W3とはいわくつきの手塚作品である。
連載までの経緯
当時鉄腕アトムの大ヒットを受けて急激に巨大化していた虫プロでは、日本初のカラーアニメであるジャングル大帝に注力しつつも余った人員で何か一作を考えていた。
そこで漫画とアニメを同時並行的に放映・連載し展開はそれぞれ独自気味にするという、メディアミックス路線の作品が考案された。
当然テレビアニメと同時なので週刊誌で漫画を連載することになるが、当時サンデーとマガジンの二誌の内マガジンは、サンデーにトキワ壮グループを抑えられ極めて不利な状況であったためこの企画に熱心に誘いをかけ、連載を確約してもらえた。
しかし当時の虫プロは情報管理が杜撰だったらしく、企画していた設定が流出し初期設定を大きく盗用された宇宙少年ソランが本放映・連載に先んじてしまう。
このことから抜本的に設定を見直し、新たにタイトルを『W3』とし週刊少年マガジンにて連載を開始、アニメも放映されるが、何とマガジン誌上で『宇宙少年ソラン』の連載が決定する。
手塚治虫にとっては因縁のある作品であったことから、ソランの連載中止を申し出るが、すでに動いていた企画でありどうにも出来ないことを伝えると、手塚治虫は何と連載第六回でサンデーに掲載誌を移籍してしまう。
本作は掲載紙の変更などものともせず人気を獲得するが、アニメの方は当初こそ視聴率も20%代と好調だったものの、裏番組にウルトラQが登場すると見る間に視聴率を落としてしまい放送枠の変更など苦戦することになる。 菓子のロッテ1社提供(当時 珍しいことではない)
さらに手塚治虫と関係の悪化したマガジンは脱手塚路線とも言える「劇画」路線を推し進め漫画における手塚治虫の人気も弟子たちの台頭も重なり徐々に落ちていくことになる。
概要
上でごちゃごちゃ述べているが、実際の所は最後のどんでん返しや手に汗握るストーリーも魅力ながら、ケモナー垂涎の伝説ヒロインボッコ隊長かわいいで済んでしまうSF漫画である。
近年アメリカのクラウドファンディングにて英訳用の資金を募られたが、目標金額には届かなかった。
あらすじ
宇宙の彼方にある星にある銀河連盟本部では戦争の絶えない野蛮な星と評価する地球を
将来自分たちの連盟に加入する価値があるかどうか議論していた。
実際の地球を調査するために連盟は特命チーム「W3」(ワンダースリー)を派遣する事にした。
調査次第によって「破壊すべき」と決まった時のため反陽子爆弾を彼らに持たせていった。
到着後彼ら三人は地球の動物に擬態し隠密行動する事となるものの
動物ゆえに乱暴者に傷つけられてしまう。
そこへ星伸一に助けられ手当てを受け彼らは地球人に対して誤解していた事に気がつく。
ただ一人を除いて、一年後に使う予定である反陽子爆弾の起爆操作をおこなってしまうのであった…
キャラクター
星真一(CV:沢田和子) - ガキ大将ゆえ気性が荒い。W3の正体を知り共に反陽子爆弾を探すこととなる
星光一(CV:金内吉男) - 真一の兄、売れない漫画家だが実は某スパイ組織に所属する工作員である。
ボッコ隊長(CV:白石冬美) - 銀河連盟調査隊・隊長。ウサギに擬態、真一に恋心を抱いてしまう。
プッコ(CV:近石真介) - 3人のうちで一番地球に対して嫌悪感を持っている。カモに擬態
ノッコ(CV:小島康男) - 科学者ゆえに様々な発明をする、馬に擬態
カノコ - 真一のガールフレンド。
馬場先生 - 真一の通う小学校の担任。
関連イラスト
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別名・表記ゆれ
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