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概要編集

本来その地域には存在せず、人間の活動によって外から入ってきた生物種(外来種)の中で、特に生態系影響をもたらしたり、直接的・間接的に人に害を与えたり、農業林業水産業被害を及ぼしたりする可能性のある生物のこと。

日本では「特定外来生物被害防止法」という法律によって、飼育栽培だけでなく保管運搬輸入などが規制されている(そのため、野良猫や野生化ヤギなどは対象外)。


ちなみに、規制こそされていないが生態系などへの悪影響懸念される生物は「要注意外来生物」と呼ばれる。


新たな定着の可能性や海外での被害の大きさなどを鑑みて、改定され続けている。下記の一覧はあくまで主だったものである。


特定外来生物一覧編集

★は世界の侵略的外来種ワースト100指定生物

哺乳類編集

フクロギツネ

オーストラリアに生息する有袋類。祖国では毛皮目当てに乱獲されていたが、人間に持ち込まれたニュージーランドや日本では害獣指定されている可哀想な動物。とはいえ家畜の病気を媒介したり農作物を荒らすため、放置できないのも事実である。

オポッサム

中南米の有袋類。なんでも食べ、繁殖力が強く、人間の居住環境にも適応する。定着すれば在来種への食害、農作物への食害などをもたらす恐れがある。

ハリネズミ

ユーラシア大陸及びアフリカに生息する小型哺乳類。針以外はネズミにそっくりだが生物学的にはモグラの仲間。在来昆虫等の食害が懸念され、更に日本ではその高い防御力のため目立った天敵がいない。

タイワンザル

その名の通り台湾に生息する猿。ニホンザルと外見や生態がよく似ており、交配・混血が進んでいる。

アカゲザル

アジア大陸に住むニホンザルやタイワンザルの原種。タイワンザル同様にニホンザルと交配できる。

カニクイザル

東南アジアに生息する猿。その名の通りカニが大好物で、カキや握り飯も食べる。というか何でも食べる。こちらもニホンザルと交配できる。

ヌートリア

マスクラット

ヌートリアは南米原産の巨大齧歯類。毛皮目当てに日本に運ばれ、繁殖しまくって農作物に何千万円もの被害を出している。マスクラットはヌートリアに似た北米産齧歯類で日本に輸入された経緯も同様である。

タイワンリス

フィンレイソンリス

トウブハイイロリス

キタリス

タイリクモモンガ

いずれもげっ歯類の一種。繁殖力が高く在来種の生態系を脅かすだけでなく、果樹園の作物に大きな被害を与えている。天敵が少ない諸島部で増加する傾向があるので厄介。

アライグマカニクイアライグマ

実はレッサーパンダの仲間。狸以上に貪欲で狐以上に賢く狼以上に凶暴な荒くれ者。猫でさえも殺すことがあるので猫飼いの方は注意。

アメリカミンク

美しい毛皮を持つ小型のイタチの仲間。ただ小さくてもイタチなので生態系を荒らし回る。

マングース

ハブ対策で奄美大島などに持ち込まれたが、殆どハブは食わず、襲いやすい現地の小動物等を捕食。

アカシカ

偶蹄目の有名な動物。本来の生態系から外れると、たちまちあらゆる植物を食い潰す。ニホンジカとも競合しかねない。

シフゾウ

中国原産のシカの一種。その名は牛などにも似た特徴から「四不象」(四つの動物に似るがどれでもない)と呼ばれたことから。ニホンジカの脅威になりそうな点はアカシカと同じ。

キョン

台湾原産のシカの一種。その被害は今や八丈島だけに留まってはおらず千葉などでも猛威を振るう。



鳥類編集

カナダガン

の一種。繁殖力が高く、農作物を食害し糞尿で環境を汚染する。

ガビチョウソウシチョウ

アジアに生息するスズメ目の小鳥で、大陸では囀りを楽しむために飼育されてきた。ペットとして戦後に大量に輸入されたが、ガビチョウは狭い日本の住宅では鳴き声が五月蠅く聞こえ、ソウシチョウは餌を大量に食べて糞も多いため、あまり日本での人気が出ず、やがて遺棄された飼育個体が定着。在来種と競合して減少させてしまっている。



