「300円、300円!ヒヒヒヒヒ…」
概要
『仮面ライダー電王』第27・28話に登場した敵イマジン。身長191㎝、体重115㎏。
元々は本作の黒幕配下だったが、第27話と第28話の間を描いた映画『俺、誕生!』に登場する牙王/仮面ライダーガオウ配下のモレクイマジンの勧誘を受け、宝石窃盗犯・池祥一の思い描く「蛭と弘法大師」に登場する蛭のイメージで具現化した。
モレクイマジンと結託し、池を唆してミルクディッパーに侵入させ、電王とゼロノスを引き離す作戦を買って出た。
外見
全身が黄緑色の革に包まれており、その上から幾本もの管が伸びている青い装甲が生えている。左腕は刃のような形状になっている。目元は黒い布で覆っている。
能力
武器は大ぶりの青竜刀。その他、体表に生えたイボはマシンガンのように射出して敵を襲う。
動きはさほど早くないものの、チョコマカと攻撃を躱すのを得意としており、ゼロノスを苛立たせた。
設定上は体から伸びる管で敵の体液を啜るようだが、電王の作風に合っていないのか使用されなかった。
契約者の願い
願い事:「かつて盗んだ宝石を取り戻す」
池の相棒・加藤は宝石を窃盗、野上夫妻の死により空き家同然となっていたミルクディッパーを発見して単身乗り込み、店の床下に宝石を隠していた。それから7年が経った第27話にて、別件で逮捕された加藤が出所してきたのを機に、池と加藤は宝石回収のためミルクディッパーに忍び込むことになる。
なお、加藤が逮捕されたのは2000年の5月8日であり、上記の時間は加藤の逮捕後池がとあることを行った時間である。
活躍
ミルクディッパーを朝方に襲撃。U良太郎がハナをマシンデンバードに乗せ侑斗に池を任せたことで作戦が成功してしまい、ゼロノス相手に時間稼ぎとして逃げ回った末に寝技に持ち込まれるが、過去へ向かうデンライナーを目撃し役目を果たしたことを知り撤退。
その後は池の望みを叶えに向かうが、池の口から加藤が宝石を隠した現場を目撃しており、加藤の知らぬ間に二束三文(それも1000円)で売ってしまっていたことが判明。つまり上記の「とあること」は加藤の盗んだ宝石を売りに出した日付である。
(加藤に言い出せず上記の襲撃に及んだものの、本人は悪びれていない様子だった)
しかしイマジンにとってそんな事情は関係なく、宝石を持つ人間を片っ端から襲い出す。
電王アックスフォームとの戦闘になるものの、キンタロス・ウラタロスが良太郎に憑依できない事態が発生。
「俺の必殺技 パート5」で倒されそうになるも手持ちの青竜刀で反撃し、その勢いで水に転落させて逃げ切った(モモタロスはカナヅチなのだが、すんでのところで橋に捕まり難を逃れた)
その後も宝石店や質屋を襲って池を連れていく。池はかつて盗んだ宝石が偶然売られているのを発見するが、それは300円で売られていたことが判明(パチモンだったと考察する声もあるが定かではない)。落胆する池を冒頭の台詞で嘲笑いつつ過去へと飛んだ。
過去の世界で電王ソードフォームと戦闘になるも、どうにも士気が上がらないソードフォームに優勢に立ち回っていたが、やけになったソードフォームの猛攻で押され始める。
さらには新アイテム「ケータロス」により消滅の危機から回避されたウラタロス・キンタロス・リュウタロスが憑依合体したクライマックスフォームに圧倒され、最期は必殺技のボイスターズキックで撃破された。
余談
第27話でリュウタロスのスーツアクターを務めるおぐらとしひろ氏がモレクイマジンの契約者としてゲスト出演している。
声を演じる飛田氏は特撮作品のTVシリーズでの出演は今作が初となる。(イベント作品であるが、ウルトラマンティガ光の子供たちへではイクルの声を演じていたことがある。)3年後の『天装戦隊ゴセイジャー』では姿を変えながら様々な組織で暗躍する幹部怪人の声を担当する事となる。
元ネタになった「ヒルと弘法大師」は千葉県木更津市に伝わる民話。蛭に困っている村を訪れた弘法大師が法力で蛭を村人が認識できない状態にした事で、村人は吸血の被害に悩まされる事はなくなったという話(みずち書房刊『きさらづの民話』(1984)に収録)。