概要
『デジモンペンデュラム』にて初登場した進化システム。
デジモンシリーズにおける進化の形の一つ。
広義では、「複数体のデジモンの相互干渉による進化」を指す。語源は「ジョイント(合体)+プログレス(進化)」から。
狭義では、「同じ世代の2体のデジモンが合体し、一段上の世代へと進化すること」を表す。アニメシリーズ二作目『デジモンアドベンチャー02』ではジョグレス進化が大きく取り上げられており、当作でのジョグレスはこちらの意味で使われている。
『02』では、合体後は精神も統一される(その上でアニメ版では合体元のCVが個別に話したり、同時に発声する仕様である)ほか、上記の語源も泉光子郎の考察という形で明言されている。
ただし後述するように、狭義の意味に含まれないジョグレスも多数存在する。
バンダイのモンモンメモでは「レベルの変化がない場合は合体だがデジモンペンデュラムでジョグレスで統一されていたのでジョグレス」、デジモンウェブのデジモンプロファイルでは「2体の究極体が合体し1体の新たな究極体になること、レベルが異なる2体が合体することも「ジョグレス」と呼ぶ。そして特定のデジモン同士がジョグレスし、レベルが上がることを「ジョグレス進化」と呼ぶ。」(※)と紹介されている。
カオスモンの記事にもあるように、合体元のデジモン同士のデジコアが完全に融合し、新たなデジモンに生まれ変わる。ジョグレス進化後のデジモンからしか進化できないデジモンも存在する。
ジョグレス体(オメガモン)が更に他のデジモン(インペリアルドラモン)と融合する場合もまた、「ジョグレス進化」として扱われる(合体元のデジモンが融合するという条件を満たしているため)。
合体の際は「デジモン同士の信頼度」が重要な要素となる。テイマーがいる場合は、テイマー同士の関係も密接にかかわってくる。『デジモンクロスウォーズ』におけるデジクロスと類似点が多いが、別物である(後述)。
その他のジョグレス進化
基本的な設定としては上記の通りだが、これらの意味に含まれないジョグレス進化も数多く存在する。
特殊なジョグレス進化の例
- 合体しない
そもそも、ジョグレスの初出である育成ギアのペンデュラムシリーズでは、それぞれのギア内のデジモンに対し個別に作用するものであり、それぞれ別個体のままだった。
合体してしまった場合、片方のギアからはデジモンが消失することになってしまうので当然と言えば当然の処置である。
その後も育成ギアシリーズでは、基本的にお互いが個別に変化することが多い。ただし復刻版のギアでは一台で複数体のデジモンを管理できるようになったことに伴い、合体するタイプのジョグレスもある。
- 世代が変わらない
「ジョグレス進化」という名目でありながら、進化後も世代が変わらないデジモンも多い。特に最終世代である究極体で顕著。
有名なオメガモンも、合体元のウォーグレイモン・メタルガルルモンの時点で既に究極体なので、ジョグレス後も世代は究極体のまま。※
狭義での設定を採用しているアニメ版では、これを踏まえてかクロスウォーズでの登場時には、テントモンから「オメガモンはただの合体」と説明されている。
- 世代が下がる
『デジモンワールド2』では、デジモン2体を合体させ、その組み合わせに応じた一段階下のレベルのデジモンに変化させてレベル上限等を上げるシステム。ドラゴンクエストモンスターズシリーズの配合に近いが、システム的にジョグレス退化になってしまっている。
- 異なる世代による合体
究極体のミレニアモンは、同じく究極体のムゲンドラモンと、一段階下である完全体のキメラモンがジョグレスしたデジモン。
この場合、上記のモンモンメモやデジモンプロファイルの設定に則れば、ムゲンドラモンとキメラモンの合体は、「ジョグレスであり、ジョグレス進化である」ということに……。
- デジモンが変化しない
一部の育成ギアやゲーム作品では、特定の条件を満たした場合のみ違うデジモンになり、それ以外の場合はどちらかの姿のままというパターンもある。
