オルテカ「これはもはや人ではない……人間を食らい誕生した新たなる種、ギフテリアンだ」
「アア……美味シカッタ、人間」
「モット美味シイ奴ヲ探ス」
データ
概要
人間の体内に潜む悪魔がギフスタンプによって解放されることで誕生する、これまでのデッドマンとは異なる新種の生命体。
第17話「裏切りの深化、バディの真価」より登場。
悪魔としても異質な存在なのか、バイスからは「同じ悪魔として何かあいつ嫌い!」と評されていた(自分は人間を食えていない故の僻みかもしれないが……)。
人間の骨格のような意匠と刺々しい鱗で覆われた爬虫類のような姿をしており、頭部には鋭い剣のような兜を被っている。
フェーズ2へと進化したデッドマンを遥かに上回る戦闘力を持ち、特に両腕から生成するジャマダハルの様な剣「フェアグド」の切れ味は鋼鉄を容易く切り裂いてしまう程である。
また、ある程度知性を持っており、食人を渇望する台詞を時折口にする。
デッドマンとは異なる特徴としてスタンプを押された人間を喰い破って生まれるため、成体として出現した時点で人間側は消滅してしまう。
つまりデッドマンの様に契約解除・分離して助ける事はできず、誕生するだけで1人犠牲者が出てしまうのである。
さらにフェーズ3以降のデッドマン同様に倒されるとそのエネルギー残滓がギフに吸収されその覚醒を促す特性まであり、駆除できたとしても更なる脅威を招くという、まさに存在自体が人類の脅威であるといえる。
ギフスタンプさえ押印すれば本人の意思によらず生まれてしまうようで、新生デッドマンズの首領となったオルテカは信者どころか一般人にも押印し手にかけている。
彼の性格上殺害することでターゲットに精神的ダメージを与えられる者を宿主としギフテリアンを生み出して襲わせるという心身共に破壊するような方法を好む。
ギフテリアンを生み出すその行為だけで一方的に厄災と悲劇だけを撒き切らし続ける無差別な殺戮に等しいといえる。
一方、戦力としてはデッドマンのような厄介な特殊能力は殆どないため、極端に言えばかなり強い戦闘員レベルにすぎず従来のライダーシステムでも対処は可能(初戦ではデモンズとライブを追い詰めてはいるが、必殺技連打など対抗策はある、19話、20話では双方に単独撃破された)。
悪魔を宿す人間やバイスタンプによって能力が左右されるデッドマンとは異なり、(命を捧げれば)誰でもそこそこの強さの戦闘力を生み出せ、デッドマンのように成長させる手間を経ずともギフの養分となり得る点が強みと言える。
誕生の経緯上ギフテリアンを生み出した人間を救う為には生み出す前まで巻き戻せる時間操作能力か生み出したことを無かったことにする現実改変能力が必要であり、結局仮面ライダー達は最後まで救うことはできないまま終わった。
デッドマンとの違い
登場一覧
犠牲者 | 撃破 | 登場話 |
---|---|---|
信者 | リバイス・ボルケーノレックスゲノム | 第17話 |
奥田陽介 | ウルフ・デッドマン ライオット | 第18話 |
不明 | ライブ・バットゲノム | 第19話 |
山桐千草 | デモンズ・スパイダーゲノム | 第20話 |
本村香苗 | ジャックリバイス | 第24話 |
信者2名 | ライブ・ジャッカルゲノム | 第25話 |
信者2名 | 仮面ライダーベイル | 第25話 |
一般人2名 | ホーリーライブ&ジャンヌ・コブラゲノム | 第27話 |
その他、第28話でも一輝の精神世界に登場している(後述)。
ギフテリアン(TRUE)
復活を果たしたギフが生み出した、真のギフテリアンと称される強力な個体。
第29話から登場。
形状はギフテリアンと変わらないが、兜部分がオレンジ色、人間の骨を模した外骨格は黄色、四肢は淡い紫色と、青色系の統一感のあるカラーリングからサイケデリックなものに変化。
まるで別々のパーツを組み合わせたキメラや、数々の生き物を合わせた様なイメージの悪魔そのものに近づいた様にも見える。
フェーズ3のデッドマンに匹敵する戦闘力を持っており、一気に間合いを詰めるほどの驚異的なスピードや、フェアグドを超える切れ味を持つ両腕の剣「フェアグダード」を用いて戦う。
また、ボルケーノレックスゲノムの攻撃を受けて吹き飛ばされても何度も立ち上がるほどのタフさを誇るが、リバイスやホーリーライブには流石に敵わなかった。
