概要
CV:宮原永海
劇場版アニメ『デジモンアドベンチャー02 前編・デジモンハリケーン上陸!! / 後編・超絶進化!!黄金のデジメンタル』に登場したメインゲストキャラクター。
映画の内容自体がパラレル設定を含んでいるところもあり、異例づくしの設定を持ち、選ばれし子供という括りには当てはまらないという描写も見られる。
年齢は本編では判然としなかったが、大輔達と同い年の小学5年生で、持っているデジヴァイスは八神太一らと同じ前世代のもの。
本編での活躍
サマーメモリーでの思い出
アメリカ合衆国のコロラド州に存在するサマーメモリー(架空の町)に生まれたウォレス。
彼の母親はインターネット通販にハマっており、彼女のパソコンからデジタマが現れ、そこから二体の双子のデジモングミモンとチョコモンが生まれてきた。
ウォレスは母親に秘密にした状態でこの二体のデジモンたちを育て、彼らと共に幸せな幼少期を過ごしてきた。
しかし七年前、丁度太一たち選ばれし子供たちが選定される原因となった光が丘にデジモンが迷い込んだ事件の余波が生じたためか花畑で一緒に遊んでいたチョコモンが行方不明となってしまう。
ニューヨークへの引っ越し
チョコモンとの別れを悲しみ、一日たりともチョコモンのことを忘れなかったウォレスはサマーメモリーからニューヨークへと引っ越すことになった。
成長したウォレスは少しませた性格で、作中でも京をいきなり口説いたり、別れ際に京とヒカリにさよならのキスをするなどフェミニストとなった。
また、かつて日本人のガールフレンドがいたことがあり、彼女のために日本語を勉強したため日本語が堪能(中の人もアメリカンスクールに通っていたトライリンガルである)。
父親の描写がまったくなく恐らく女手一つで自分を育てたであろう母親には弱く、作中彼女に連絡すると言い訳に時間がかかっていつも長電話になるため、グミモン(テリアモン)に愚痴られている。
一方で年相応の気難しさも持ちあわせており、グミモン(テリアモン)の扱いはややぞんざいではあるがグミモン(テリアモン)はウォレスのことをドジだと認識している。
また作中でウォレスが母親あてに電話した際、留守中の彼女の代わりにエイミーという人物が電話に出ており、ウォレスの女姉妹などの家族などの可能性がある。
チョコモンとの再会
ウォレスはニューヨークにてウェンディモンとなったチョコモンと再会するが、ウォレスがチョコモンと離れ離れになった時から成長してしまったため、チョコモン(ウェンディモン)はそれを受け入れることが出来ず、戦うことになってしまう。
ウォレスは戦いを避けようとするもグミモン(テリアモン)はウォレスを本気で襲い掛かってきた双子のきょうだいからウォレスを護るために戦い、チョコモン(ウェンディモン)が逃げ去るとウォレスはチョコモンと再会するために思い出の地、サマーメモリーへと向かうことを決意する。
一方、その戦闘場面は丁度ニューヨークへと遊びに来ていた高石タケルと八神ヒカリに目撃されてしまう。
ちょうどチョコモン(ウェンディモン)は自分の知る子供のウォレスを探し出すために旧型のデジヴァイスを持つ選ばれし子供を捕え始めており、タケルとヒカリの目の前で太刀川ミミも消えたことから二人は手がかりを得るためにウォレスの追跡を決め、ウォレスが向かったサマーメモリーへと向かい、応援要員として本宮大輔、井ノ上京、火田伊織もサマーメモリーへと向かう。
大輔たちとの出会い
ウォレスはインディアナまでは列車でサマーメモリーへと向かったものの、母親への言い訳の電話のために途中下車してしまい、以降はヒッチハイクで乗り継いでサマーメモリーを目指していた。
一方、マイレージを使ってアメリカのサンフランシスコへとやってきた大輔達もまた同じくヒッチハイクで目的地に向かう途中でのせてもらった車の中でウォレスとグミモン(テリアモン)と出会う。
サイスダコタにて下ろされた一同、ウォレスはチョコモン(ウェンディモン)が旧型のデジヴァイスを持つ子供を誘拐していたことを初めて知りショックを受ける。