この場合でも、変化しない方のデジモンのステータスにもう一方のデジモンのステータスが加算され、強化には繋がることが多い。
- 3体以上のデジモンによるジョグレス
キメラモンやアルティメットカオスモンなど、3体以上のデジモンが合体したデジモンも存在する。公式設定ではジョグレスではなくただの融合や合体として扱われている事が多いが、デジモンカードゲームやゲーム作品などでは、条件さえ合えば複数体のデジモンをジョグレスさせることができる。
本来の意味から外れた特殊なジョグレスは数多いが、これは一部のデジモンしかジョグレスしないアニメ作品とは違い、育成ギアやゲーム作品などでは汎用的な進化・強化手段の一つでしかないことが原因。
以下のジョグレス体のようなジョグレス元の特性を強く受け継ぐデジモンが誕生するとは限らず、通常進化がデフォルトのデジモンに進化する事だってありうるし、設定を無視した組み合わせも多い(例えばエンジェモンとデビモンの組み合わせでルーチェモンFMといった明らかに見た目だけで選んでるだろというパターンや、アロモンとライズグレイモンでインペリアルドラモンといった本来の合体元を明らかに無視してるパターンもザラにある)。
カードゲームでは明らかに通常進化で進化できるような種がジョグレス進化で誕生するというケースも往往にしてある。
(※)オメガモンをはじめとする究極体同士のジョグレス体において、「超究極体」という呼称が使われることが多いが、これはあくまでも究極体の中でも強い奴という意味合いで、公式設定としては世代は「究極体」のまま。(参考元)
ジョグレスに似た合体
同じような形式だが、ジョグレス及びジョグレス進化としては扱われないケースも存在する。
- 『デジモンフロンティア』から登場した合体では同族性のヒューマン/ビーストスピリットを掛け合わせた進化は『ダブルスピリットエボリューション』、特定の属性(火/光)のスピリットを中心に4属性のスピリットを掛け合わせた進化は『ハイパースピリットエボリューション』、全てのスピリットを合わせた進化は『エンシェントスピリットエボリューション』と呼ばれる。ただし、こちらはあくまでも必要となるのはスピリットエボリューションで進化したデジモン(アグニモンやヴリトラモン)ではなく、その元となるスピリットである。
- 『デジモンクロスウォーズ』で新たに登場した形態は全てデジクロスという合体方式によって変化したものであるが、公式的にはこれも進化として扱っている模様(世代が変わらず、実質的に単なる武装やフォームチェンジのような扱いになっているものもある)。
意識はジョグレスとは異なり、基本的には基点となっているデジモンが中心だが、素材となったデジモン達は別個で意識を持っている扱いのようだ。
作品において
デジモンアドベンチャー02
D-3を持つ6人の選ばれし子供達が獲得した進化手段。
前作にて紋章が失われた事で単体での超進化が制限されていた事もあり、パートナーを完全体に進化させる貴重な手段となった。
後にテイルモンが物語開始前に無くした「ホーリーリング」をエネルギー源にしていたことが明かされ、リングはテイルモンに返却された。
これによりジョグレス進化は使用不能になった…とされているが、劇場版ではアーマゲモンを倒すために再びジョグレス進化の力が使われている。
02での合体時はアドベンチャーシリーズの挿入歌でお馴染みの宮崎歩氏が歌う『Beat Hit!』が挿入歌として流れる。
主な流れとしてはイントロの「デーン!デデン!」という音と共に色が変化したD-3(大輔と賢の物は青と緑、京とヒカリは赤と白、タケルと伊織は黄色と白)からデータの束が伸びてスパーク、オーラ状に変化した二体のデジモンが合わさって進化完了となる。なお、パイルドラモンのみフルCGとなっており、進化完了時にドラムの連打と共にデスペラードブラスターを乱射するのが特徴。
ちなみにヒカリの想像でのみエクスブイモン+テイルモン、エクスブイモン+エンジェモン、エクスブイモン+アンキロモン、エクスブイモン+アクィラモンの組み合わせが登場し、シルエットも描かれていたが、劇中で試される事は終ぞ来なかった。
