概要
葛根、麻黄、桂枝、芍薬、生姜、大棗、甘草の7つの生薬で構成する漢方薬。強い発汗作用と鎮痛作用がある。
葛根のみで作ったら民間薬の「葛湯」となる。
『傷寒論』・『金匱要略』に処方が掲載されている、漢方方剤の中でも古典的な処方の一つ。
適応する症状としては主に風邪(引き始め)や筋肉痛、肩こりなどが挙げられ、「葛根湯医者」(なんにでも葛根湯を出す藪医者のこと)という落語があるほど適用範囲が広く、副作用が少なくかつ即効性が高い。
葛根湯は漢方方剤に基づく市販薬としては最も古くから販売されている。カネボウ(現在のクラシエ)が1984年に発売した「葛根湯顆粒製剤」は後に主要ブランドの一つになった。ただし葛根湯の商標はツムラが持っている。
なお、麻黄が入っている葛根湯はカフェインを含むものとは相性が悪く、同時に摂取することは避けるべきこととされている。