レイドライズ!
概要
『仮面ライダーゼロワン』第18話から登場した新たな敵怪人。
各個体の名称は「(使用プログライズキー名)+レイダー」という法則で、そのため個体名が非常に長い。
黒いフードの人物からレイドライザーを与えられた人間が、レイドライザーにプログライズキーを装填することで変身する。
使用されるプログライズキーは原則的に本作の仮面ライダーが用いるものと共通規格であり各1個ずつしか存在せず、量産品はバトルレイダーのみとなっている。
レイドライザーに備わっている「レイドレギュレダー」の機能により変身者の負の感情や悪意が増幅され、付与された「ライダモデル」の能力で破壊衝動に駆られるままに暴れ回る。
戦闘力はマギアよりも遥かに高く、劇中でレイダーと交戦したマギアは全くと言っていいほど歯が立たずに打ちのめされ、ゼロワンのハイブリッドライズでは正面から太刀打ちできない上に、個体によってはシャイニングアサルトホッパーやバルカンのアサルトウルフにも匹敵する。
レイドライザーを再度操作することでプログライズキーに対応した必殺技「(~ing)ボライド」を発動することも可能。
主に黒いフードの人物が目を付けた人間を変身させていたが、第26話で登場したスカウティングパンダレイダーのように自らの意思でレイドライザーを手に入れ変身した個体も登場した。
また、レイドライザーを一般販売にし、誰でも変身できるようにする計画であることが語られている。こうした民間人への販売を想定しているためか、変身者の身の安全を守る機能は高く、仮面ライダーやマギアと異なり変身解除されても変身者に怪我や後遺症が無いことが描写されている。
唯一の例外としてメタルクラスタホッパーの初変身時のみ変身者も重傷であったが、あれは変身解除などお構いなしの暴走でオーバーキル状態であったため、逆に言えばあそこまでしなければ安全とも言える。
初登場時から長らく変身者がレイダー化する際の決まった掛け声はなかったが、第28話で唯阿がファイティングジャッカルレイダーに変身した際に変身時の掛け声が「実装」である事が判明。
後にZAIAの傘下に入ったA.I.M.S.の隊員達もバトルレイダーに変身する際は必ずこの掛け声を発している。
マギアに近しい存在に「変身」する仮面ライダーに対し、マギアから身を守るべく一般の人間が自衛のため鎧と武器を身につける、と言った意味合いだろうか。
Vシネ「ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷」にて、ヒューマギアであるソルド達がレイダーと同型の姿に変身するが、こちらはソルドマギアと呼ばれ、「武装」の掛け声で変身。
プログライズキーのみで変身するため腰にゼツメライザーやレイドライザーは装着していない。
一覧
名称 | プログライズキー | 変身者 | 職業 | 演者 | 登場話 |
---|---|---|---|---|---|
クラッシングバッファローレイダー | クラッシングバッファロー | 立花蓮太郎 | 華道家 | 兼松若人 | 第18話 |
スプラッシングホエールレイダー | スプラッシングホエール | 新屋敷達巳 | 不動産仲介業 | 一色湊 | 第19・20話 |
ダイナマイティングライオンレイダー | ダイナマイティングライオン | 鳴沢益治 | 刑事 | 森準人 | 第21・22話 |
ストーミングペンギンレイダー | ストーミングペンギン | 二階堂輝男 | ペンキ屋 | ガイモン | 第23話 |
スカウティングパンダレイダー | スカウティングパンダ | 京極大毅 | ZAIA開発部主任 | コッセこういち | 第26・27話 |
ファイティングジャッカルレイダー | ファイティングジャッカル | 刃唯阿 | ZAIA社長直轄開発担当 | 井桁弘恵 | 第28~33話 |
バトルレイダー(インベイディングホースシュークラブレイダー) | インベイディングホースシュークラブ |
| A.I.M.S.隊員 | 第30~33・35~37話 |
特徴
マギアのようにほとんどの個体が「モチーフの生物の目」と「ライダーのような複眼」の計4つの眼を持つが、色がそれぞれで異なり「モチーフとなった生物の目」が飾りに近かったマギアと違い、レイダーは全てが目として機能しているように見える。
外見もマギアのように機械的だが、モチーフの絶滅動物の姿や特徴を全面的に押し出したマギアに対し、レイダーはモチーフの現生動物の要素は顔と固有武装だけに抑えられている。