『デジモンアドベンチャー20th メモリアルストーリー』ではピヨモンとパルモンがジョグレス進化を試みたが、失敗している。
ちなみに(インペリアルドラモンの物を含めた)この進化バンクは外部の人間視認できているらしく、『ディアボロモンの逆襲』では街中の大型ビジョンや子供達が視聴していたパソコンの画面にもはっきり写っている。
イラストでよくわかる進化バンク
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デジモンアドベンチャーVテイマー01
17話から登場した、デジヴァイス01を二基使用して行う合体進化。
その性質上デジヴァイス01を一基しか持たない(=ジョグレス相手がいない)タイチとゼロには使えず、敵テイマーであるネオ等が使用する。
手軽に完全体以上のデジモンを繰り出せるという事もさることながら、ネオは「(ジョグレスを含む)進化を行うとHPが回復する」というデジタルワールドの仕組みを利用し、合体前の2体で戦闘して相手の体力を消耗させてからジョグレスして回復、戦闘続行するといった搦め手も披露した。
さらには「パーティション」でジョグレス前のデジモンに分裂する事もでき、分裂と合体を繰り返す事で何度もHP回復を行う「無限ジョグレス」でタイチとゼロを苦しめた。
しかし「合体するとHPが回復するが分裂時には回復しない」「分離のためにHPを一定量消費するので、HPが減りすぎていると分裂出来ない(この件からゼロたちとの戦闘で大ダメージを受けながら分裂できたオメガモンとそのオメガモンが分裂できないほどのダメージを与えたアルカディモンの規格外さがうかがえる)」「二体の中心の位置で合体する」といった弱点が無いわけではなく、そういった点を突くことでタイチ達はジョグレスデジモンを撃破している。
ゲーム作品において
進化の幅が広がるためか、頻繁に採用されるシステム。
しかしこれまでにも述べた通り、狭義でのジョグレスには当てはまらない合体や結果になることが多い。
『デジモンワールド3』ではフィールドに出ているデジモンを控えと交代させる時に選択出来る特殊攻撃。ジョグレス可能な組み合わせで交代しなければいけない。
基本的には後に手に入る進化形の先行登場だが、アグニモン等ジョグレス限定のデジモンもいる。
なお、進化バンクは『02』のオマージュであり、パイルドラモンの進化バンクのような下半身が霊体状になっているものではなく、シルフィーモンやシャッコウモンのような進化元に下半身があるタイプとなっている(背景文字は「デジモン」表記)。
デジモンストーリーシリーズではパイルドラモン等一部のデジモンへの進化条件に指定されている。片方のステータス条件を満たせば使用出来るが合体相手デジモンが完全に消えてしまい、退化させても戻ってこないのが難点。
『超クロスウォーズ』では進化の概念がないが、ジョグレスの概念は存在し、複数のデジモンを合成して強化を行う事を「ジョグレスアップ」という。なお、従来のジョグレス進化に当たるものはデジフュージョンと呼ばれるが、そもそも2体が原則のジョグレスとは異なり、デジクロスの一種なので3体以上が合体する事も。
代表的なジョグレスデジモン
※マトリックスエボリューション系列、スピリットエボリューション系列、デジクロス、アプ合体は載せないでください。
オメガモンシリーズ
成熟期
完全体
究極体(完全体同士のジョグレス)
究極体(完全体と究極体のジョグレス)
究極体(究極体同士のジョグレス)
曖昧なケース
※本来はウィルス種ではないので原種のパワーアップ版だが、『デジモンリアライズ』など彼らの合体である事が示唆されているメディアもある。
※ジョグレス進化以外での進化ルートもいくつか存在する。
※デジモンフロンティアやカードゲームではこの扱いである。
余談
pixivではフュージョンやミキシマックスのような2体のキャラクターが合体し、両者の特徴を受け継いだ姿に変化したイラストにも付けられるタグとなっている。