概要
手塚治虫による長編漫画作品。それを原作とした日本のTVアニメである。
白いライオンパンジャ、その息子レオ、またその子供であるルネとルッキオ、親子三代にわたる成長と神秘の石「月光石」を巡る人間とのふれあいを描いた大作。
高い物語性は大きな評価を得て連載誌『漫画少年』は全150ページほどの雑誌に過ぎなかったが、連載中最大で16ページを割く看板作品として君臨していた。
舞台がアフリカと言う事も有り内容の一部が黒人差別をなくす会の槍玉に挙げられている。
しかし手塚作品の中でも理想主義、勧善懲悪的な主人公で教育的な要素が強い事から教育関係者からの評価は高かった。
何度も作者がリテイクを繰り返したため、単行本の中には『ブラック・ジャック』辺りと同じ新しい画風になっているものもある。
「ジャングル大帝」と「ライオンキング」
(これ以外にも、例えば「Kimba vs Simba」と検索すれば他にも検証動画が見つかる。)
ディズニーの長編アニメーション映画「ライオンキング」公開当時、「ジャングル大帝」に一部のストーリーや設定が酷似していると話題となり、日本の漫画家とディズニーとの対立に発展した。ディズニー側のエピソードもかなり存在するが、そのいくつかを下に挙げる。
- 原語版のシンバ役の声優が「てっきりキンバ(レオの英語名)を演じると思ってた」とコメントしていた。
- 制作途中のシンバの名前はキンバだった。
- 当時の「ライオンキング」の制作現場にいた人物の教え子が「現場には「ジャングル大帝」の漫画が大量にあったと先生が言ってた」ともしている。
ディズニーは「ジャングル大帝」を知らず、「バンビ」「ハムレット」から着想を得たディズニールネッサンス初のオリジナルだと主張した。だが、対立は(手塚がディズニーファンであったことが幸いし「もしこの一件を知ったら喜んでいたであろう」と手塚側がコメントした上、手塚側もディズニー叩きに加担するわけにはいかなかったため)発展に至らず収束した。手塚側が「向こうには最強の弁護士軍団がいるから…」と身を引いたから事態は収束したと言う説もあるがソースはファンの声であるためデマの模様。
ちなみに手塚自身は「ジャングル大帝」の構想を途中で変えたのは、連載中に見た「バンビ」に感銘を受けたからと明記しているので、手塚とディズニーは相思相愛であったとも言える。ちなみに、バンビとディズニーの間にもややこしい問題がある。
なお、手塚自身も初期の頃にはミッキーマウスを自分の漫画に登場させており、おあいこ…なのかは不明。
西武ライオンズ
本作、ジャングル大帝は大人気になり西武ライオンズのマスコットとして使われている。ちなみにライオンズのあのマークのライオンはレオではなく父パンジャが元である。
アニメ版
1965年版(カラー)、1989年版、1997年版、2009年版(TVSP)がある。他にも1991年OVA版、2000年映画版がある。
主なキャラクター
主人公のホワイトライオン。
既に人間に捕らえられた母エライザが船の中で出産したので、実はジャングルの出身ではない。
生まれてすぐにジャングルに帰らせるべきだと判断したエライザに海に落とされるが、ケン一に拾われて人間社会で幼少時代を過ごす(この影響で人間の言葉を話せるようになっている)。
成長後はジャングルに戻り、新たなジャングルの王となる。
レオの父親で、先代のジャングルの王。
捕らえられた動物達を解放しようと人間の村を襲撃するが、ハム・エッグに射殺されてしまった。
レオのガールフレンドのメスライオン。
臆病だが心優しい性格で、成長後はレオと結ばれて2匹の子供を産む。
レオの友達のオウム。
トミーとは凸凹コンビ。
レオの友達のトムソンガゼル。
レオに新たなジャングルの王になるよう呼びかける。
ケン一
アラビア半島に流れ着いたレオを拾った人間の少年。レオと仲良くなる。
その後の展開はジャングルで遭難した末に野生児となるが、アニメシリーズではタイトルによって大きく異なる。
ケン一のおじで、レオとも親しい。
動物を思いやる心優しい性格だが、後にこれがレオに悲しい決断をさせるきっかけとなる。
密猟者集団のリーダーで、本作の悪役とも言える存在。
元ドイツ軍人で、性格は冷酷非情。
レオの父パンジャの命を奪った張本人。