『Complete』
『Start up』
概要
仮面ライダーファイズが、ファイズアクセルに装填されているアクセルメモリーをファイズドライバー(ファイズフォン)にセットする事で変身する形態。
胸部の装甲「フルメタルラング」が展開され「ブラッディ・コア」をはじめとする内部機構が露出、出力の上昇に合わせて赤色のフォトンストリームが銀色の「シルバーストリーム」に変化する。この銀色はフォトンブラッドが最大出力で流れている事を表す危険色でもあり、長時間の維持は出来ない。
また、「アルティメットファインダー」(複眼)も赤く変色している。
スペック
身長 | 186cm |
---|---|
体重 | 91kg |
パンチ力 | 3.75t(グランインパクト時7.8t) |
キック力 | 7.5t(クリムゾンスマッシュ時25.5t) |
ジャンプ力 | ひと跳び52.5m |
走力 | 100mを0.0058秒(アクセルモード) |
変身直後は「アイドリングモード」という待機状態で、ここからファイズアクセルのスタータースイッチを押す事で自身の機動力が10秒間だけ1000倍に加速した「アクセルモード」となり、同時に必殺技を複数回使用可能となる。
設定上の変身可能時間はアイドリングモードでも35秒程度でアクセルモードは10秒しか持たず、10秒経過すると「Reformation」の音声で自動的に通常形態のファイズに戻される。
これは不安定なフォトンストリームから装着者を保護する為であり、万が一タイムリミットをオーバーしても加速状態を維持してしまえばシステムが崩壊して大爆発を起こし、装着者は死亡。更に周囲3kmは劣化したフォトンブラッドによって汚染される事になる。
活躍
10秒というタイムリミット付きでこそあるものの、その間なら(一部の特殊な個体を除けば)敵のオルフェノクをそのスピードで一方的に追い詰め、更に複数回のエクシードチャージによって必殺技を何発も(実質ほぼ同時に)叩き込む事が出来る。
ドラゴンオルフェノク以外にスピードで敗北した事は無く、更に言えばドラゴンオルフェノク戦時の変身者は乾巧ではなく木場勇治であった為、巧が使ったという条件下であれば全オルフェノクにスピードで勝利している。
他にこのフォームに対抗出来るオルフェノクは(強いて言えば)ドラゴンオルフェノクの竜人体を簡単にあしらったゴートオルフェノク位と思われる(オルフェノク中最強の怪人・アークオルフェノクに関しては直接的な描写が無い為、不明)。
劇場版では20人以上にも及ぶライオトルーパーの1小隊を連続クリムゾンスマッシュで秒殺する荒業を見せた他、仮面ライダーカイザが手も足も出なかった仮面ライダーサイガ相手に天井を走って追い付きバックパック「フライングアタッカー」を破壊して通常形態での勝利に繋げる等、後述のブラスターフォームを食わんばかりの活躍を見せた。
その為、一部の視聴者からはブラスターフォームよりこちらの方が強く思えるといった声もしばしば上がる(ブラスターフォームのリスクを考えれば頷ける意見ではある)が、アクセルフォームが「ライダーズギア最高機動力のサイガとスピード戦を展開させた」のに対し、ブラスターフォームが「ライダーズギア最高出力の仮面ライダーオーガとほぼ互角のパワー勝負を展開した」事を踏まえれば、ブラスターフォームも十分な活躍をしたと言える。
アクセルフォームが加速能力での短期決戦に特化した形態、ブラスターフォームは純粋な火力に特化した形態と考えればしっくりくるかもしれない。
また、戦闘以外でもジェットスライガーのミサイルを避ける為に咄嗟に使用される等、巧からの信頼性も高い。
そんな華々しい活躍に反し、カイザがいつの間にか持っていたファイズアクセルを雑に投げ渡され、それを装着するという余りにあっさりとした登場経緯は語り草。
尤も、これはカイザポインターやファイズブラスターといった新武器にも言える事である。『555』にはよくある事だと思って割り切った方が良いだろう。
必殺技
フォトンブラッドは銀色だが、これらの必殺技の発光は赤色で統一されている。
強化クリムゾンスマッシュ
別名はアクセルクリムゾンスマッシュ。
