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概要編集

 次の弾丸発射するための弾丸の保管部分のこと。外付け型と内蔵型の二つがある。

 後装式の銃が、素早い装填と射撃を行うために不可欠な装置である。

 また、設計(或いは品質)の良し悪しが、作動性や信頼性などに銃そのものの良し悪しに関わってくる重要な部品である。

 着脱式の場合は携行時に落とす、ぶつけるなどして変形させてしまうとジャムなどのトラブルを招いてしまう部品でもある。


 基本的には消耗品であり、劣化や変形等により機能が低下して動作不良の原因となるので交換となる。

 着脱式では弾倉を丸ごと交換してしまうが、内臓式ではバネなどの部品交換となる。

 シューティングゲーム等ではポイ捨てするが、実際のところはそんなことしてたらもったいないので、よほど切羽詰まっていない限り捨てたりはしない。

 ダンプポーチと呼ばれる空マガジンを突っ込むポーチがあるのでそちらに入れるし、残弾があるのであればマガジンポーチ等へと戻すのだが、射撃競技や戦闘の際には素早い交換の為にそのまま地面に落とす事もあるので、破損を防ぐ為にマガジン底部にマガジンバンパー等の破損防止のための部品を取り付ける事もある。

 マガジンバンパーはマガジンの構造によっては装弾数を増やす機能を持つものもあり、増えても数発程度ではあるが、マガジンを多く持つとなるとその差は大きい。

 またバンパーの形状を変えて輪やつまみを作ることで、ポーチなどから引き抜く際にアシストする機能を持つものある。

 引き抜きやすくするだけであればダクトテープやパラコード等で輪を作りマガジン底部に取り付ける事で同様の機能となるが、特にパラコードの場合はマガジンの構造によってはそれは難しい。マグプル(オリジナルマグプル)はそれをマガジンの外部に取り付けるゴム製の輪とすることで、サイズが合えばほとんどのマガジンにつけれる事に加え、限定的ながらもバンパーとして機能するようになっている。


弾倉の種類編集

  • 箱型弾倉(ボックスマガジン)

最も一般的な弾倉は、箱型弾倉と呼ばれる箱状で、弾が発射方向と垂直に並ぶよう挿入される弾倉である。

基本的に薬室へは底に入れられたフォロワースプリングで押し出され、装填操作が行われる毎にボルトによって1発ずつチャンバーへ挿入される。

アサルトライフルオートマチックピストルのように脱着式のものと、Kar98kといった古いボルトアクションライフル等のように銃に内蔵されて取り外せないものがあるが、基本的な原理は同じである。

PDWであるFNH社のP90ポンプアクションショットガンのMonolith Arms社のP-12のように、特殊な機構をマガジン内に組み込むことで異なる方向に並べ、装弾数を増やしながらも銃から突き出さずに邪魔にならないようにしているもある。


  • 単列マガジン

箱型弾倉内で弾薬が一列に並んだマガジン。

シングルカラムマガジン、シングルスタックマガジンとも呼ばれる。

薄く作れるが、装弾数を増やすためにはマガジンの長さを伸ばすしかなく、長くしすぎると携行時や伏せる等の際に邪魔となりやすい。


  • 複列マガジン

箱型弾倉内で弾薬がジグザグに二列となったマガジン。

ダブルカラムマガジン、ダブルスタックマガジン、スタガードマガジンとも呼ばれる。

厚くなってしまうが単列と比べ、同じ長さで装弾数を増やすことができる。


  • 複々列マガジン

弾薬が四列となったマガジン。

クアッドスタックマガジンとも呼ばれる。

内部に仕切りがあるために複列マガジンを二つ繋げたような構造となっており、装填や送り出し等の都合から合流部分で四列から二列へとまとめられる。

複雑な構造のため信頼性に難があり、重量もかさむためあまり使われない。


  • シングルフィード

マガジンの先端であるリップ部で弾薬が一列となる構造のマガジン。

押し込みつつ、薬莢のリム側へスライドさせることで装填と少し手間がかかるため、装弾数の多いマガジンでは装填が面倒。

一応クリップを使用して一度に複数の弾を装填可能なローダーはあるものの、弾頭部がこすれる構造の為に弾頭形状や素材によっては変形や傷を招いてしまうために適さず、度々ローダーにオイルを吹いて摩擦を減らす必要があるために弾に不要なオイルが付いてしまう等、問題は多い。


