概要
CV:森川智之
ヴァンデモンに取り憑かれて黒幕となった人物。火田伊織の父火田浩樹と親友で、一乗寺賢の父の同僚でもある。研究部署のテーマであったヒトゲノムの解析を利用して、アルケニモンとマミーモンを自らの遺伝子を基にして作り出した。一乗寺賢やアルケニモンとマミーモンを使ってデジタルワールド中にダークタワーを建てさせた。
幼い頃からデジタルワールドの存在に強い憧れを持ち、デジタルワールドに行ってみたいという欲望をヴァンデモンに付け込まれて取り憑かれてしまう。
子供達とデジモン達との意外な因縁、第一のネタバレ
彼は幼い頃より友達が浩樹くらいしかいなかった。しかし、浩樹と彼は八神ヒカリとまた異なる特殊な力を持ち、デジタルワールドとデジモンの存在を感じ取っていた。同時期にパートナーデジモンのピピモンと精神上ではあるが、出会っている。つまり、彼ら二人は八神太一達八人、西島大吾と姫川マキよりも早く選ばれし子供達となりえたのである。
浩樹の父主税は二人の将来を案じて、そうした夢を見ないように諭す。しかし、青年になっても二人はデジタルワールドとデジモンの存在を信じ続け、いつか共にデジタルワールドに行こうと誓っていた。
アルケニモンとマミーモンの原型サンプルも元々は浩樹に見せたくて作った物であり、事と次第によってはピピモンとは別にアルケニモンとマミーモンも二人のパートナーデジモンになっていたのである。
作中の悲劇が起こらなければ、下記のイラストのように共にデジタルワールドを冒険できたかもしれない。
デジタルワールドへの憧れから生じた悲劇、第二のネタバレ
しかし、三年前に浩樹が海外で殉職したのをきっかけに歯車が狂い出す。丁度その頃は太一達がヴァンデモンを倒し、同時にダークマスターズによって現実世界とデジタルワールドが異常接近したタイミングと重なっており、親友の死に悲嘆する彼もそれを目撃していた。目の前にありながらもデジタルワールドへいけない彼に霧……つまりデータの残滓となって生き延びていたヴァンデモンが「デジタルワールドへ連れて行ってやる」と唆し、その絶望に目をつけ宿主としていたのだった。
以後、ヴァンデモンからダークタワーや暗黒の種に関する知識を得ると共に賢をデジモンカイザーに変貌させてイービルリングの情報を与える等、デジタルワールドへ自分の足で行くために暗躍する。
当初はダークタワーでデジタルワールドの環境を狂わせ、大人の自分が行けるようにする予定だったが、本宮大輔の活躍で失敗し、現実世界にダークタワーを建てる計画も世界中の選ばれし子供たちの活躍で失敗する。
そこで、今度はデジタルワールドでバリアの役割を果たす暗黒の種で行こうとする。デーモンの介入などのイレギュラーはあったものの、いざ暗黒の種を植えた子供たちと共に念願のデジタルワールドへ行こうとしたが、及川がヴァンデモンにとりつかれていることに気づいたブラックウォーグレイモンが光が丘のゲートを封印したために全く違う世界へ出てしまい、そこで一連の出来事がヴァンデモンによるもので、暗黒の種はヴァンデモンのエネルギー源に過ぎず、自分が最初から利用されていたことを知る。
しかし、気づいた時には既に遅く、ヴァンデモンは用済みになった及川の身体を出て、暗黒の種の力でベリアルヴァンデモンに進化、同じく用済みになったアルケニモンとマミーモンを始末するが、またも選ばれし子供達に敗れ、今度こそ完全に消滅した。
最後のネタバレ
及川は肉体の生命力の殆どをヴァンデモンに吸い尽くされ、命も殆ど残っていなかった。異世界越しにピピモンと出会いながら、及川は浩樹と共に行こうと誓った憧れのデジタルワールドの荒廃した姿を元に戻すことを決意する。
異世界の想いを具現化する力で及川は残った命の全てをデジタルワールドの回復に費やし、親友の息子の伊織に側で看取られながら安らかな表情でデジタルワールドのエネルギーとなり、選ばれし子供達に見送られた。
火田親子との深い繋がり
賢と同じく、現実世界とデジタルワールドの両方で罪を犯しながらも全てが幼い頃に夢見た世界へ行きたいという子供の頃の夢を実現しようとしただけであったという事実は揺るがない。
火田伊織
それまで警官の父を持つ経緯と性格もあり、大輔のジョグレス進化パートナーであることさえ認めようとせずに十一人の中で賢のことを受け入れるのに最も時間がかかった伊織にとって彼は「警官である父の親友であり、共にデジモンの存在を信じていた人」という単純な悪人以上の大きな影響を与えた。
後に大人になった伊織が弁護士になった事実からも、賢と及川は伊織にとって他者を深く見つめるきっかけを与えることとなったといえる。
及川自身も伊織が浩樹の息子と知った途端にアルケニモンとマミーモンを下がらせ、また浩樹と面影を重ねていた。
火田浩樹
幼馴染みで、デジモンの存在を感じ取って共にデジタルワールドへ行こうと誓った親友。
デジタルワールドの研究も行っていた模様で、アルケニモンとマミーモンのサンプルも見せる予定だった。
しかし、それを待たずに浩樹は殉職。及川は彼の墓前で自作のデジモンのサンプルを見せ、以後も時たまそれを持って彼の墓前を訪れていた。
最悪のタイミングで最悪のデジモンに目をつけられたのが三年後の戦いの引き金となってしまう。
火田主税
幼い頃は面識があり、浩樹と共にデジタルワールドという夢を捨てろと諭されたことがある。
しかし、二人が大人になってもその夢は抱き続けていたことは気づいており、浩樹達が人には見えない何かが見えていたことには気づいていた。
後にアルマジモンと出会い、デジタルワールドの存在を確信する。
しばらく忘れていた及川の名前を孫から聞くことで一連の事件に息子の親友が関わっていたことを知り、「浩樹のことを語る友達になろう」と説得する。
実際に彼の説得は効果があったたのだが、ヴァンデモンがより強力な支配をかけてかなわなかった。
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