爬虫類編集

カミツキガメ

咬まれると非常に危険な攻撃的な巨大亀。「ワニガメ」と近縁。人的被害の恐れは言うまでもなく、様々な在来種も食べてしまう。

ハナガメ

イシガメに近縁。イシガメと競合したり交雑する危険性がある。

スウィンホーキノボリトカゲ

台湾に生息するトカゲ。日本に住むキノボリトカゲとは別種。在来種のトカゲと競合したり、在来昆虫を食害する恐れがある。

アノール

イグアナの仲間。在来昆虫を食べたりする。定着してしまった小笠原諸島では希少な昆虫への食害が著しい。

オオガシラ

東南アジアなどに生息する頭の大きな毒蛇。爬虫類、鳥類、哺乳類を問わず在来種を食害する。侵入したグアム島では壊滅的被害をもたらした。

タイワンスジオ

台湾固有の蛇。在来種を食害したり競合する。

タイワンハブ

読んで字の如く。猛毒を持つ危険な蛇。人的被害は無論の事、在来種との競合、食害も懸念される。

ミシシッピアカミミガメ

アメリカザリガニ同様飼育は可能だが逃がすのは違法。在来種のイシガメと競合する。又、雑食でなんでも食べるので在来種を食害している。



両生類編集

コキーコヤスガエル

ジョンストンコヤスガエル

オンシツガエル

アジアジムグリガエル

・キンイロヒキガエル他大多数の海外産ヒキガエル

キューバアマガエル

シロアゴガエル

いずれも在来の昆虫を食う、在来のカエルと競合する危険性がある。

ウシガエル

食用として輸入された巨大なカエル。とにかく口に入る動物は何でも食べまくるため在来種の食害は深刻。

餌として輸入されたアメリカザリガニも脱走して増えまくっている。


魚類編集

ブラックバス

外来生物の代表的存在。食用および釣魚として輸入された淡水魚で、卵や幼魚を守るため繁殖力が著しく高い上、口に入る大きさなら大抵の物は食べてしまう悪食っぷりで、片っ端から在来魚等を食いまくっているアメリカ原産のスズキの仲間。ルアー釣りによるスポーツフィッシングの流行で、にわか太公望がそこら辺の水辺に放流したことから全国規模で被害を出している。特に琵琶湖のフナは手ひどくやられた。

ブルーギル

ブラックバスの餌として輸入された、ブラックバスの近縁で同じくらい悪食の凶暴な魚。これも卵や幼魚を守る習性があるため繁殖力が強い。更にこちらは動物質を好むとはいえ雑食のため、在来の水草なども食べてしまう。

ナイルパーチ

「淡水の悪魔」と呼ばれるアフリカ原産の超巨大淡水魚。1匹でも放流すれば、その湖沼全てを滅ぼし自分も餓死するとさえ言われている、世界最悪の外来魚。

ホワイトバス

スズキ目の白っぽい魚。定着した場合の在来魚への食害が懸念される。

ケツギョ

中国に生息するスズキの仲間。美味な高級魚として知られるが、やはり悪食であるため、定着が懸念される。

カダヤシ

希少生物になってしまったメダカにそっくりな魚。その名の通りボウフラ根絶のために輸入されたのだが、ボウフラだけではなくメダカの卵まで食いまくることで悪名を轟かせた。しかもメダカより人間による水質汚染に強く、繁殖力が高い。

オオタナゴ

ロシア~東南アジアにかけて生息する淡水魚。在来のタナゴ類と競合する。

コウライギギ

ロシア、朝鮮、中国に生息するナマズの仲間。在来の魚類等を食害する。

ヨーロッパオオナマズ

カエルや小魚を捕食する凶暴な淡水魚。ヒゲや牙による切創事故も多い。大型個体ともなると鳥すら捕食する怪物となる。ヨーロッパ周辺でも生息していなかった河川等に放流されたことで大きな食害をもたらしている。

