「さあ、絶望して新たなファントムを産み出せ!」
概説
ファントムとは人間の精神世界「アンダーワールド」に巣食う魔物の総称。デザイン担当は丸山浩。
強力な魔力を持った人間を誕生の為の「ゲート」とし、その人間の絶望した心から生み出され、ゲートとなった人間の全てを食い尽くす事で現実世界に出没する。
通常の武器は一切通用せず、ファントムを倒すには物理攻撃ではなく魔法を使う以外に方法がない。現実世界に出る前にアンダーワールドに潜んだままの状態で倒せば宿主となった人間が救われるが、ファントムが現実世界に出てしまえばその人間は砕け散り死亡・消滅する。
宿主の姿をそのまま残し、記憶はある程度持っているものの、人格は全く別である。その為か、殆どのファントムは宿主の名前で呼ばれる事を嫌っている。人間に擬態しすり替わるという点は「仮面ライダーカブト」の敵ワームに似るが、ワームが擬態元の人間の人格に影響されることがあるのに対し、ファントムは完全に別個の存在ということが強調されている。
その為、ファントム側の人格を塗り潰し、ゲート側の人格をそのまま継続しているグレムリンは例外中の例外である。
宿主となった人間を喰らい尽くして誕生したファントムは、己を生み出した宿主の人間の姿に擬態することが出来、新たなファントムを誕生させるため、誕生の糧になり得る人間=「ゲート」に絶望を与えようとする。ただし「ファントムの行為によって」絶望させなければいけない様で、人間の方が関係ない理由で勝手に絶望してもファントムは発生しない模様。また、前述の通り宿主となった人間の記憶を受け継いでいる事から、ゲートとなる人間が宿主の親族や恋人といった親しい間柄を持つ場合は、ゲートと宿主の大切な思い出などを利用して踏み躙る形で絶望させる等、卑劣な手段を用いる事が多い。最もファントムにとっては、手っ取り早くゲートを絶望させられる為、都合が良いという認識に過ぎない。
また、ファントム自体には仲間を増やす本能や刷り込みがある訳ではなく、ゲートを絶望させファントムを生み出そうとするのも、ワイズマンやその意思を受けた上級ファントムの命令だからやっている事である。
個人主義的な傾向が強く、人間を絶望させることに乗り気で無い者も多いが、そんな個体さえ、人間が苦しむ顔を見て楽しむというサディストな一面を見せている。このことからもわかる通り、ゲートを絶望させる行為に乗り気がないファントムは人間に危害を加えることに抵抗があるわけではなく、単に面倒くさいと考えているだけである。その為、仮にゲートを絶望させる事に喜びを見出していたとしても、それは飽くまでそのファントム個人の嗜好であって、ファントム共通の性質ではなく、グレムリンの「ファントムが増えても仲間が増えるわけではない」という発言から、ファントム間での仲間意識も強くないようである。
総じて冷酷で邪悪な気質の持ち主であり、我々人間とは完全に相容れない種族と断言できる。
本作における「魔法使い(仮面ライダー)」とは、ゲートとなった人間が己の中のファントム(絶望)を抑え込み、その魔力を行使できるようになった者である。
なお、ファントム及び魔法使いの存在はどちらも古代から存在することが判明しており、実際、仮面ライダービースト、アマダムといった魔法使いやそれに関わるファントムが登場している。
一度に複数のファントムを生み出すには日蝕の儀式「サバト」を行う必要があり、作中に登場するファントムと魔法使いは、キマイラのような太古からの存在を除いて誕生にワイズマンと白い魔法使いの存在が関わっている。
怪人体に変身する際には人間体の顔に怪人体の顔が浮かび上がるという演出がされるが、第24話のワータイガーを最後にその演出はなくなった。