パイプのような器官の他に、銃火器やブースター、照準器付きゴーグル等、使用されるプログライズキーの能力に因んだ装備を外付けしたようなデザインの個体も多く、マギア以上に戦闘に特化した姿となっているのも特徴(バトルレイダーのみ例外で、「ライダモデル」由来の要素はカブトガニを模した胸部装甲のみ)。
素体部分がエイムズショットライザーで変身する仮面ライダーの造形と共通であり、使用アイテムのレイドライザーに関してもプログライズキーの装填方向や構造がショットライザーに似ている点から関連性を疑われており、バックル基部パーツに至っては完全に同一である。第27話においてレイドライザーの開発元はZAIAエンタープライズジャパンであることが判明。
天津垓曰く、「民間人専用の対ヒューマギア装備」として開発したもので、上記の攻撃的なデザインもレイダーが「兵器」という商品である事を強調しているためと思われる。
「プログライズキーをベルトにセットして変身する」という変身プロセスは、『ゼロワン』における仮面ライダー達と同じで、スーツの共通項や開発経緯もあり、いわゆる擬似ライダーとも言える。
実際に後述の通りデザインコンセプトもライダーとマギアの中間のような要素を多く持つが、あくまで擬似ライダーは非公式で曖昧な区分であり、公式には一貫して怪人として扱われている。
ゼロワンにおける「仮面ライダー」は強引なフォースライズも含めプログライズキーを展開してライダモデルを展開使用しているのに対し、それを行わずプログライズキーを展開せず、ライダモデルの特性だけを装備に特化反映している点が、ライダーとレイダーの決定的なシステムやスペックの違いとなっている。
擬似ライダーとして考えた場合、その多くは専用システムや量産型アイテムを用いており、正規のライダーに比べ弱体化やフォームの固定化が伴っている。
対してレイダーは、仮面ライダーと完全に同一規格のプログライズキーを用いているため性能の劣化が少なく、使うキーにより姿が変わるため、事実上のフォームチェンジも可能である。
ただし、劇中で1人で2種以上のレイダーに実装した人物は登場しなかった。(刃はバルキリー用のキーも持っていたため、使おうと思えばライトニングホーネットレイダーやバルキリーファイティングジャッカルにも成れたが未使用)
なお一部のキーは劇中ではレイダーのみの使用だが、ゼロワンが使用した場合の設定画も公開されているものも存在する。
対策
一度乗っ取られたら破壊する以外に無力化する術が無いマギアと異なり、こちらは外装を破壊すれば基本的に無傷で元の人間の姿に戻り、正気を取り戻すことができる。
一方で人類滅亡のために行動し続けるマギアに対し、こちらは負の感情を増幅されただけで理性は残っているため、任意で変身を解いて日常生活を送ることができるため、変身を解除されると逃げられてしまう点や、変身者を誤解させるといった策略が使えるといった厄介さも持つ。当然ながら、理性的に行動できるために暴走マギアと異なり戦闘面でも知恵を駆使した立ち回りが可能で、変身者の職業・経験も大きく活かされる。
ただし、クラッシングバッファローレイダーの変身者である立花蓮太郎は心が完全に崩壊し、その状態でレイドライザーを装着されたことにより理性を保てなくなり暴れまわっていたため、個人差があるもよう。
また、レイドライザーにより負の感情を増幅された場合、変身解除しても感情はそのままであり、さらに罪を重ねようとしていくある種の中毒性を持ち合わせてもいる。そのため、度重なる使用により撃破以外に解決法が無くなることが多い。
何より、ほとんどのケースで変身者は自らの意思で自発的に変身しているため、暴走や無理矢理使わせているわけではない点が最も厄介な点であると言える。上述の特性により負の感情に飲まれる問題と合わせて、説得し手放させることは難しい。
後にレイドライザーの市販予定があったことも踏まえると、一度は変身解除させて破壊・没収しても、また手に取れば変身できてしまうという問題は消えない。
よって根本的な解決には、単に変身を解くことだけでなく、変身者が悪意を持った原因を突き止めそれを排除するメンタルケアが最重要となっている。
ただし、ZAIAの管轄下にあるレイダーは負の感情を増幅されることなく、あくまで「ヒューマギア破壊」という職務のために変身している。
これは軍人としての精神的な強さによるものとも、戦闘・破壊そのものが職務であるためにデメリットが表面化していないだけともとれるが、いずれにせよ戦闘目的の兵器としては負の感情により恐怖心を打ち消すシステムは合理的ではある。
余談
- 児童誌やテレビ雑誌での発表時は「レイド」と表記されていた。恐らく、レイドライザーと混同した為と思われる。