ウォレスから太一たちを誘拐したデジモンの話を聞き出そうと躍起になる余りに大輔はヒッチハイクの車に乗り込むのが遅れてしまい、ウォレスは大輔一人を残す訳にもいかずに大輔とそれぞれのパートナーデジモンたちと共にサマーメモリーへと向かうことになる。
チョコモンの二度目の襲来
途中ウォレスたちの元にチョコモン(ウェンディモン)が現れ、大輔はブイモンをフレイドラモンへと進化させて応戦する中、ウォレスは懸命にチョコモン(ウェンディモン)に自分がウォレスだと語り掛けるも失敗に終わる。
ウォレスに襲い掛かろうとするチョコモン(ウェンディモン)に対しグミモン(テリアモン)はガルゴモンへと進化し応戦する。
負傷し、その場から消えようとするチョコモン(ウェンディモン)に向かいウォレスはサマーメモリーの思い出の花畑で待っていると呼びかけた。
戦闘の結果、人気のない道路が穴だらけになり、車が通らなくなってしまったため大輔はブイモンをライドラモンへと進化させ、ウォレスとグミモンは大輔と共にライドラモンの背に乗ってサマーメモリーへと向かうことになった。
思い出の花畑へ
大輔達にチョコモンとの関係を追及されても中々言い出せずにいたが、夜に一人で花畑へと向かおうとするところを止めに入った大輔にチョコモンがグミモンと双子のデジモンであり自分のもう一体のパートナーであることを告げた。
大輔は太一たちを救出するためにウォレスのパートナーデジモンを倒さねばならないかもしれないことに涙するが、ウォレスは思い出の花畑で再会できればかつてのチョコモンへともどるかもしれないと希望を抱いており、大輔はその希望に同調し、そして一人で抱え込まないようにと忠告する。
またウォレスは仲の良い双子であったグミモン(テリアモン)とチョコモンと戦わせないためにグミモン(テリアモン)を置いて行こうとしたが、ウォレスと一緒に行きたいというグミモン(テリアモン)と共に花畑へ向かう決意を固める。
大輔達と共に花畑へと向かったウォレスの前にチョコモン(ウェンディモン)は現れ、ようやくウォレスが自分が探し求めていたパートナーであることを認めた。
ウォレスは帰って一緒にまた暮らそうと呼びかけるが、チョコモン(ウェンディモン)は幼少の頃に帰ることを望むがウォレスは幼少期には戻れないと告げる。
ここからやり直そうと呼びかけるもののチョコモン(ウェンディモン)は暴走しアンティラモンへと進化し、ウォレスは戦うことを決意し、大輔達に共に戦うよう願う。
黄金のデジメンタル
ケルビモン(悪)にまで進化したチョコモンだが、ヒカリいわくケルビモンの中にはもはやチョコモンはなく、無しか感じない存在となり果ててしまう。
ケルビモンは大輔達のデジモンたちを退化させ甚振っていたところをタケルとヒカリのエンジェモンとエンジェウーモンが現れる。
しかし、ケルビモンは世界を作り替え大輔達をどんどん幼くさせていく中、エンジェモンとエンジェウーモンたちは究極体のセラフィモンとホーリードラモンへと進化し、そして全エネルギーを持って奇跡のデジメンタルと運命のデジメンタルを大輔とウォレスへと送る。
奇跡のデジメンタルで大輔のブイモンはマグナモンに、ウォレスのグミモン(テリアモン)はラピッドモンへと進化しケルビモンを圧倒するも、ケルビモンは不意を突いて二体を飲み込んでしまう。
無の空間に取り込まれ、マグナモンとラピッドモンの記憶まで消えかける中、ケルビモンの中のチョコモン(ウェンディモン)は外で起きている子供たちとデジモンたちの絆を目の当たりにし、ウォレスとの絆を呼び起こす。
そして記憶を取り戻したマグナモンとラピッドモンの前に現れ、ケルビモンを倒すために核となっている自分を殺すように頼む。
二体はチョコモン(ウェンディモン)を倒すとチョコモン(ウェンディモン)は微笑み、ケルビモンは苦しみだし本来の善の姿、すなわちチョコモンとしての究極体の姿に戻りウォレスに微笑みかけながら消失する。