ギフ自身の封印を経た45話では多少強化されているようで最強フォームのアルティメットリバイスや44話で初登場したばかりのエビリティライブにまでダメージを与える程強くなった。
この個体の登場で、本来はギフが生み出した悪魔のことをギフテリアンと呼称する可能性が出てきた(ディアブロに対するクリスパーと同じ?)。
登場一覧
撃破 | 登場話 |
---|---|
リバイス | 第29話 |
ホーリーライブ | 第32話 |
オーバーデモンズ | 第35話 |
アルティメットリバイ&アルティメットバイス | 第38、39話 |
ジャンヌ&オーバーデモンズ&アギレラ | 第40話 |
アギレラ、デモンズトルーパー、アルティメットリバイ&アルティメットバイス | 第41話 |
オーバーデモンズ | 第43話 |
エビリティライブ | 第44話 |
アルティメットリバイ&アルティメットバイス、エビリティライブ、ジャンヌ、アギレラ | 第45話 |
アルティメットリバイ&アルティメットバイス、エビリティライブ、インビンシブルジャンヌ、アギレラ、オーバーデモンズ(玉置)、門田ヒロミ | 第46話 |
活躍
- 第17話「裏切りの深化、バディの真価」
信者達をかき集め、「新生デッドマンズ」として自身の野望の為に動き始めたオルテカが信者の1人の女性にギフスタンプを押印したことで誕生。
駆けつけたライブ・デモンズと交戦し、信者やギフジュニアの妨害でうまく戦えない2人をフェアクドの斬撃で圧倒する。
駆け付けた一輝がバリッドレックスゲノムを経て変身した、リバイ・ボルケーノレックスゲノム&バイス・バリッドレックスゲノムと交戦。
2人が繰り出す超低温と超高温の攻撃にフェアクドを砕かれて吹っ飛ばされ、最期はリバイの「ボルケーノスタンピングスラッシュ」とバイスの「バリッドレックスフィニフィニフィニッシュ」の同時攻撃を受け爆散した。
- 第18話「バディの軌跡、炎と氷の奇跡」
オルテカがフリオのかつての親友・奥田陽介を犠牲に生み出した。
しかし、ちゃんと友と和解できないまま死別した悲しみと後悔、そして友に手を掛けたオルテカへの憎悪によってフリオが変貌したウルフ・デッドマン ライオットの一撃により誕生直後に倒されてしまった。
- 第19話「デモンズ注意報、ヒロミ包囲網!?」
ダイオウイカ・デッドマンとリバイ&バイスの戦闘に乱入。
生成したフェアクドの斬撃とダイオウイカ・デッドマンとの連携で一輝とバイスを苦戦させたが、第20話冒頭にて駆け付けた仮面ライダーライブのゼロ距離必殺射撃+ライダーキックで撃破された。
オルテカの台詞から信者を犠牲に生み出されたと思われる。
- 第20話「非情で無情な、変身の代償」
オルテカが山桐千草にギフスタンプを押印したことで彼女を喰らって誕生。
フェアクドの斬撃でヒロミを攻撃したがデモンズドライバーの力で弾かれてしまい、仮面ライダーデモンズへの変身を許してしまう。
満身創痍ながらに食らいつくデモンズと互角の勝負を繰り広げ、ダイオウイカ・デッドマンとギフジュニアの群れの加勢を受けて追い詰めるが、駆け付けたリバイスとジャンヌに一時的に協力したアギレラの加勢によりデモンズとの1対1に持ち込まれ、「千草の魂を救う」という覚悟の一撃を受けて撃破された。
- 第24話「狩崎博士の戻せ!あべこべ大作戦!」
対等を強調するアギレラにマウントをとるオルテカが、本村香苗にギフスタンプを押すことで彼女を喰らって誕生、アギレラを戦慄させる。
その後狩崎拉致の戦力として使われ、ギフテリアン自身はジャックリバイスの「ローリングライダーパンチ」を受け倒されるも、戦闘の間に狩崎は連れ去られてしまった。
冒頭に大二がバイスに「なんでいつも俺の出動中に限って暴れるの?」という台詞を発しているため、本編外でも複数の人間がギフテリアン誕生の犠牲となり処分されたことが示唆されている。
オルテカがデッドマンズ信者2人にギフスタンプを押したことで誕生。
オルテカとアギレラと共に狩崎を再び拉致するために出向くが、一輝達に妨害されたことでそのまま彼らと対決。ジャックリバイスとライブ・ジャッカルゲノムの必殺技で2体とも撃破され、ギフに吸収された。