- 上述した通り、それぞれが非常に長い個体名を持つためか、OPテロップなどでは「(動物名)+レイダー」と表記される傾向にある(例:ファイティングジャッカルレイダー→ジャッカルレイダー)。
- 公式サイトの各レイダーのページのアドレスによると、綴りは「raider」である。英語で「襲撃者」の意味であり、「ライダー/rider」とは綴りが非常に似ている単語である。
- ライダー怪人では珍しく、放映中の作品に関わらず設定画が公式サイトで公開されている。マギア以上に擬似ライダーとしての側面が強いためと思われる。
- 「実装」の掛け声は撮影現場で考案されたもの。レイダーへと初変身した唯阿の決意を表す言葉として、唯阿役の井桁弘恵氏が練習を重ね発したとのこと。また工学分野に置いて実装とは、「特化した機能を実現する」ことを意味する。奇しくも『特捜エクシードラフト』とは同じ変身口上となった。
- 武装の名前は基本的に動物の名称や特徴、生態に由来するものが多い。
- ただし、武装を持たないストーミングペンギンレイダーは攻撃技(「トボガンダイブ」)に反映されている他、ダイナマイティングライオンレイダーの武装は「シューティングスターマイト」とプログライズキー由来としか思えないものもある。
- モチーフは生物だが、いずれも各プログライズキーのライダモデルの絶滅危惧種に当てはめる事ができる。
レイダー | 絶滅危惧種の生物 |
---|---|
クラッシングバッファローレイダー | スイギュウ(絶滅危惧EN) |
スプラッシングホエールレイダー | シロナガスクジラ(絶滅危惧ⅠB) |
ダイナマイティングライオンレイダー | ライオン(絶滅危惧Ⅱ) |
ストーミングペンギンレイダー | シュレーターペンギン(絶滅危惧ⅠB) |
スカウティングパンダレイダー | ジャイアントパンダ(絶滅危惧Ⅱ) |
ファイティングジャッカルレイダー | アビシニアジャッカル(絶滅危惧ⅠB) |
バトルレイダー | カブトガニ(絶滅危惧ⅠB類) |
- 『公式完全読本』によれば、デザイン上のルールとして以下の法則が挙げられている。
- A.I.M.S.の技術を利用してZAIAが開発したという設定から、素体をA.I.M.S.ライダーと同一の物にし、体色はマギアが黒、バルキリーらが白ということでグレーにする
- マギアの複眼要素を排する(ただしスプラッシングホエール等の例外あり)
- マギアの身体に配置されたケーブルをパイプに変える(武器にもパイプのディティールを用いている)
- なお、プログライズキーとレイドライザーさえあれば誰でも変身可能である為、理論上は特殊なプログライズキーを除いてどんなプログライズキーでも変身が可能と思われる。
- 通常のプログライズキーでレイダーの変身に使用されなかったのはライジングホッパー、シューティングウルフ、ラッシングチーター、フライングファルコン、フレイミングタイガー、バイティングシャーク、パンチングコング、フリージングベアー、スティングスコーピオン、ライトニングホーネット、ホッピングカンガルー、ブレイキングマンモス、ガトリングヘッジホッグ、スパーキングジラフ、トラッピングスパイダー、エキサイティングスタッグ、アメイジングヘラクレス、クラウディングホッパーの18体。
- 特にスタッグとスパイダー、ジラフはZAIAの所有物である為、登場してもおかしくなかったと思われる。
- ベルトのような変身装置を用いる・並みの人間なら誰でも変身できる・理論上フォームチェンジすることも可能・正規ライダーとほぼ同規格の変身音声が存在という点について、レイダーを怪人ではなく擬似ライダーと見なす観点もある。
Pixivでは
各種のプログライズキーを使用したレイダーのイラストが投稿されている。
オリジナルレイダーを参照。
関連タグ
マギア:上記の通り、「ゼツメライズキーとゼツメライザーで変身する」「変身者がヒューマギア」「変身したら自力では二度と元に戻れない」など、レイダーとは真逆の要素を持つ。
仮面ライダーアバドン:ある意味レイダーの発展型と言える存在。ネタバレ注意。
ダークレイダー:「○○レイダー」を冠しているが、こちらは仮面ライダーの相棒である。
オリジナルレイダー:二次創作タグ。
フォルスロイド・・・・こちらもヒーローの疑似型とされている敵つながり。しかもヒーロー側と使うアイテムが同じという点も共通。シリーズに登場するレプリロイドのモチーフになった動物にはプログライズキーになっている動物もいる。
東京ミュウミュウ:正義側ではあるが、こちらはメンバーのモチーフが絶滅危惧種で構成
されている
ナメクジラ:同じく人工知能に関連した人間の怪人。
アナザーライダー →