そもそも日本のナマズですら、本来は西日本にしか生息しない。

カワカマス

広い意味では鮭の仲間。冷水を好む。寿命も長く体躯も大きい凶暴な肉食魚。

ガーパイク

鰐のような頭部をもつ適応力の強いアメリカ大陸産の大型肉食魚。

性質は荒くないものの、大量の餌を必要とする為、在来種の減少が見込まれる。

この仲間ではアリゲーターガーがもっとも有名。

アメリカナマズ

食用やペットとして飼われていた。貪欲な食性で在来種を食害する。

仲間のフラットヘッドキャットフィッシュも特定外来生物に指定。

ヨーロピアンパーチ

スズキ目ペルカ科の冷水魚。原産地ではカワカマスと共に生息している。

小型だが肉食性。定着した場合、在来種を食害する懸念あり。


節足動物編集

キョクトウサソリ

在来種であるマダラサソリも(国内移入を防ぐためか)何故か指定されてしまっている。

少数であるが、外来サソリは命にかかわるようなものがいる。

ジョウゴグモ

ドクイトグモ

クロゴケグモ

セアカゴケグモ

上記のクモはいずれも命にかかわるほどの強い毒をもつ。近年海運コンテナに乗って港から上陸してきたケースが多い。

ニホンザリガニを除くザリガニ類

ウチダザリガニやヤビーは以前から指定されていたが2020年から殆どのザリガニが指定された。

また、アメリカザリガニも2021年に特別枠扱い(採集・飼育は可能だが、野外への遺棄は勿論販売などは禁止)で指定された。

チュウゴクモクズガニ(上海ガニ)

陸上でも生息する蟹。日本固有種のモクズガニと交雑し遺伝子汚染を起こす危険がある。尚、食べると美味い。

マルバネクワガタ(在来種、アカマルバネクワガタ等一部の種を除く)

テナガコガネ(在来種ヤンバルテナガコガネを除く)

在来の同種、近縁種と競合する可能性がある。

セイヨウオオマルハナバチ

熊蜂に似ている。大人しい蜂だが、受粉行動の邪魔を行い、既存の植物を混血させる危険性がある。

ツマアカスズメバチ

アジア全域に生息するスズメバチ。外殻が硬く多少叩かれた程度ではビクともしないほど頑丈。ガスバーナーで巣ごと焼いて対峙するという対処がとられることも。

ヒアリ

攻撃的な蟻。尻の毒針に刺されると人によってはアナフィラキシーショックを起こす事もある。

アルゼンチンアリ

他の蟻の巣に侵攻して奴隷狩りを行う。

クビアカツヤカミキリ

サクラ、モモ、ウメなど主にバラ科の樹木に発生し、枯死させる


軟体動物編集

ヤマヒタチオビ

数少ない肉食性カタツムリで他のカタツムリを食べる。外来種アフリカマイマイ駆除の為持ち込まれたが、人類に都合よく餌となる種を選ぶはずもなく、在来種のカタツムリを食い尽くし問題になっている。

カワヒバリガイ属

岩やコンクリートに不着して農業用水の水流を妨げる。又、淡水魚の寄生虫の中間宿主でもある



植物編集

オオキンケイギク

園芸用として輸入されるが野生化して爆発的に増殖。在来種の植物の生息地を奪ってしまう。

ナガエツルノゲイトウ

ひっこ抜いても欠片だけで再生・増殖する最凶の外来植物。その繁殖力で在来植物を駆逐してしまう。

ミズヒマワリ

アクアリウム用に輸入されたが野生化し川を埋め尽くした。在来の水生植物が一掃され、それに依拠した生態系が激変する。

アレチウリ

北アメリカ原産の瓜の一種。一株で2万個以上の種を付ける。アメリカ産の大豆に混入して増殖した。

ボタンウキクサ

観賞用として輸入されるが水面を埋め尽くす程増殖した。

ナガエモウセンゴケ

食虫植物の一種。在来のモウセンゴケと交配する恐れがある。

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