魔法使いのような魔力切れは劇中では起こっていなかったが、ファントムが変身した魔法使いが魔力の温存、集めた魔力を一時的に温存していたため無限ではない模様。
平成ライダーの怪人にしては珍しく各個体の名前はモチーフ+種族名の法則(例「◯◯ファントム」といった感じ)に則っていない。一応、歴代の作品でも幹部などは個体名のみで名前が構成されているというパターンはあるにはあるのだが、幹部とゲスト怪人両方で種族名が付かない種族というのは結構珍しい。しかしながら、『ライダーファントムシリーズEX』ではモチーフ+種族名というネーミングで商品化されている。
ワイズマン
幹部ファントム達に指示を出す黒幕的存在。幹部達の前では常に怪人態で登場するが、一応人間態はある様子。
第1話からメデューサの会話で名前だけ先に登場していたが、第8話で遂に本人が登場、14話で後述する怪人態が明らかになった。怪人態は「カーバンクル」という名称(第48話で判明)で、自身の体からウィザードリングの元となる魔宝石を生み出す事が出来る。戦闘では白い鎖で相手を拘束し、電撃を放って攻撃する。他にもウィザードの魔力を吸い取って変身を解除させたり、腕を鋭い刃に変化させて相手を貫いたりしている。
サバトを行うのに必要な存在とされているが、その目的は別にあった。
白い体が特徴で、その姿は某漫画に登場した宇宙の帝王の最終形態を思わせるような風貌をしている。
幹部ファントム
ゲートを探す上級のファントムで、人間態でも能力の一部を発揮できる。発見後は配下のファントムにゲートを絶望させるよう指示を飛ばす。現在は3人のみ確認されている。
他のライダーの幹部と違い、幹部と一般のファントムを分別する明確な基準はない。むしろ、一般ファントムでもベルゼバブやバハムートのように、かなり強い者まで存在する。あくまでワイズマンが自分の目的を達成する為に、幹部として位置付けたようである。
メデューサ
蛇のような頭髪を持つ紫のファントム。宿主はミサ(稲森美紗)という名の妖艶な女性。第1-47話まで登場した。
岩も貫く頭部の蛇で相手を拘束し、魔力を吸い取る。あらゆる物を石化する能力も持つ他、蛇が絡みついたような形の杖「アロガント」による攻撃も強力。他にも紫のオーラを大蛇の形にして放ったり、無数の蛇で覆われた球状の光弾を放つ攻撃も行う。
ミサの姿でもゲートを見つける能力を持ち、眼を青く光らせる事で衝撃波を起こせる。
口調や物腰は穏やかだが冷酷な性格で、怒らせると恐ろしい存在。理由は不明だがワイズマンに忠誠を誓い心酔している。
フェニックス
ヒーロー寄りの風貌をした赤いファントム。宿主はユウゴ(藤田雄吾)という名の粗暴な男性。第1-23話まで登場した。戦闘では主に全身から「地獄の業火」を発して敵を圧倒し、「カタストロフ」という大剣を振り回して応戦する。炎を翼のような形に変化させる事で空中を飛行する事もできる。倒されても数時間で復活し、以前よりも能力が強化される。
公式の説明で『態度は大きいが、メデューサよりも能力は劣るようだ。』と説明されている。
グレムリン
両肩に爬虫類の頭部を模した肩当を持つ緑のファントム。宿主はソラ(滝川空)という名の陽気な青年。第18話から登場した。
お気楽な性格で、子供っぽい素振りや発言をすることが多い。ファントム達を生前の宿主の名で呼ぶ癖がある。
人間に擬態した姿のまま初登場したが、コヨミの能力でファントムであることを見抜かれた。本来の姿や名称などは謎のままだったが、フェニックスが敗れた後、正体を現した。
退場したユウゴの代わりにミサのサポートをする模様。
俊敏な動きと「ラプチャー」と呼ばれる二刀での攻撃を得意としている。
一般のファントム
「ゲートを絶望させる」事が目的になるため、回りくどい上に悪逆非道な策略を巡らせて精神攻撃を仕掛けることが多いが、ゲートに直接暴行を働いて死への恐怖で手っ取り早く絶望させようとしたり、親類縁者を血祭りに上げて絶望させようとするなど、旧来の怪人とあまり変わらない連中も多々存在する。
