっている。
歴戦王
「我こそはと思う狩人よ、わたくし達と共に冰龍が眠る地へと!」
MHW:Iの最後の追加モンスターとして2020年10月16日に歴戦王イヴェルカーナが追加実装された。
ストーリー上では中間ボス程度の扱いだった上、同日に発表されたもう1体の追加モンスターのインパクトが絶大すぎてこの歴戦王もやや影に隠れがちではあったが、いざ対面してみるとパッケージモンスター面目躍如の鬼畜ぶりでハンターを殺しに掛かってくる。
どのくらい鬼畜かというと、まず同時期に追加されたアルバトリオン以上の体力を誇り、攻撃倍率はもう1体の追加モンスターよりも上という想像を絶する難易度。それだけに留まらずモーションの強化、歴戦王ネロミェール同様のクラッチ妨害、落石ダメージ軽減(落石を当ててもダウンせず怯むのみ)、果てにはガード不能の即死ブレス「アブソリュート・ゼロ」なる必殺技をも引っ提げてきた。
なお歴戦王イヴェルカーナのBGM名は「THE END OF ICEBORNE」。正真正銘、アイスボーンで対峙する最後のモンスターになるので、持てる全てをぶつけて六花を静かに眠らせてやろう。
ちなみに、MHRise:SBに実装されたイヴェルカーナのモーションには至る所に歴戦王のモーションが流用されている。そのため、「サンブレイクのイヴェルカーナはアイスボーンのイヴェルカーナより強い」と評されることが多い。流用例でいえば「アブソリュート・ゼロ」が最たるものだろう。さすがに歴戦王の攻撃力は持ち合わせていないが、大技枠ゆえ対策を怠ればあっという間にキャンプ行きになってしまうので油断しないように。
イヴェルカーナとの戦闘BGM名は「壮麗纏いし銀盤の貴人」。
過去作での凍土や氷海のBGMと同じく、氷を操るイメージからかピアノが中心となった楽曲に仕上がっている。そこに加わる金管楽器のメロディはイヴェルカーナの持つ美しさと荒々しさを上手く表現していると言えよう。
なお、既存のBGMが使用されることが珍しいMHSTシリーズでは2にて原曲がそのまま採用されたばかりか、前述のサンブレイクでは前作ライズからも含め過去作の全モンスターが戦闘BGMをアレンジされている中、ここでも原曲がアイスボーンでのクエストクリアBGMごと再び採用された。
そして上述の通常戦闘BGMと歴戦王BGMに加え、MR☆3任務クエスト「氷と炎のはざまより」でも専用BGM「冷気を統べる者の片鱗」が用意されているなど、BGMが他のモンスターよりかなり優遇されている印象が強い。
防具名は「EXラヴィーナ」。氷で造った紳士服・ドレスのような出で立ちが特徴。
抜刀術【技】(抜刀攻撃にのみ会心率が上昇)や災禍転福(状態異常・属性やられを解除時、一定時間物理・属性・状態異常攻撃を強化)などが発動するほか、シリーズスキルとして「冰龍の神秘」があり、2部位着用で会心撃【属性】(会心攻撃時、属性攻撃に上方補正)が、4部位着用で新スキルの「冰気錬成」が発動する。
これは納刀時に時間経過で武器に冰気が溜まって物理・属性攻撃を強化するスキルであり、モンスターへの攻撃で冰気が減少するものの溜まる速度はかなり速い。
有志の検証によると最高で1.3倍の補正が乗り、それを前述の3つのスキルで底上げするという火力に特化したスキル構成となっている。
基本的にどの武器種でも恩恵を得られるが、特に大剣とは抜群に相性が良く、真・溜め斬りの存在で弱体化した抜刀大剣スタイルが十分実用圏内になって舞い戻ってきたという評価がされている。
イヴェルカーナが復活したサンブレイクにおいても「ラヴィーナ」シリーズとして登場した。シリーズスキルだった「冰気錬成」も登場したがこちらは胴、腕、腰の部位にLv1ずつ付いており、最大のLv3にすることで最高1.3倍の補正が乗るようになる。しかも抜刀術【力】や集中、納刀術が各部位にLv3で揃っており、「大剣で使ってくれ」と言わんばかりのスキル構成となっている。他の武器種でも恩恵を得られる点は変わらないが特に大剣では真価を発揮しやすいだろう。
詳細はラヴィーナ装備を参照。
- 氷を鎧のように纏って能力を向上させるモンスターには前例がいる。
イヴェルカーナの氷纏いは壮麗で厳かな雰囲気を醸し出しているが、こちらは獰猛で非常に攻撃的という場逆な印象を受ける。一応どちらの専用BGMにも「銀盤」という共通ワードが組み込まれていたりする。
(銀盤…平らな氷の面)
- MHRise:SBでイヴェルカーナが復活した際に、なんと、オトモガルクの重ね着にイヴェルカーナそっくりになりきれる「なりきり冰龍」が先行プレゼントされた。CAPCOM IDに登録/ログインして、応募フォームを入力した上で応募する事で貰う事が可能だった。MHSTでイヴェルカーナをオトモンにしていたプレイヤーならば思い出深い重ね着になるかもしれない。
サイトの一時的な不具合やCAPCOM ID必須によって応募出来なかったプレイヤーもいたのだが、後日無料配信される事となったため、現在はどのプレイヤーも使用可能に。今後もしかしたら余儀なく配信が止まる可能性もあるため、まだ持っていないプレイヤーは入手しておくと良いだろう。
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