単独ロックオン、単独の敵に複数ロックオン、複数の敵へのロックオンなど様々なバージョンが見られる。
第22話でシーキュカンバーオルフェノクとセンチピードオルフェノクのタッグに対して初使用。
中段蹴りでシーキュカンバーオルフェノクを浮かせた上からクリムゾンスマッシュを浴びせて灰化。続けて放ったセンチピードオルフェノクには少し掠めるだけに終わったが、それでも撤退に追い込んでおり、かなりのダメージが入ったのは間違い無いだろう。
第45話ではバットオルフェノク戦で使用。バットオルフェノクの周囲を5回ポインターで捕捉し、一斉に蹴り込んで撃破した。
劇場版ではライオトルーパー隊に使用、一体一体をポインターで補足して撃破。逃げ帰った個体にも追い討ちする程の念の入り様であった。
『ウィザード』出演時にはポインターを一つ発射し、ミュスカワームを撃破した。何気にファイズポインターを装着するシーンも描かれているのも特徴。
『仮面ライダー大戦』では空中から落下するように複数回放ち、タイガーロイドらを瞬殺した。
PS2版での手順は全速力で接近し、そのままの勢いの中段蹴りで吹っ飛ばし、敵の背後に回り込んで通り過ぎ手首スナップ、振り返りながら蹴り上げ、下上左右正面からポインターで捕捉、全てが順番に突き刺さり、着地と同時にtime-out、φでフィニッシュとなっている(『クライマックスヒーローズ』で使用されたのはこちらのバージョン)。
尚先述した通り「強化クリムゾンスマッシュ」という名前にされる事も多いが、この技に至っては希に単なる「クリムゾンスマッシュ」という名前で記載される事があるので注意が必要である。
グランインパクト
初めて使用された必殺技。ファイズショットを装着し、刹那の間に敵に拳打をすれ違いざまに浴びせる。
第21話ではスコーピオンオルフェノクに腹部にヒットさせ、灰化させた。尚、ロブスターオルフェノクは腕でガード(それでも撤退を余儀無くされる程のダメージを負った)、ドルフィンオルフェノクは本来は悪意を持たないオルフェノクだったので普通のキックを浴びせられて手加減されているので灰化は免れた。
側から見ればファイズとすれ違った相手が突然倒れたようにしか見えない為、視聴者用にリプレイ演出が用意された。
PS2版では一気に加速して敵に肉薄、眼前で停止し、敵が狼狽えた瞬間左手ストレート→右手のファイズショットでアッパー→左手殴打→全力右手アッパーの両手を使ったラッシュで敵を浮かせ、海老反りで吹っ飛んだ相手の背部中央に右ストレート、少し経ってからφの紋章と同時にtime-out、スローだった敵が通常速度に戻り敵を地面に叩き伏せる技となっている。
スパークルカット
第32話でソードフィッシュオルフェノク戦で使用。加速と同時に突きを放って吹っ飛ばし、正面に回り込んで滅多斬りを浴びせた。
第48話ではライオトルーパー隊に使用。稲妻の軌道を描くようにすれ違いざまに切り裂いて倒した。現在の本記事メイン画像はこのシーンを描いたもの。
PS2版では接近しながら袈裟斬り→左切り上げ→袈裟斬り→逆袈裟→右切り上げ→薙ぎ払い→突き→逆袈裟斬りで切り抜け、time-outからのφのコンボとなっている。
テーマソング
The people with no name
『仮面ライダー555』の2ndエンディングテーマ。
専用曲ではなくアクセルフォーム以外のシーンでも使用されているが、使用時期がアクセルフォームの活躍時期と重なることも多かった。『クライマックスヒーローズ』での戦闘曲もこれ。
EGO ~eyes glazing over
『仮面ライダー555』の3rdエンディングテーマ。
前述のバットオルフェノク戦で使用され、連続アクセルクリムゾンスマッシュでトドメを刺すシーンまで流された。
派生作品での活躍
後作品においてはファイズ=スピード系ライダーとしてのイメージを一役買っており、中間フォームという立ち位置よりも、通常フォームの一機能として扱われることの方が多い(元々潜在的に備わっている機能を引き出したものなので、間違いでもないが)。その為、中間フォームの中では意外と出番が多い。
士「付き合ってやる……10秒間だけな!」
FORM RIDE…FAIZ! AXEL!