一方で、むやみにゲートを減らしてしまうのを防ぐため、オルフェノクやイマジンのような大規模な破壊活動をすることは稀。もっとも、フェニックスやケットシーのように細かいことを考えるのが苦手で、そのような破壊活動を望むファントムも存在し、レギオンのように実際にゲートではない複数の人間に対し無差別攻撃を行った者もいる。実際にそのような攻撃を行ったファントムは粛清または監禁の対象になりうる。
幹部格のファントムに対しタメ口だったり忠実とは言えないファントムも少なからず存在し、上下関係はあまり厳格とは言えず、ベルゼバブやバハムートの様に幹部並みに強いファントムは上司にあたるファントムにやや生意気な態度を取ったりする。
と言うより、ワイズマンの目的上メデューサのみが例外的に幹部として動かされているだけで、他のファントムは彼の采配次第で如何様にも変わるため実質的には上下関係自体無いに等しい。
ミノタウロス
第1話でウィザードが最初に戦った青い牛のファントム。宿主は網野という大門凛子の先輩。
頭部の角による突進や武器の斧「ブルアックス」を振り回す力任せの肉弾戦が得意だが、巨大な火球を放つ攻撃も可能。ミノタウロスの怪人だが意外と細身。
ヘルハウンド
第2-3話に登場した、炎を纏った風貌の黒いファントム。宿主は田島一夫というTV局のアナウンサー。
手に持った剣や口からの光弾、火炎放射で攻撃する他、他人の影の中に潜りこんだり、専用バイク「ブラックドッグ」を乗り回す。
リザードマン
第2話の回想で登場した、赤い単眼を持つ緑のファントム。宿主は石井悟史という大学生(映画研究会の監督)。
サバトの現場で生き残った操真晴人に襲いかかったが、白い魔法使いに追い払われた。
14-15話で再登場し、好き勝手にゲートを殺していたことによってメデューサたちに命を狙われる。戦闘では主に「スケイルソード」という剣を使用して戦う他に、頭についた棘を飛ばしてくる。
ケットシー
第4-5話に登場した、身軽な身体に鋭利な爪を生やした白い猫のファントム。宿主はアフリカ系の男性。
クロックアップのように素早く動き、剣に変形した両腕で敵を切り裂く。
ファントムには珍しい不真面目な性格の面倒臭がり屋(口癖も「めんどくせぇなぁ~」)で、仲間のファントムを増やす事には消極的。
ノーム
第6-7話に登場した、茶色いヒトデのようなファントム。宿主はバーを経営するソムリエ。
地中を自在に移動できる他、優れた嗅覚を持ち、狙った相手は逃さず地中に引き摺り込む。トライデントを武器に持ち、身体から無数の弾丸を乱射し、両腕から斬撃を飛ばして攻撃できるが、慎重な性格で無駄な戦闘はしない。敵味方問わず敬語で話す。
ガーゴイル
第10-11話に登場した、竜あるいは悪魔のようなファントム。宿主は中年の太った男性作業員で語尾に「~ッス」をつけて喋る。
胸から頭が前に突き出ている風貌が特徴。体を石のように硬化する能力を持ち、相手の攻撃を弾き返し、落下からの石化で相手を押し潰してしまう。過去に一度ゲートを逃がした経験がある。
ヴァルキリー
第12-13話に登場した、騎士のような姿をしたファントム。宿主は桐谷克弥という百貨店のマネージャー。
性格は礼儀正しく、ノームのように敵味方問わず敬語で対話するが、やることはかなり非情なもの。能力は翼を出して空を飛ぶ他に、額から緑色の光弾を飛ばして攻撃する。
マンティコア
第17話に登場した、ハチのような姿をしたファントム。宿主は占い師の老人。
宿主が占い師のためかタロットカードで攻撃する他、サーベルで応戦する。しっぽの猛毒でウィザードを窮地に追い込むも、ゲートと思い近づいた仁藤攻介が変身したビーストによって倒される。
