概要
種子植物を二分したうちの一つ。名前の由来は胚珠が心皮に被われた「被子植物」に対し、むき出し(裸)だから。花は風媒花が多いが虫媒花も一部に存在する。
全世界に25万から40万種が存在すると言われる被子植物、1万種以上があるシダ植物、約2万種あるコケ植物に対して、裸子植物の種数はとても少なく、わずか800種。そのうち日本に自生する種は46種しかない。
現存する種は木ばかりで、そのほとんどが球果植物(いわゆる針葉樹)に属するが、イチョウ(イチョウ類)・ソテツ(ソテツ類)・マオウ(グネツム類)・ウェルウィッチア(グネツム類)など針葉樹ではない裸子植物もあるにはある。これらはそれぞれに大きく形態が異なっているが、グネツム類は被子植物に形態が似ているため、かつては被子植物に近縁ではないかと言われてきた。
しかし、分子系統解析では全ての裸子植物がひとまとまりの系統であることが判明しており、グネツム類は系統的には針葉樹類に含まれることが分かっている。被子植物は裸子植物ではなく、その祖先の原裸子植物から派生した未知の種子植物から進化してきたものと考えられている。