概要
中枢神経を刺激して眠気を覚ます作用や、利尿作用を持つ物質。摂取すると反応時間、覚醒、集中力を一時的に向上させることができ、栄養ドリンクに抽出したものが添加される。
コーヒーに含まれていることからこの名がある。そのほか、茶やチョコレート、コーラなどに含まれる。
薬理効果
アルカロイドに分類され、一応は依存性と毒性を持っている。
カフェインの代謝能力には大きな個人差があり、カフェインの代謝能力が低い人は、カフェインを摂ると興奮効果でのぼせたようになったり動悸やめまいなどの症状が出ることがあり、特に西洋ではこのような人が珍しくない。
このためカフェインを抜いた「デカフェ」や、「ノンカフェイン/カフェインフリー」を謳う商品も発売されている。杜仲茶や麦茶、黒豆茶、蕎麦茶、甜茶、昆布茶、ハーブティー、ルイボスティー、たんぽぽコーヒーなどが有名である。
逆に、日本人を含む東洋人にはある程度のカフェイン耐性がある人がほとんどで、カフェインの毒性が意識されることは少ない。夜にコーヒーを飲んだら覚醒効果で寝付きにくくなったりトイレが近くなる程度。特に耐性の強い人は覚醒効果を期待して栄養ドリンクを摂取しても眠気には効果がなく、集中力も全くと言っていいほど向上しない。一時期はカフェイン強化を謳った栄養ドリンクも発売していただけに、あんまりな結末である。
ただし、カフェイン耐性が強い人でも大量のカフェイン摂取に医学的問題がないわけではない。消化器、特に食道や胃の粘膜に少なからず刺激を与えるため、これらに疾患を抱えている場合は摂取を制限されることもある。
また向精神薬を服用している場合は複合効果で双方の効果が過大になったり、逆に減少してしまったりするため服用前後は摂取しないように指示されることもある。
近年はカフェイン入りの錠剤や大量のカフェインを含んだエナジードリンクが出回っていることから、日本でもカフェイン依存症になったり、過剰摂取が原因で中毒症状を起こし救急搬送される若者が急増しているといい、中には死亡する事例も出ている。
逆に精神治療や禁煙治療・薬物依存症治療のため、他の薬物に比べて毒性の弱いカフェインを投与して症状を和らげることもあり、医薬品としてのカフェイン錠が販売されている。除倦怠剤としてコンビニでも売れる第3類医薬品がほとんどだが、濫用すると危険なので注意。
飲み合わせで危険なものもあり、カフェインと麻黄を一緒に摂取すると動悸を招く危険があるため避けたほうが良いとされる。