ヒドラ
第18-19話に登場した、海藻か海蛇のようなファントム。宿主はダイバーの中年男性。
水の中から出現してゲートを襲うパターンが多い。上司にあたる幹部ファントムに対しても基本タメ口で話す。武器は槍だが水中戦のほうが得意。体についている棘を触手のように伸ばして相手を捕まえる。
ベルゼバブ
第20-21話に登場した、猫を思わせる姿をしたファントム。宿主は指揮者の男性。
相手をじわじわと苦しめて絶望させるのが趣味。幹部のフェニックスとは仲が悪い。
虫を他人の体に寄生させることで複数の人間を自分の意のままに操ることが可能。
たとえ寄生した虫が排除されても、本人が倒れない限り洗脳は解けない。他にも空間を歪ませて瞬間移動する能力を持っており、相手の攻撃を回避させることもできる。
ワータイガー
第24-25話に登場した、虎の顔のパーツを全身に散りばめたファントム。宿主は井川という筋肉質の男性。
名前の通り、虎のような縞模様の体が特徴。ファントムの姿に戻る時は、必ず吠える癖がある。
基本攻撃は肉弾戦だが、衝撃波を放つことも可能である。剣も使用する。
名称不明
第27話でメデューサによって絶望に追い込まれた女子高生・稲森真由(美紗の妹)の体から生み出されそうになったファントム。
全身像は不明だが、少なくとも体が無数の棘のようなもので覆われていることは確認できる。
真由によって封じ込められたため実体化することはなかったが、ウィザードラゴンやビーストキマイラ同様、今も真由の体内に潜伏していると思われる。
第41話でシルフィに絶望に追い込まれた中学生・飯島譲からもファントムが生まれそうになった。
こちらも全身像は不明だが、蜘蛛のような足が生えているようで、アンダーワールド内でも蜘蛛のような姿をしたファントムらしき姿が確認される。
スプリガン
第28-29話に登場した、体の色が青と白の2つに分かれた騎士の様な姿のファントム。宿主は大柄な体型の男性警備員。
両肩に管のようなものがついていて、そこから魔力を弾丸状に撃ち出す。他にも「リドル」と呼ばれる盾や「キュリオシティ」と呼ばれる長剣を使った接近戦闘を得意とする。「無用心」が口癖。
レギオン
第29-31話に登場した、怪鳥のような姿のファントム。宿主は内藤という不気味な風貌の青年。
自分の欲望のままに暴れまわる凶暴な性格ゆえ、牢獄に封じ込められていたが、グレムリンによって脱獄させられる。人間の持つ美しい心に興味があり、武器である特殊な薙刀「ハルメギド」で身体を切り裂いて、その隙間からアンダーワールドに侵入して心を破壊する。心を破壊された人間は昏睡状態に陥ってしまう。
その他にも紫色の魔力弾を放つ攻撃を持っている。「エキサイティング」が口癖。
ボギー
第32~33話に登場した、全身が植物で覆われたファントム。宿主は笠原という足のない幽霊。
ファントムの姿になっても足はなく、浮遊して移動する。他にも姿を消したり、武器である槍で攻撃する。
しかし最大の能力は死んだ後にゲートにとり憑いて、他人の幸運と不幸を自由に操ることである。
幽霊のような肉体のため攻撃を与えることが難しい。なんとか倒されるも、彼の魂はいくつにも別れてゲートたちにとり憑いた。
アルゴス
第34-35話に登場した、全身にいくつもの目を持つファントム。宿主は小須田明人というカメラマン。
怪力の持ち主で、全ての目から強力な光を放って一時的に相手の視力を奪う能力を持つ他、肉体についた目を分離させてあらゆる方向から攻撃したり、ゲートを監視する役割をする。
接近戦では主に剣を使用して戦う。
ラーム
第36-37話に登場した、鳥のような姿をしたファントム。宿主は加賀という奇抜なメイクの男性。