  • ダブルフィード

リップ部でも弾薬が二列のままの構造のマガジン。

装填時には真上から押し込むことで装填ができるため、装填が容易なだけでなくクリップ等を用いる事で短時間での装填が可能。

しかしながらバネの劣化に弱く、飛び出したり抜け落ちたりしやすい。強度にも劣り、乱暴に扱うと変形してトラブルを起こす。


  • 筒型弾倉(チューブマガジン)

弾が前後方向、つまり、発射方向に並ぶものである。弾の直径より僅かに大きい筒の中に弾を入れていくイメージ。

かなり古いタイプの弾倉だが、現在でも使われる設計である。

ただし、尖頭弾(先が尖った弾)を挿入すると雷管を突いて発火させてしまうためにライフル銃では使用されなくなっていった。

当時の敏感な雷管では発火による連鎖が起きてしまうが、現代のものは比較的鈍感なためにその心配はまず無い。しかし、尖頭弾では先端部の変形は命中精度の低下を引き起こしてしまうため、筒型弾倉との相性は悪い。

対応した寸法内であれば全長の異なる弾薬を混在させても問題が起きにくく、用途によってはさらに幅広い状況への対応も可能。

現在では、弾薬が円筒形となるショットガンや平頭弾を用いるレバーアクションライフルなどで使われている。


  • ロングマガジン

箱型弾倉や筒型弾倉を延長、もしくは長いものを使用することでより多くの弾を装填できるようにしたもの。

主にSMG等の連射可能なものに使われる事が多いが、競技等ではポンプアクションショットガンや拳銃などの単射のみの銃に使われる事もある。

競技では競技内容やレギュレーション次第ではあるが、再装填の時間を少しでも減らす為、装弾数を可能な限り増やすことで記録や勝利を狙うのである。

コンパクトモデルやサブコンパクトモデルなど、通常のモデルよりもグリップが短い拳銃ではそれに合わせてマガジンが短くなることが多いが、通常モデルのマガジンを用いる事で装弾数が多くグリップより飛び出したロングマガジン同様の状態となる。

小型拳銃向けのマガジンエクステンションは握りやすくする為にグリップの一部となるようデザインされたものもあるが、装弾数は増やさないエクステンションもある為、ある程度大きいエクステンションが付いていてもロングマガジンとなっていないものもある。


  • ドラムマガジン

名前とおり円柱形で、弾が複数の円を描くように入っている。

弾の押し出しはゼンマイを使用する。

マガジン内の渦巻き状のレールに弾薬が流れる構造上詰りやすく、機構の故障も起きやすい。

箱型マガジンと異なり叩いた程度での復帰はまず無理なので、弾詰まりが発生すると残弾が多数残っている状況であってでも投棄せざるをえない羽目になる。

銃の構造によってはドラムの上部に箱形の突起が飛び出した構造となっていて、マガジン全長が長くなるので伏せ撃ち等の際に邪魔になりやすく、ドラム部との接続部を工夫した結果、接続部を曲げてくの字やL字状となったもの、サドルマガジンを片方のみとしたものもある。


