前者の意味での『選ばれし子供たち』はデジタルワールドの歪みが大きくなりデジモンだけでは対処ができなくなった際に『デジタルワールドの安定を望むもの(小説版ではホメオスタシスでアドベンチャーシリーズのアニメ作品でもtri.以降は基本ホメオスタシスとして扱われている)』に選定・召喚されるが、毎回同じ子供が選ばれるわけではなく、その時代によって顔ぶれは異なる。

より狭義の意味で言えば1999年(『デジモンアドベンチャー』)の選ばれし子供たちと2002年(『デジモンアドベンチャー02』)の選ばれし子供たち、紋章を持つことになった面々のことであるケースが多い。

デジヴァイスと呼ばれる通信端末を所持しており、自分と繋がりを持つ特定のデジモンを進化させることができる。

ただし、02本編では選ばれし子供たちは39話の描写から恐らく200人以上おりこの選ばれることとは関係ない可能性(一応2002年時点まではデジモンが起こした事件との関りや接触の影響による選定と推測されている)がある。

また、劇場版作品ではパートナーデジモンがいてデジヴァイスを持ちながらデジタルワールドの危機とは全く関係ないどころか、そもそもデジタルワールドを知らない、訪れてすらいないケースがあった。

さらに02ビギニングではデジヴァイスなどの出自に関わっている可能性のあるデジモンや存在が明かされ、それもまたホメオスタシス由来ではないかと作中でも指摘されるが確定せず多くの疑問が残された。

また、及川にもパートナーデジモンがいた描写や02最終回で人々すべてにパートナーデジモンが存在している描写を見るとパートナーデジモンがいる=デジタルワールドを救うための『選ばれし子供たち』という図式も厳密には成り立たないと思われる。

そうは言っても作中ではこの辺りの指摘は特になく、マイケルを始めとした02本編に出てきたパートナーデジモンを持つ子供たちや02ビギニングのルイは作中キャラからも『選ばれし子供』と呼ばれ関連書籍等でも区別はされていないようだ。

『デジモンアドベンチャー』シリーズもしくはリメイクやゲスト出演のような関連作で扱われる概念であり、特にデジモン作品共通のものではない(元々デジモンシリーズは作品をまたぐ共通設定はない)。

そのため、歴代テイマーを指しての使用はあてはならないこともあり「選ばれていない」ケースや「子供ではない」パターンも多々存在する。

例えばセイバーズの場合は大人でもパートナーデジモンが存在する＆デジタルワールドに選ばれたわけではなく人間の組織が人為的にメンバーを選抜しデジヴァイスを渡しているためにその枠組みが意味をなさないからである。

一方、『選ばれし子供たち』の「選ばれた」という部分は後のデジモンシリーズ内に影響を与えている様子はうかがえる。

小中千昭が自身のHPで公開している『テイマーズ』の構成案では子供が選ばれたのではなく自分でデジモンを求めている、自らの意思で選ぶ趣旨の記述が見られ、『デジモンストーリーサイバースルゥースハッカーズメモリー』のインタビューにおいて羽生和正は前作主人公を選ばれし者としたうえで本作の主人公を選ばれなかった人とも表現している。

また、『デジモンユニバースアプリモンスターズ』はアプリドライヴについて選ばれし人間が扱えるとしており、終盤において「選ばれし子供たち」と主人公らが呼ばれるシーンがありこうしたオマージュとして扱っている例もある。