九官鳥に化ける能力を持ち、基本はゲートの中年男性・根本和良が持つ鳥かごの中にいるが、戦いになると空を飛んで奇襲攻撃をしかけてくる。
相手の攻撃を真似して返したり、煙幕をはって相手から逃げる戦法を持つ。
バハムート
第38-39話に登場した、エビのような頭部をした赤いファントム。宿主は勝村というアウトローな雰囲気の男性。
ワータイガーのように並外れたパワーを生かした接近戦闘を得意としており、ウィザーソードガンの弾丸すら素手で掴み取ってしまう。他にも両腕両脚についた角から真空の刃を繰り出すこともできる。
シルフィ
第40-41話に登場した、風がモチーフの青いファントム。宿主は西川という道化師のような姿をした男性。
風を利用した攻撃を多数持ち、空気の刃を飛ばす他にも風と同化することで、素早く移動したり空を飛ぶこともできる。
スフィンクス
第42-43話に登場した、古代エジプト人の姿をしたファントム。宿主は楠田という男性マジシャン。
炎を操った攻撃魔法が得意で、ステッキや口から強力な火炎を吹いてくる。その他にも瞬間移動する魔法も使える。
セイレーン
第44-45話に登場した、鳥人のような姿をしたファントム。宿主は静音という女性。
部下の中では、初めての女性タイプのファントム。魔力の衝撃波を放ち、人間の姿では彼女の声を聞いた人物を一時的に催眠術をかけることができる。
アラクネ
CV:桐井大介
第46-47話に登場した、虫のような姿をしたファントム。
部下の中では、殆どが九官鳥の姿で行動したラームを除けば人間体の俳優ではなく声優がクレジットされた初のファントムで宿主の人間体は劇中には登場しなかった。能力は地面に溶け込んで攻撃を回避したり、地中を移動することができる。
劇場版のファントム
劇場版ということもありドレイク、オーガは一般ファントム以上の強大な力を持っており、また各々の野望のために独自に動いている。
公式サイトでは一般ファントムと同様の扱いとなっている。
ドレイク
劇場版に登場のファントム。仮面ライダーソーサラーことオーマ大臣の正体。
オーガ
劇場版に登場のファントム。多くのファントムの力を使いこなす。
ケプリ
CV:平井啓二
劇場版に登場のファントム。
巨大ファントム
人間大のファントムによって絶望に追い込まれたゲートのアンダーワールドで誕生するファントム。戦闘力は人間大よりも高いが、凶暴で知性が低く言語能力は持たない。
ジャバウォック
第1話でミノタウロスによって絶望に追い込まれた大門凛子のアンダーワールドで誕生した、紫の翼竜か昆虫のようなファントム。6本の足、2枚の翼、長い尾を持つ。
飛行能力を持ち、口からは光弾を放つ。ウィザードラゴンと空中戦を繰り広げた。
サイクロプス
第3話でヘルハウンドによって絶望に追い込まれた奈良瞬平のアンダーワールドで誕生した、黄緑色の鋭い棘を背中に生やした単眼の獣人のようなファントム。
巨大な棍棒「カラミティ」を武器とし、ウィザードラゴンを一発で打ちのめすほどのパワーを誇る。
ヨルムンガルド
第11話でガーゴイルによって絶望に追い込まれた少年・片山直己のアンダーワールドで誕生した、緑色のナメクジのようなファントム。上半身は手を模しており、5本の指の先に蛇の頭部、掌に蛇の眼がある。
這い回るだけでアンダーワールドを破壊し、蛇の頭からは光弾を発射する。
ヘカトンケイル
第16話でフェニックスによって絶望に追い込まれた青年・達郎のアンダーワールドで誕生した、甲冑を纏った獣人のようなファントム。6本の腕を剣・槍・斧で武装している。
バンダースナッチ
第19話でヒドラによって絶望に追い込まれた画家・及川博のアンダーワールドで誕生した、赤い体色の小型ジャバウォックがムカデのように連結したファントム。それぞれ個々に分裂しても独自の意思を持つかのように動いている。
名称不明