その後、仮面ライダーベイルの出現に別途オルテカが事前に誕生させておいた2体が差し向けられたが触れることすら敵わず圧倒され、1体は顔面を鷲掴みされそのまま握り潰されて内部から爆発、もう1体も背後からの尻尾の一撃をかわされ、拳圧だけで窓ガラスに叩き込まれ身動きが取れないまま「ベイリングインパクト」を喰らい爆発四散した。
- 第27話「止めろ!暴君の暴挙と暴力の暴走」
オルテカが、拉致した民間人にギフスタンプを押して2体が誕生。
現れたホーリーライブとジャンヌと交戦するも、ギフに立ち向かう覚悟を決めた2人の「ホーリージャスティスフィニッシュ」と「コブラスタンピングスマッシュ」を受け爆散した。
- 第28話「怖れを超えて疾風迅雷!己を信じ一心同体!」
「ウッハッハッハ……アァ〜生キ返ル〜♪ 最高ダ!」
「一緒ニ風呂、入ロウヨ〜!」
一輝の精神世界の幻影として出現。2体がしあわせ湯の風呂に浸かっており、なぜか富士山の絵の中にも複数のギフテリアンが出現していた。
人を犠牲にして生まれるギフテリアンが「あ~生き返る~」と言う光景はシュールだが非常にタチの悪い。
「こっちにおいでよ〜」などの発言から、一輝を心の中の世界に引き摺り込もうとする悪魔の代表として現れたものだと思われる。
また、一輝のギフテリアンによる被害者を救いたかったという想いの表れではないかと推測する視聴者もいる。
- 第29話「クランクイン!メモリー・オブ・ヒロミー!」
ギフが生み出した真のギフテリアン・ギフテリアン(TRUE)が2体登場。ボルケーノレックスゲノムを苦戦させていたが、仮面ライダーリバイスにはさすがに敵わず、「ローリングスタンピングスラッシュ」と「爆爆リバイストライク」で撃破された。狩崎はこの事態について「ギフが直接ギフテリアンを生み出している」と推測しているが果たして…。
- 第32話「失った居場所、女王のプライド」
赤石英雄が出現させたギフのいる空間と現実世界を繋ぐゲートから2体のギフテリアン(TRUE)が現実世界へと侵入。
市街地で暴れてフェニックス隊員と交戦していたが、駆けつけた大二が変身したホーリーライブと激突。
2対1という有利な状況だったがホーリーライブのスペックには及ばず、1体が「ホーリージャスティスフィニッシュ」をゼロ距離で喰らい爆散、もう1体も「ホーリージャスティスフィナーレ」を喰らい爆散した。
- 第34話「悪魔が悪魔を呼んでいる」
赤石によってギフがいる世界とのゲートが開かれたことによってギフテリアン(TRUE)が8体出現。
赤石の野望を食い止めようとする一輝とさくらが変身したリバイスとジャンヌを物量で足止めした。
しかも、出現元であるゲートは開いたままであるため無限湧き状態となってしまっている。
- 第35話「未知なる脅威、人の進むべき道」
前話に引き続いてリバイス、ジャンヌを物量で足止め。朱美が変貌したギフデモスの繰り出す一撃で変身解除に追い込むが、ベイルがエネルギー切れを起こした為、赤石長達は撤退。ゲートが閉じると同時に消滅した。
翌朝、人類のギフの下僕化を推し進めようと自作自演の演説を行う赤石が開いたゲートから、人間世界に現れたギフによって次々とギフテリアン(TRUE)が出現。赤石の野望を阻止しようとするリバイス達を物量で足止めし、その間に赤石のパフォーマンスの時間を稼ぎ、とうとう彼の目論見通りにギフの力を人類に見せつける事に成功した。
すると、四面楚歌の状況に追い込まれた一輝達を助けるべく光/オーバーデモンズが駆けつけ、オーバーデモンズの高速飛行によって吹き飛ばされ爆散した。
- 第38話「父と子が紡ぐ!究極のリバイス!」
ギフの力でギフテリアン(TRUE)がギフジュニアと共に大量に召喚される。物量で仮面ライダー達を苦戦させるが、一輝とバイスが仮面ライダーアルティメットリバイスに変身したことで形勢が逆転し、纏めて撃破された。
- 第44話「全身全霊をかけて、決断の行方」
ギフの体内の異空間に存在する繭に、ギフテリアン(TRUE)が眠っているものが多く存在していた。またギフに召喚された個体が登場するが、エビリティライブに変身したライブに倒された。
- 第45話「終わらぬ悪夢、守る者と守られる者」
ギフの寄生虫から生まれたギフテリアン(TRUE)が大量に登場。従来よりも強力になっており仮面ライダーを苦戦させる。
- 第46話「向き合う勇気…真に護るべきものは何?」
