概要
変身ヒーロー・ヒロインが変身によって常人を超えた強大な力を得るのであれば、敵方がそれを阻止しようと考えるのは当然の策である。
その具体的な方法としては、
・変身ポーズの途中を攻撃し、中断させる。
・変身システムの作動を阻害する。
・変身アイテムを奪う、あるいは破壊する。
といったことが挙げられる。
これが効果を発揮すれば、ヒーロー/ヒロインは変身不能の状態に陥り、ピンチに見舞われることになるため、その打開に奔走することを余儀なくされる。
戦いを有利に運ぶために敵側が仕掛けることがほとんどだが、稀に危険な戦いに巻き込まないために仲間側が変身を邪魔することもある。例として、『魔法少女まどか☆マギカ』で、鹿目まどかが魔法少女に変身しようとした美樹さやかのソウルジェムを奪って投げ捨てたケースが挙げられる。
「変身システムの作動を阻害する」パターンは、ウルトラシリーズで見られる「異空間にいる影響で作動しない」というパターンがわかりやすい。なお同シリーズでは「変身アイテムを奪う」パターンがある種の王道的展開となっている。
変身妨害対策
うち最初の「変身ポーズ中に攻撃する」は、しばしば「何故やらないのか?」と視聴者から突っ込まれる点で、ある人気漫画のキャラからも「やると分かっている明らかなパワーアップをなぜ黙って見てなきゃならない」と名言まで残してしまう程で、実際に変身を中断させている。しかし、こちらは変身ヒーロー/ヒロインではなく普通のバトル漫画であるため、相手は災害級になる程の非常に高い基礎戦闘力を有している(※)。他の人気バトル漫画にも「隙だらけだったからな。問題あるか?」と言い、魔女への変身を中断させた人物が存在するが、こちらもバトル漫画であるため、妨害された者の基礎戦闘力は一応それなりにある。そのため、いずれの漫画もこの記事にはあまり関連しない。そもそも基本的にバトル漫画に登場する実力者は修行や鍛錬で少しずつ強くなっていくため、偶然得た他の強大な力で強くなって戦うことを好まない上に、仮に戦闘のほとんど役に立たないような力の弱いアイテムだろうが力が強いため、使い方次第では強力な武器になるか、ただの飾りになってしまうかのどちらかになるだろう。
実際には、『仮面ライダーV3』を例にとってみれば、変身ポーズの最中にマシンガンを撃ち込んだマシンガンスネークだとか、直接対決時にポーズ中を執拗に攻撃してなかなか変身させなかったドクトルGなど、既遂者は少なからず存在する。にもかかわらず、「変身中は攻撃しない」のはお約束のように語られることも多い。
一部の文献には「戦闘の達人なので、敵に妨害されないで変身を完遂する機を見てとるのに長けている」などと説明されているものもある。また、「実際の変身が極めて短時間で完了するので、敵が妨害する隙が無い」とか、「変身の最中に発生するエネルギーが敵や攻撃を跳ね飛ばす」などで、敵が変身妨害できない理由を合理的に設けている作品も見られる。
(特に後者はその変身妨害対策すら打ち砕かれたことがあったため、視聴者の度肝を抜いた)
ちなみに、ヒロインものでは前者、近年のヒーローは後者の変身妨害対策が多い傾向にある。
尤も、近年のスーパーヒーロータイム作品では、俳優の生身アクションを撮りたいという身も蓋もない理由から、敵戦闘員を格闘技で倒しながら変身させるパターンが増えている。
※変身は運でパワーアップするようなトリッキー過ぎた方法をとるのではなく、修行中に本人の力で編み出して行っており、通常時では倒せない敵でないと使用することも全くない。
注意点
このタグが付けられたイラストは、どういうわけかR-18指定のものが異常に多い。これは変身ヒロインや魔法少女の変身を邪魔することで、その途中で見られるある姿を堪能しようという意図のもとで描かれたものが少なくないからであろう。検索には注意が必要である。
約束を破った人物の例
漫画
上記の通り、ルフィのギア4への変身を妨害し、名言まで残した。
上記の通り、「超」では魔女への変身を妨害し、妨害された者達は邪魔されたことで激怒した。
破面のジオ=ヴェガに対し行使。味方側が敵に対し変身妨害を行ったレアなケース。決着が着かない事にしびれを切らし、「虎牙迅風・大剣」形態となって一気にカタをつけようとするも、変身中に砕蜂の斬魄刀「雀蜂」によって体の前後から肺を2回貫かれ、「弐撃決殺」によって跡形もなく消滅してしまった。アニメでは変身自体は完了していたが、原作同様変身の隙に弐撃決殺を決められ、大剣形態を1ミリも披露することなく退場となった。無念。
マーレに潜入したエレンがラーラ・タイバーこと戦鎚の巨人に対し行使。変身途中の戦鎚に顔がひしゃげるまで何度も顔面パンチを叩き込むという、あろうことか主人公が敵に対し変身妨害を行った非常に稀有なケース。ただし不意の反撃を突かれたことで変身妨害は阻止され、戦鎚の変身は完了し失敗までには持ち込めなかった。
特撮
時間停止能力や洗脳能力の他、仮面ライダーの変身を途中で止めるメタ次元の能力を持つ。
おそらく日本史上最も古い変身妨害を行った宇宙人。
アニメ
デジタマから生まれたばかりの幼年期の段階から凄まじい食欲でインターネット上のデータを食い荒らし、それを止めようと電脳世界に駆けつけたアグモン・テントモンとケラモン(成長期)の姿で交戦。成熟期をすっ飛ばしてインフェルモン(完全体)に進化し、これに対抗しようと完全体への超進化を試みた2体を進化中に攻撃して撃破した。選ばれし子供達はさらにガブモン・パタモンを加えた4体で立ち向かうが、今度は究極体2体との戦闘中にディアボロモン(究極体)に進化し、進化中のパタモンを攻撃した。