  • サドルマガジン

鞍の名の通りドラムマガジンを左右に別けた形状となっており、全長を抑えている。

弾の押し出しはドラムマガジン同様にゼンマイを使用しているが、左右二つ搭載されている。

故障の問題もドラムマガジンと同様だが、片方が故障するだけで詰まるため、更に壊れやすくなったといえる。

サドル型ダブルドラムマガジンと呼ばれる事もある。

左右から合流する構造の為、複列マガジンである事が多い。


二つのドラムが銃の下にぶら下がる形状からキン〇マガジンなどと呼ばれたりもする。


  • パンマガジン

皿状のマガジンで弾薬は内部に円状に並べて装填する。

基本的にマガジン自体に送り出し機構はなく、銃側の機構でマガジンが回転することで送り出される。

拳銃弾を用いているために薄いドラムマガジンがこの名で呼ばれることもある。


  • ヘリカルマガジン

筒形のマガジンで、内部で弾薬が螺旋状に並んでいる。

送り出し機構はゼンマイで、装填時には弾薬で押し込む事で巻くのではなく、巻く為のダイヤルを備えるものもある。


  • ロータリーマガジン

箱型マガジンの一種で、弾薬がまっすぐに一列ではなくU字状に並んでいる。

内臓式と着脱式のものがある。

主にボルトアクションライフルで使われており、基本的にマガジンがストック内に収まるようになっている。

基本的には送り出しにはバネかゼンマイにより回転する板を用いているが、バネはまっすぐに押し出すのではないのでねじりバネを用いている。

中にはリボルバーのような弾毎に独立した部屋がある放射状の仕切りを備えたもの、ゼンマイで作動するベルトコンベアのような送り出し機構を持つものなど、銃のサイズや弾薬の種類、装弾数、マガジンのサイズによって構造が異なる。


  • ベルトリンクマガジン

機関銃などで使われるベルトリンクで繋がった弾薬を入れるマガジンだが、弾薬を押し出す機構が不要なために銃に接続できる箱や袋といった程度。

形状は様々で、円柱状の為にドラムマガジンに見えるが内部にベルトリンクが入っているだけで送り出し機構が一切ないドラムコンテナと呼ばれるものもある。

銃架に固定する場合は専用のマガジンを使用しない、もしくは使用できないために、弾薬箱をそのまま銃架に取り付けられた弾薬架へと乗せるようになっているものもある。


ドアガンや車両のターレットに取り付けた機関銃向けにより多くの弾薬を入れることが出来る弾薬コンテナもある。

こちらは銃から離れた場所に設置されるため、ベルトリンクがむき出しであるとひっかけてしまったり、リンクの破損等が起きるため、フィーダーと呼ばれるチューブ内を通して機関銃へと送り出す機構となっている。

M134等の発射速度の非常に速い銃に使用される場合、銃側の機構で長いベルトリンクを引っ張り出させるのではベルトリンクや銃の機構への負荷が高く、ジャムやベルトリンク切れが起きてしまうため、弾薬コンテナ側にトリガー連動モーター等の送り出し機構を備えているものもある。


歩兵が背負う大型のベルトリンクコンテナもある。

映画プレデターに登場したミニガンで使われたものが有名で、大量の弾薬を背負わせるというものだが、ベトナム戦争時にチャイナレイク海軍兵器センターのシステム23、通称「デスマシーン」が作られSEALsSOGにより運用されている。M60用に航空機用大型弾薬箱とフレキシブルフィードシューターを使用して作られ、約1,000発の7.62mm弾のベルトリンクを入れる事が出来る。

現代でも作られており、アメリカ陸軍のアイアンマンシステムはM240Mk48Mod1向け(ただし計画はキャンセル)、アメリカ海軍でも同様のものが作られ(こちらは採用されている)、民間企業のTYR tacticalのMICO(Machine Gunners Assault Pack)はM249とM240対応、となっている。

ロシア企業のフロントタクティカルシステム製のスコーピオン弾薬供給システムはPKPKMPKPに対応しているが、東側のベルトリンクは半分離式である程度の数を撃つと分離していく構造の為、射手の移動の妨げになる事もある。


  • シリンダー

主にリボルバーで使われる、弾を保持する弾倉と、弾を発火させて発射する薬室の役割を兼ねたもの。

一般的には銃に固定されているが、稀に工具を使わなくても取り外せるものもある。

基本的には取り外すと再調整が必要となるが、パーカッション式などの一部の銃では取り外すことが前提に設計されており、そのような銃の場合は撃ち終わったシリンダーを外して装填済みのシリンダーへと交換してしまうという再装填方法も可能となる。

筒型弾倉の先に装着する事で装弾数を増やす事を可能とする製品も登場している。多くの場合は筒形弾倉を束ねた構造となっており、装弾数を大幅に増やせるが、欠点としては非常に重いものを銃口側に取り付けるので取り回しが悪くなる点が挙げられる。


関連項目編集

 鉄砲 弾切れ

シリンダー マガジン

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