概要
植物の生態的な分類の一つ。道端や田畑、あるいは庭などの人里に勝手に生えてくる草のこと。
転じて、強靭な性質を示すものを「雑草」と呼ぶことがある。
植物の雑草
人里離れた山野に自生するものは野草とか山野草というが、山野草が雑草化することもあり、区別はあいまいである。
系統的な分類ではない。単子葉類、双子葉類、シダ植物など様々な分類群に雑草扱いされる種がある(裸子植物には雑草扱いされる種は皆無だが、そもそも裸子植物はほぼ全て木本である)。
栽培種の植物も人間の手を離れて繁殖すれば雑草となる。 ハーブのミントはミントテロと言われるほどはびこるし、コスモスのような花を咲かせるオオキンケイギクは観賞用として持ち込まれたにもかかわらず特定外来生物に指定されるほどの繁殖力を見せている。もっとも、高度に品種改良がなされた作物がそのまま雑草化する例はそれほど多くはない。品種改良の過程で多少とも弱くなっているからだと思われる。またイネ科の雑草は種子を散布するため自然脱粒率が高いが、種子を穀物として人間が利用する栽培種としては好ましくない性質である。
逆にコムギ畑の雑草だったものが、コムギが全滅するような厳しい環境で生き残ったことから作物化されたエンバクのような例もある(栽培化の過程で自然脱粒性を失い、もみ殻が外れやすくなるという重要な変化があった)。
英語ではweed。日本語の雑草はあくまでも草を指し、基本的に木や海藻は入れないが、英語圏では日本からの外来種であるワカメや、昆布に近縁なジャイアントケルプなどをseaweedとして雑草扱いしている。また日本でも萩やハリエンジュのような繁殖力旺盛な木を雑草と呼ぶことがないわけではない。木とも草とも言えない竹(主にモウソウチク)も関東以西で事実上の雑草化している。
雑草の性質
雑草は一般に次のような性質のうちいくつかを持っている。
生育が早い
人里は耕作や除草など撹乱を受けることが多く、生育の早さが有利になる。
外来種が多い
人里には外来種が定着しやすい。しかし在来種の山野草が雑草化することもあり、中には日本から海外に持ち込まれた植物が雑草として猛威をふるっている例もある。
種子のサイズが小さく、数が多い
大量の種子をつけ、広い範囲に広がる。
種子の寿命が長い
長い間土中に埋もれて、発芽できる機会をうかがう。
自家和合性がある
自家和合性とは、同一の株で自家受粉し種を作ることができることができる性質。これに対し他の株の花粉を必要とするものを自家不和合性という。
フィクションでの扱い
風来のシレンシリーズ
ゲーム「風来のシレンシリーズ」ではアイテムとして登場。特に効果はないはずれアイテム的存在だが変化の壺に入れたりすると普通に変化するので意外なところで役に立つことも。
どうぶつの森シリーズ
ゲーム「どうぶつの森シリーズ」では村を放置していると生えてきて、景観に悪影響を及ぼす。プレイヤーが引っこ抜いたり、レイジに有料で頼むことで駆除することが可能。
また、2020年3月20日発売のあつまれどうぶつの森では初めてアイテムとしてストックすることができ、ゲーム開始時の資金源(1個10ベル)になる他、「ほしくさのベッド」等の製作に必要となる。ゲームが進んでくると需要が薄れて全て売ってしまうプレイヤーも多かったが、2020年4月中ごろにアップデートで追加された「いけがき」の製作に必要となり、一気に需要が増した。また、レイジが来訪しているなら通常の2倍の価格(1個20ベル)で売却できる。