第37話でラームによって(意図した方法とは違ったが)絶望に追い込まれた根本のアンダーワールドで誕生したファントム。姿を現すことなく話が終わったため、姿や特徴は全て不明である。
その後どうなったのかも描かれなかったが、ウィザード、ビースト両名が近くにいたため現実世界に出ることなくアンダーワールド内で倒されたと思われる。
名称不明
第40話でシルフィによって絶望に追い込まれた飯島譲のアンダーワールドで誕生したファントム。名称は判明していないが、巨大な蜘蛛の姿をしている。
朱里を傷つけた事で一度は絶望しかけた譲だったが、彼女の無事を確認するとファントムを押さえ込み、魔法使いの資格を得る事と成った。
ギガンテス
第43話でスフィンクスによって絶望に追い込まれた小説家・西園寺雅文のアンダーワールドで誕生した、眼球に巻き付いた鎖の両端に赤いヨルムンガルドのような巨大な掌が2つ付いたファントム。2つの手で敵を殴ったり叩き潰したりする他、鎖をあやとりのように操って攻撃する。
名称不明
第47話でメデューサによって絶望に追い込まれた男性・山本昌宏のアンダーワールドで誕生したファントム。姿や特徴は不明。
ウィザードによって妻子を救われた事で立ち直った山本の体内に抑え込まれるが、それによって魔法使いの資格を得た山本は白い魔法使いに拉致されてしまう。
ウロボロス
劇場版に登場した、大蛇のような姿をした巨大ファントム。
細長い身体の両端に龍のような頭部が2つある。
グール
魔石という特殊な鉱物から生成される、鬼のような風貌をした灰色の人間大ファントム。誕生にゲートを必要としない、戦闘員ポジションの量産型。魔石は幹部ファントムが必要に応じて部下に貸し与える(どこで魔石を調達しているのかは不明)。
槍を武器に持ち、普通の人間では太刀打ち出来ない強さを誇るが、魔法でしか倒せない以外に特殊な能力は持っておらず、知性も低く唸り声以外の言葉は発さない。
その他
カーバンクル
ホムンクルス(小説に登場)
邪悪な魔法使い
ワーロック(小説に登場)
魔法使いに味方するファントム
魔法使いに協力的なファントム。もっとも、ウィザードラゴンは「人間に抑え込まれた」と「興味深い」等の理由で一時的に力を貸しているだけで、本質的にはファントムとして乗っ取ろうとはしている。
ビーストキマイラは絶望させようとはしなかったが、それは契約による特殊な関係のためなので、あくまでギブアンドテイクの関係でそれがなくなれば牙を向く。
何れも怪人を身に宿す諸刃の剣である。
ウィザードラゴン
CV:大友龍三郎
操真晴人の体内に巣食うファントム。ドラゴライズリングで召喚されるが完全に制御されているわけではなく、マシンウィンガーと合体すると操作が可能になる。
最終的には居心地がよくなったようですっかりデレた。
ビーストキマイラ
CV:西村知道
ビーストドライバーに封印されていたファントム。仁藤攻介がビーストドライバーを見つけたのをきっかけに、「力を与える代わりにファントムの魔力を喰らえ」と契約を持ちかける。
作中で明確に古代から存在していると明確にされた唯一のファントム。
結構謎が多い。
余談
名前の由来は『Phantom(幻影、亡霊)』……ではなく、医療用語の『Phantom Pain(幻肢痛)』とされる。
また、本作のファントム自体が、世間に絶望した人間が無敵の人になってしまうという社会問題を思わせる。
解決には根性論ではなく福祉が必要である。
関連タグ
オルフェノク:同じく死亡した人間から誕生する怪人。ただし人格は元の人間から引き継がれる。
魔化魍:同じく、伝承に伝わる妖怪のライダー怪人。
神話怪人、デルザー軍団:モチーフが被っているのが何人かいる昭和のライダー怪人達。
四神:デザインワークスで幹部クラスのファントムの裏モチーフに選ばれてると判明した。