『仮面ライダーディケイド』の第16話ではクロックアップに対抗する為、門矢士が使用し、夢の高速ライダー対決が実現した。
この時のザビーとの激しい攻防中、攻撃を躱したり避けたりもしていた。
第27話でもスコーピオンイマジンとマンティスファンガイアのコンビに苦戦しているBLACKを助ける為に再び変身。その圧倒的な速度で翻弄し、普通の回し蹴りで同時に撃破した。
『仮面ライダーウィザード』第52話ではクロックアップするワームに対抗する為に変身。クリムゾンスマッシュでミュスカワームを葬った。尚、尺の都合からか、ミッションメモリーをファイズフォンに装填せず、ファイズアクセルを操作してから変身するという方法を取っている。
『仮面ライダー大戦』では乾巧本人が変身したファイズがタイガーロイド率いるコンバットロイド軍団を相手にこの姿になり、一度に複数繰り出したクリムゾンスマッシュでタイガーロイド達を瞬く間に全滅させる活躍を見せた。
『スーパーヒーロー大戦GP』でも引き続き巧本人が変身したファイズ・アクセルフォームが登場し、中盤で仮面ライダーマッハ、終盤で仮面ライダーカブト・ライダーフォーム(但し、歴史改変後のショッカーライダー)との高速対決が繰り広げられた。作中ではパーフェクトゼクターから放たれた光弾を撃ち落とす等、何気に凄い事をやってのけている。
『仮面ライダー4号』ではチーターカタツムリの粘液によって動きを封じ込められたマッハを助ける為に変身。アクセルクリムゾンスマッシュで倒す事は出来たものの、その前に放たれた光弾をあと一歩のところで防ぐ事は出来なかった。
その後も漫画版『オールライダー対大ショッカー』や『仮面ライダーウィザード』の特別編、『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』等でカブトとの超高速コンビを組んで敵と戦っている。
次世代ライダー版
Vシネクエスト『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』に登場する次世代の仮面ライダー(ネクストファイズ、ネクストカイザ)が、それぞれのスマホ型デバイス画面から「アクセルフォームアプリ」をタップする事で変身する形態。
フォームチェンジした際には、バイザーが180度回転して複眼が真紅に発光、胸のコンバーターが回転して内部機構回路が露出すると言ったシークエンスとなっている。
なおアクセルメモリーはデバイス内のアプリとして搭載されており、アクセルフォーム変身後に画面をタップすることでアクセルモードを始動、カウントダウンを開始する。
この状態だとフォトンストリームは虹色に変わり、さらに発動時は仮面ライダーを中心に一定の範囲が特殊なフィールドに包まれる。
ミューズもミューズフォンから使用可能とされるが、劇中では未使用。シークエンスなどの詳細も不明となっている。
他作品の高速ライダーとの相違点
クロックアップとの違い
クロックアップ:別の時間軸を移動する事によって周りから見ると高速で移動している様に見える(体感時間を引き延ばしている)。
つまりは「高速移動」でありながらも時間干渉でもある。
また、劇中の描写からファンの間では、加速スピードは数十倍~数百倍でしかも一定ではないのではないかと推測されている。
クロックアップもアクセルフォームと同じく装着者への負担が激しいらしく数秒で自動的にクロックオーバー(強制終了)させられる為、連続使用は難しいと思われる
理論上で考えると、他が減速している為に防御力は上がるが、自身の速度が上がってる訳ではない為、攻撃力はクロックアップしても変わらない。
アクセルフォーム:あくまで「速度」のみの向上で体感時間は通常時と変わらない…という説が有名だが、関連書籍では「装着者の意識がスーツにダイレクトにリンクし動作とのタイムラグが無くなる」という記述があり、意識も同時に加速する=体感時間も引き伸ばしていると解釈可能。
使用中は防御力以外の全能力が向上する。また、使用中はEnterボタンを押さなくとも必殺技が使用可能である。
アクセルトライアルとの違い
アクセルトライアル:スピード以外の防御力、攻撃力というものが全て下がっている。
加速速度についても生身の人間でも視認出来る程度で、正確な値は発表されていない。
