「人間じゃないってのも、いいもんさ」
演:速水亮
概要
仮面ライダーXに変身する青年。七つの海を旅することを夢見ている。
沖縄県の水産大学に通っており、大学の休みを利用して半年ぶりに東京に帰郷。父親である神啓太郎博士とともにGOD機関による襲撃を受け、一度は命を落としてしまう。しかし、瀕死の重傷を負いながら最期の力を振り絞った父による改造手術によって、海底1万メートルの水圧に耐えられる強さを持つ深海開発用改造人間カイゾーグとして蘇った。
父の死や恋人である水城涼子の裏切りに遭いながらも、世界の平和を守るため、XライダーとしてGOD機関と戦った。
序盤は超人じみた身体能力により周りから化け物扱いされ、改造されたことをとても悔やんでいた。そのため、敬介は自分を改造した父親の啓太郎の意思を移した巨大コンピュータに泣きすがりつくが、そんな息子を一人前にするために啓太郎はわざと敬介を突き放し、自爆し果てた。それを見て敬介は、正義のために戦うことを決心する。
実はGOD機関への潜入捜査官であった涼子の死、立花藤兵衛や多くの仲間との出会い、宿敵アポロガイストとの熾烈な死闘、歴代仮面ライダーとの共闘、迫りくるGOD機関との戦いなど幾多の試練を乗り越え、敬介は一人前の戦士に育っていった。
改造前の時点でネプチューンが彼を始末するために吐き出した溶解泡から逃げきるだけの遊泳力と空手や柔道、剣道で身に付けた戦闘力を有している。まさに深海開発用改造人間の素体としてはうってつけだったと言えるだろう。さらに藤兵衛と知り合ってからはバイクの卓越した操縦技術を身に付け、「本郷たちを超えうるかもしれない」と評されている辺り、多才な人物であることが窺える。そのどれもがXライダーとの戦いで活かされているものばかりなので、彼をここまで育て上げた啓太郎博士はさすがだと言える。ただし、ライドルは剣道というよりも棒術やフェンシングに戦闘スタイルが近かったりするのだが。
すべてが終わった後は正義のため、新たなる悪との戦いを求めて彼は旅へ出るのだった。このとき残した置き手紙で名前が啓介となっており、S.I.C.ヒーローサーガで本来はこちらが本名であったが父親からの自立のために名前を敬介としたと説明されている。
後に、『仮面ライダーストロンガー』や『スカイライダー』で客演しており、後輩のライダーたちに立派に成長した姿を見せた。後者では、学生時代に魔神峠付近の村に住む親子の家に身を寄せていた過去を明かした。
容姿
前半は平成ライダーの如きサラッとした少し長い短髪の黒髪が特徴。
服は初登場時の学ランやブレザーや、ジャケットなどいろいろ。
後半は髪型がパーマになっている。
マーキュリー回路を埋め込まれた後にパーマがかかったため、副作用「マーキュリーパーマ」と呼ばれている。
服も前半と違い、少しワイルドな服になった。
『ストロンガー』客演時は前半の容姿に戻っているが、『スカイライダー』客演時は後半の容姿に近い雰囲気になっている。
仮面ライダー大戦
「わかんなくなったら海を見ろ。海はいいぞ、すべてを受け止めてくれる」
海辺で園田真理を思わせる名前の少女マリ(演:三好杏依)の面倒を見ながら、町医者を営む(いつ医師免許を取得したかは不明)。
長い戦いの末に精神も老成していて、医者という職業柄ゆえに食堂での食事中に襲撃してきた暴漢でも怪我をしているのなら治療するだけでなく、彼に子供がいることを見抜いて"自分たち大人がするべきことは子供たちの未来を一番に守ること"だと諭した。
その際に、悩みを抱える余りバダンと戦う決意を固められずにいた乾巧に出会い、交流や仮面ライダー同士のぶつかり合いを経て、かつて自分も父親を失った経験から"いつまでも過去に囚われるよりも未来に向かって進み続けること"が大切だと説く。
その他
- 船乗り志望だった過去があるが、(カイゾーグの設定を含め)沖縄返還後の一大イベント『沖縄海洋国際博覧会』の開催を視野に入れていた設定となっている。
- 何気に出自が分かっている中で初の城南大学出身ではないライダーである(ライダーマンこと結城丈二は京都大学出身という説があるが、媒体によって設定が異なることもあるため、敬介を初とする)。
- 名字は神で敵組織の名前がGOD機関なので、実質『神vs神』という奇妙な構図になっている。彼の名前に『神敬』であるのに対して、GODが送り込む怪人に神様モチーフがいるのは何かの皮肉だろうか。
- 最終決戦の時に呪博士とサソリジェロニモJr.に「2人とも◯ねぇぇーっ!!」とヒーローらしからぬことを叫んでいた。
- 速水氏の妻は、涼子(と妹の霧子)を演じた美山尚子氏である。本作で共演したことが馴初め。
- 2014年3月公開の映画『仮面ライダー大戦』では34年ぶりに変身ポーズを披露した。メイキングにて演者の速水氏は「Xの頃は飛び降りてだのバイクにはねられてだの言われてたからねぇ、(待遇が)平成と昭和じゃ天国と地獄くらい違うから俺は現場に来て驚いたよ」と冗談めかして言っていた。
関連イラスト
関連タグ
JK(神宮海蔵):神敬介が名前の由来となっている、『仮面ライダーフォーゼ』の登場人物。
乾巧:Xライダーにどことなく似ている、仮面ライダーファイズの変身者。『仮面ライダー大戦』にて絡む。
名護啓介:名前が同じ平成一期第9作の登場人物で、変身するライダーの名前にも「X」が入る。
迅:名前が同じ令和ライダー第1作の登場人物で、変身するライダーもベルトから抜刀する共通点がある。
鋼鉄ジーグ:アニメの原作となった安田達矢版(テレマガ版)漫画では、冒頭で敵に撃たれて倒れたため、瀕死の父親に改造されたという展開になっている。コンピューター親父も恐ろしい根性主義者である。