上司「ヤンバルテナガコガネじゃないか!」
サラリーマン「ヤンバルテナガコガネ…」
彼氏「ヤンバルテナガコガネだよ」
彼女「ヤンバルテナガコガネよ」
サラリーマン「よっ ヤンバルテナガコガネ!」
赤ちゃん「ヤンバルー! テーナガー!」
助産師「おー ヤンバルテナガコガネね」
医師「ヤンバルテナガコガネです」
おばあさん「ヤンバルーーーー!!!」
死にかけのおじいさん「な…なんかよくわからんが…ヤンバル…テナガ…コガネ…ガクッ」
(出典:園山俊二『ペエスケ』第1巻)
概要
沖縄本島北部「やんばるの森」(2021年、世界自然遺産認定!)に生息する甲虫。コガネムシ科テナガコガネ亜科に属する日本固有種。
体長ほどもある長い前足を有するテナガコガネという大型甲虫の仲間であり、日本にはこのヤンバルテナガコガネ以外生息していない。
1983年に偶然街灯に引き寄せられて発見されるまで沖縄の人々ですら全くその存在を知らなかった超レアな昆虫であり、1年後の1984年に沖縄県の天然記念物に、1985年には日本の天然記念物に指定された。
冒頭の台詞は1984年の天然記念物指定時に朝日新聞に掲載された4コマである。
体長は6㎝ほどで、計り方にもよるがカブトムシよりも巨大な日本最大の甲虫である。
他のテナガコガネ同様に木々の樹液(カブトムシと食性が似ているのでカブトムシが食えるもんはだいたい食えるとの事である)を餌としており、幼虫は木の洞の中にしか生息しない。つまりはクワガタなどのようにそこらへんの枯れ木があればいくらでも増えるようなことはなく、極めて多くの自然が残るような限られた場所でしか繁殖できない。従って、これらの原生林の破壊は冗談抜きに死活問題となる。
生息地ではノグチゲラがつついてあけた穴をケナガネズミが掘り進めることでこのような洞を形成しているとされるが、この2種も天然記念物指定されるほどの希少な生物のため、本種は極めて生態系的に適応力が低いと言わざるを得ず、絶滅危惧種IB類(EN)に指定されている。
…と、ここまで聞いて「そんな虫がいたとは知らなかった! 今から行って捕まえて売りさばこう!」「俺の飼ってるカブトムシやクワガタと戦わせよう!」などと考えている不埒な読者はいないとは思うが念のために一応忠告しておくと、ヤンバルテナガコガネは捕獲も売買も種の保存法で禁止されており、破ったら間違いなく逮捕ものである。更にやんばるの森は未だ在日米軍から返還されていない土地も多く、無断で入ろうものなら世界一おっかないオニイサンたちと、足元をのたくるハブにより痛烈な洗礼を受けるであろうから、命が惜しいなら虫一匹の為に罪を犯すのはやめること。
本種を保護する名目で外国産のテナガコガネ亜科の昆虫全種が、2006年に外来生物法にて特定外来生物に指定され、生体での輸入・売買・所持・放出が禁止されている。
創作での扱い
『エンドレスエイト』内において長門有希が捕獲している。…なぜ?
2005年に開催された「ムシキングワールド沖縄」というイベントで入場者特典でカードが配られた。
なおゲーム中で使用することはできない。
超神化4弾にてSSRのおたすけ昆虫として登場。
属性はチョキ。効果はじゃんけんに勝つと追撃(高)・じゃんけん封じ・おたすけ封じ・Vガジェ封じを発動するもの。
さらにゴッドフォーム以外の甲虫に装備すると攻撃力アップと防御力アップも発動する。
このようにチートとしか言えない性能だが、入手条件がメインストーリーを全てクリアし、スタンプを全て貯めた記録カードでラスボスのヘルクレスリッキーブルー戦をもう一度プレイ、勝った後の虫取りで極めて低確率で入手できるとべらぼうに厳しいもので、更には公式からも告知されなかったため使用どころか存在を認知するプレイヤーすら殆どいなかった。
一部では半ば都市伝説のように語られていたが、サービス終了目前だったため検証する物好きも少なかったと思われる。