ラスト
ケルビモンを倒した後は、悲しみから意気消沈していたウォレスとグミモン(テリアモン)だったが大輔がいつか再会できるという言葉に希望を見出し、チョコモンとの再会を信じて旅を続けることを決意する。
大輔とはソリが合わなかったが、旅をするうちに打ち解けていくようになる。しかし別れ際に京とヒカリにキスをしたため、結局怒られてしまった。
ラストシーンでは見慣れたデジタマを発見したようなシーンがある他、エンディングの一枚絵ではテリアモンとロップモンを連れているものの、実際どういう結末を辿ったかははっきりとしない。
その点は鑑賞者の想像に任せるといったところだろう。
ちなみに一年後の後日談となるドラマCDでは再会出来ていない設定であるため、あのエンディングはより映画を見た人によって「想像上の未来」なのか「いつか来る未来」なのか変わると言える。
異例ずくめの選ばれし子供
劇場版のみにしか登場しないうえ、パラレルという設定上浮いた存在となってしまっていることから、知名度は少ない。
しかし物語の悲劇性やメッセージ性の強さから、当時の鑑賞者からは好意的な意味でも否定的な意味でも強い印象を残した。
他の選ばれし子供と異なる経緯、太一たちよりも早くに幼少期にデジタマを発見し、二体のデジモンをパートナーとしているという点からも既存のデジモンとパートナーの関係性など様々な要素に相違点があり、デジモンが進化すると名前が変わることも知らなかった。
そのため進化したテリアモンやウェンディモンはどちらも幼年期の名前で呼ばれ続ける。
またデジタルワールドにいったことはなく、その存在自体を知らなかった。
また二体のデジモンがパートナーという点に関して、ウォレスにはエイミーという姉ないし妹がいる可能性があり、デジモンテイマーズの李健良と小春兄妹の例にもある通り本来は片方がそのエイミーのパートナーであった可能性もいなめないが、デジヴァイスを持っているのがウォレスだけということからも二体で対の存在である双子のデジモン同士の強い結びつきゆえにパートナーが一人でも問題がない可能性もある。
『LAST EVOLUTION 絆』にもラストにワンシーンだけ登場。
グミモンとチョコモンと共に登場していたので、本編の世界線にも存在はしている模様である(本編の世界線でも似た出来事があったのであろうか。)
またLAST EVOLUTION 絆に登場するメノア・ベルッチもコロラド州出身であり、過去への郷愁、パートナーデジモンの喪失などの共通点がある。
その他
対応する紋章について
大輔たちと同様に紋章は持っていないが、対応する紋章があるとするならば、固有のデジメンタルとして『運命のデジメンタル』を入手しており、それに刻まれている『運命の紋章』が該当すると思われる。
『運命の紋章』はデジメンタルのマークとしての登場に終わり、単独のアイテムとしての運命の紋章は登場しなかったが、後年になってカプセルトイ『デジモンアドベンチャーメモリアルグッズ』からタグ付きで商品化されている。なお、カラーリングは黄金である(これらの点はデジメンタルのみが劇中に登場した『奇跡』と共通している)。
運命の紋章は系統では勇気から誠実までの精神特性に由来するものではなく、光や希望のようなそれ以外の特性が由来になっていると考えられる。残酷な運命と向き合った彼にはらしいデジメンタルだと言えるが…。
小ネタ
サマーメモリーを直訳すると『一夏の記憶』となる。夏に特別な意味が込められている『アドベンチャー』シリーズらしいネーミングだといえよう。
その他
格闘ゲーム『デジモンテイマーズ バトルスピリット Ver.1.5』ではロップモンがパートナーとなっており、究極体はケルビモン(悪)として扱われている。
これはジェンのパートナーとしてテリアモンが登場している為、被りを避けたかったのだと思われる。
関連イラスト
関連タグ
李健良 - 同じくテリアモンのパートナー。