概要
センター試験の後継となる試験であり、独立行政法人大学入試センターによって2021年度より施行されている。
2023年現在で試験内容等に大きな変更が生じたのは移行期の2021年度試験および新課程入試が開始される2025年度試験の2回である。
主な変更点(科目別)
英語
センター時代のアクセント・語彙文法問題が廃止され、筆記200、リスニング50だった配点がリーディング100、リスニング100という比率になっていることが大きな特徴。
リーディングは試験時間80分だが、普通に解いているだけでは80分では到底終わらない。
出題される文章も「実用性」を意識しているためかパンフレット形式だったり図解付きのマニュアル形式だったりと独特で、英語力というより情報処理能力に偏重している。
リスニングは1回しか流れないものが多い。特に後半は1回しか流れないのに講義形式の会話文を聞き取りつつ表やグラフにもしっかり目を通さねばならない問題など、なかなかにハイレベル。
また、リスニングをはじめとした「ネタ」要素は健在であり、2022年のすしざんまいや(第4問A1) 2023年のmiiのようなキャラクターなどまさに歴史は繰り返すを言い表したものとなった。
なお、移行期に大幅な変更を加えたからなのか、2025年度試験からの大きな変更点は特に見られない。
国語
当初は「現代文2題(評論・小説各1題)+古文1題+漢文1題」とセンター試験からの大きな変更は見られなかったが、2025年度以降は現代文の問題数が3題に変更されることとなった。
また、現代文の問題数変更に伴い、2025年度以降の試験では配点が「現代文110+古文45+漢文45」、試験時間は90分にそれぞれ変更されることとなった。
数学
センター試験から共通テストに移行した際、数学①(数学Ⅰおよび数学ⅠAが該当)の試験時間が70分に変更された(従来は60分)。数学②については移行当初試験時間の変更はなかったが、2025年度以降の試験では数学①と同様に70分に変更されることとなっている。
また、2025年度以降の試験において数学②に該当する科目が「数学Ⅱ・B・C」のみに変更され、これに伴い数学Ⅱのみの受験は不可能となった。併せて、2024年度試験を最後に「簿記・会計」および「情報関係基礎」が廃止されることとなった。
情報
2025年度試験から導入される新設教科。出題範囲は「情報Ⅰ」、試験時間は60分である。
教科の追加は共通一次試験・センター試験を含めても前例のない出来事である。
国立大学を志望する者は従来の5教科に加えて「情報」も必ず受験しなければならないとされている。IT・データサイエンスに関する知識の重要性が年々高まっていることから必須科目にされたようだが、一方で国立大学を志望する受験生の負担増も懸念されている。
有名なネタ
【大☆惨☆事】2022年度数学ⅠAの悲劇
2022年、前年に引き続き第2回目の共通テスト、数学ⅠA。過去の事例から見て、「2年目は難化する」とある程度推測されてはいたものの、実際、平均点はなんと37.96点。
旧センター試験を含めても、歴代最低の平均点を記録するという異常事態に発展した。
このようにやらかした事態になってしまった問題点はいくらでも挙げられるが、試験時間70分しかないということをまるで考慮していないキチガイレベルの難度、量の多さ、問題文の長さなどが主な元凶かもしれない。
これには、受験生だけでなく教育現場からもかなり批判されている。
ちなみに、ⅡBも平均点42.06点という事件になっているがⅠAのインパクトが大きすぎて影が薄くなっているのは内緒。
2023年、科拳
2023年度大学入学共通テスト、世界史Bの問題において古代中国の官吏登用制度である科挙が、科拳と誤記されてしまっていた。本来の科挙が経典や詩などを扱うものであったばかりに、Twitter上では「武の官吏登用制度が生まれてしまった」とさんざんネタにされた。
大事な共通試験、問題配布の段階でいきなり訂正用紙によってインパクトの強い誤字を知らされ緊張のほぐれた受験生もいたことだろう。その誤文は、
「朝鮮の知識人が、科拳を採用せず広く人材を求めない日本を批判した。」
というもの。
ちなみに何ならその後の「国語」の試験では科挙の模試がそのまま漢文の問題となっており世界史選択の中には「科拳じゃないぞ」と心の中で言いまくった者も少なくなかったであろう。
あまり拡散されなかったが、ウマイヤ朝のカリフ「ムアーウィヤ」が「ムアーウィア」になっていたりもした。
2023年、ダークドラゴンズ
当該項目参照。