また、マキシマムドライブは10秒間という制限時間が設けられているが、発動時以外では特に制限時間に関しては劇中では言及されていない。マキシマムドライブを使わずとも高速移動が可能。
自動的に止まるアクセルフォームに対し、トライアルのマキシマムドライブは10秒以内に手動で止めないと変身解除された上大ダメージを受けてしまう。
この為、厳密には最大9.9秒までしか戦えず(初披露時は9.8秒)、使用する為には「10秒の壁」を破る特殊な訓練が必要となった。
アクセルフォーム:胸部を解放している分装甲が薄くなる為、恐らく防御力は多少落ちるだろうが、攻撃力は上昇している。そして明確な制限時間が存在している。
アイドリング時にファイズアクセルのスタータースイッチを起動する事で高速移動が出来る。
制限時間が過ぎたら自動的に通常フォームに戻るのでぶっつけ本番でも安全で、巧は10秒ギリギリまで使って勝負を決める事が多い(一応爆発する危険性だけは示唆されている)。
ちなみに「名前にアクセルと入る」「デジタル数字が表記されるアイテムを用いる」「制限時間が存在する」と共通点が存在する。
タイプフォーミュラとの違い
タイプフォーミュラ:攻撃力が(恐らく防御力も)上昇している。
最大加速速度はアクセルフォームには劣る(それでもジェット機並みの速度)。
また、トレーラー砲を用いない必殺技の使用時や長時間の加速は加圧による変身者への負担が掛かる描写がある。超重加速に関しては他作品のライダーが対応可能かどうかは不明。
アクセルフォーム:恐らく防御力は下がるが、攻撃力は上昇している。
加速時の加圧による負担は不明だが、必殺技発動時の負担については特にない様子。超重加速に対応可能かどうかは描写が無い為、不明。
レジェンドアイテム
後年の仮面ライダー作品やその商品展開において登場した、アクセルフォームをモチーフとしたアイテムやフォームなど。
- ディケイドファイズ・アクセルフォーム
『仮面ライダーディケイド』に登場した、ディケイドがアクセルフォームにカメンライドした形態。
『仮面ライダージオウ』のライドウォッチの一つで、最終話で一瞬だけ登場した。
『仮面ライダージオウ』に登場する、ジオウ・ディケイドアーマーがディケイドライドウォッチにファイズライドウォッチを装填してフォームチェンジした形態で劇中未登場。
『仮面ライダーリバイス』のバイスタンプの一つで劇中未登場。
余談
歴代でも珍しい、スーツの完全変化ではなくメカニカルな変形でフォームチェンジが表現されているフォームである。のちに『仮面ライダーカブト』におけるマスクドライダーシステム(カブトからガタックまで)がこれに続いた。
上記の様なピーキーな超高速能力、胸部アーマーが変形・展開するメカニカルなフォームチェンジというロマン、そして黒と白(銀)色のカラーリングに赤い複眼という秀逸なデザインから555系ライダーの中でもトップクラスの人気を誇る。
演出も洗練されており、巧が使用した際には敵のオルフェノクを一方的に翻弄し、10秒しかタイムリミットがないにも拘らず余裕綽々で不要な停止を行いつつ手首のスナップを鳴らせて一息ついていたなんて事も。それ以外にも必殺技のアクセルクリムゾンスマッシュで心奪われた人は大勢いると思われる。
因みに、乾巧役を演じた半田健人氏もファイズの中でお気に入りのフォームとして挙げている。
そんな人気の高さも相まって、『仮面ライダージオウ』放送時に開催されたライドウォッチ商品化ランキングでも堂々の入賞。後にプレミアムバンダイでDXライドウォッチセットの一つとして発売された他、ディケイドアーマーのファイナルフォームタイム形態の一つとしてファイズフォームがデザインされただけでなく、装動にて立体化もなされた。
ライダー最速の名を欲しいままにしていたが、『仮面ライダーセイバー』の仮面ライダー最光 金の武器 銀の武器に約5倍の差を付けられ遂に抜かされた。
もっとも、彼は令和のサブライダーなので平成ライダー及び主役ライダーとしてはぶっちぎりのトップではあるが。
石ノ森章太郎原作の漫画『サイボーグ009』の主人公である島村ジョーは加速装置を搭載したサイボーグで常人を遥かに超えたスピードで移動できる。『カブト』のクロックアップ同様にアクセルフォームもこの加速装置の演出をオマージュしたものではないかという指摘もある。
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