前話同様にギフの悪魔軍団として大量に登場。しかし、仮面ライダーたちによって倒される。
- 劇場版「バトルファミリア」
本作のメインヴィランであるアヅマ率いるハイジャック犯一味のハキムとミナミがギフの瞳の影響を受けて変貌。ギフジュニアとともに暴れ回っていたが、突如現れた仮面ライダーギーツには敵わず、最終的に倒されてしまった。
余談
- 名前の由来は「ギフ+gift(贈り物)+alien(=異邦人、転じて宇宙人)」だと思われる。
- どのシーンでも2体ずつしか映っていない(※)ため、恐らくスーツが2着しかないのだと思われる。
- ※3体以上生み出されるシーンでも1体は常に画面外におり、意地でも映されない。3体以上が同時に出現するシーンでは必ずCGが用いられている。
- ジョージ・狩崎の解説によると、どうやら第1話のプロローグで50年前にギフスタンプを押して生まれた悪魔もギフテリアンである模様。よく見ると、体内から現れる悪魔のシルエットがギフテリアンのそれと共通している。
- ギフテリアンの登場は誰かがギフテリアンに食われ消滅する事を意味するので、予告に姿が登場するだけでも不穏な展開を決定づける怪人である。しかもオルテカは上述の通りギフテリアンを利用して心理的揺さぶりをかける事を好むが、そうした事態が初登場の次の回で起きてしまったのもギフテリアンのインパクトの強さ(とオルテカの悪辣さ)に拍車をかけた。この食われて消滅するシーン、陽介以外の犠牲者は相当な苦痛の中で殺害されているため非常に惨いものとなっている。
- 第28話のギフテリアンが銭湯に入る場面の元ネタは、恐らく浄土宗の「地獄の釜の蓋もあく」と、浄土真宗の「極楽浄土」の意味合いが強いと思われる。しばしば温泉や銭湯などで入る時に使う口癖、「ごくらくじゃ~♪♪」は、浄土真宗の極楽浄土から影響した言葉であり、しあわせ湯が異界の建物のような姿をした銭湯の外観もそれに合わせたものであろう。更にギフテリアンが銭湯に入る場面は「地獄で罪人を煮えたぎらす大釜」をイメージしたものであると思われる。五十嵐家のしあわせ湯という名前といい、強烈な皮肉が込められているといえよう。
- 長らく『ギフが直接産み出した個体は生贄が居ないのではないか』『TRUEのほうは生贄が居ないのではないか』と言われていたが、44話にてギフ体内の繭の中には人間ではなくギフテリアンが眠っているものも存在する(=人間を悪魔に作り替えている可能性がある)ことが描写された他、劇場版では人間を生贄にしてTRUEを生み出すシーンも登場しており(単にスーツがなかっただけかもしれないが)、どちらの仮説も雲行きが怪しくなってきている。奇しくも44話においてギフの真の目的も明らかになったのだが、仮に曲解しないまともな仲介者が居たとしてもギフの願いが叶ったかどうかは俄然怪しいものになってしまった。
関連タグ
ファントム、バグスター:同じく宿主となった人間を喰らい尽くして誕生する怪人繋がり。しかし、ベースの人間を救う余地がある彼らとは異なり、ギフテリアンは誕生してすぐ宿主が死亡してしまう。
プラーガ:タイプ2とタイプ3の奴は誕生してすぐ宿主が死亡という共通点がある。又原種は早く対処すれば救われると言う点では上記のファントムやバグスターに近い。
ワーム、ジュアヴォ、デストルドス、メツオーガ/メツオロチ:サナギ化後に中からモンスターが飛び出す描写はかなり似ている。
ゲムデウス:頭部のデザインが似ている。
EVA初号機:紫色のボディと頭部の一本角などの共通点がある。
ダエモニア:倒されると生み出した人物が死亡する怪物つながり。こちらの場合は、生み出されてすぐ死亡するギフテリアンとは異なり、人の道を踏み外した外道として生かされている。
魔導ホラー:ベースの人間自身が怪人となる点を除けば、色々と共通点を持つ怪人。
レイダー(仮面ライダーゼロワン)、新型メギド:前々作、前作における同じポジションの怪人。令和ライダー恒例の新種怪人だが、ギフテリアンはギフスタンプでしか生まれない性質上、外見に個体差がなく固定化している為、実態は強化or上級戦闘員が正しいと思われる。
スゴーミン、ツヨインダベー、クダイテスト:スーパー戦隊シリーズにおける近いポジションのヴィラン。何れもより強化された個体が存在する。