生薬としての麻黄
マオウの茎を乾燥させた生薬。アルカロイドであるエフェドリンを豊富に含み、交感神経を刺激して発汗作用や気管支拡張作用を発揮する。葛根湯や麻黄湯、小青竜湯にも含まれていることが知られる。
植物としてのマオウ
マオウ科(この科に属する植物はマオウ属のみ)のマオウ属Ephedraの総称。50種ほどがユーラシア、アフリカ、南北アメリカの砂漠などの乾燥地帯に自生するが、生薬に使われるのは中国周辺に自生するシナマオウ(Ephedra sinica)やキダチマオウ(Ephedra equisetina)、チュウマオウ(Ephedra intermedia)などである。
葉が鱗片状に退化しており、直径1~2mmの細い茎だけのトクサのような外見であるが、茎が木化するため常緑低木と位置付けられる。雌雄異花で黄色い花を咲かせ、雌株は赤い液果をつける。