概要
ゲーム版「デジモンアドベンチャー アノードテイマー/カソードテイマー」で登場したウィルス種の究極体デジモンで、様々な機械型デジモンのパーツで構成されたムゲンドラモンと、同じく生物系デジモンの体の一部を合成したキメラモンの二体がジョグレス進化して生まれた究極の合成型デジモン。
一時世間を沸かせた「ミレニアム問題」を由来とする名を持ち、登場以降四作品にわたって主人公秋山遼と敵対し続けた。
全体的なフォルムは融合元となったキメラモンと似ているが、身体はほとんどが黒に変色しており4本の腕も全てがデビモンのような黒い生物的なものに変異している他、モノクロモンの尻尾もこの形態では消失している。さらにグレイモンだった顔から胴体も変色と完全に融合した4本の腕の影響でほとんど面影を失くし常に大きく口を開けながら異様に伸びた下を垂れ下げている。またエアドラモンだった髪も青く変色し、カブテリモンだった頭部も2対の角を除いては歪に変形しこちらもだいぶ面影を失くしている。
最大の特徴は、背部に覆いかぶさるように融合している黄色いオーラ状に変異したムゲンドラモンであり下半身は消失し代わりに触手のようなものがキメラモンの両足と絡み合うように一体化している他、キメラモンの頭部の上を覆うように下顎が無くなったムゲンドラモンの頭部がある。
唯一、背中の∞(ムゲン)キャノンだけがかつての形状のまま両者と接続されており、総じてキメラモンとムゲンドラモンが互いに禍々しく狂気的に融合したデザインと言えよう。
倒すことのできない最凶のデジモンとされるが、その在り得ないはずの誕生の原因を突き止めることが、ミレニアモンを攻略する手掛かりになるという。
また、漫画版クロスウォーズにも登場している。
強大な力を持ち、しかもテイマーズに登場したオリジナルは狡猾な知恵者ですらあった。
必殺技は「タイムアンリミテッド」。時間を圧縮して異次元空間を作り出し、対象を幽閉する。
活躍
デジモンアドベンチャー
アノードテイマー/カソードテイマー
デジモンアドベンチャーからの生き残りであるムゲンドラモンとキメラモンが融合して誕生。デビモン・エテモン・ヴァンデモン・ピエモンを復活させ、さらに選ばれし子供たちとそのパートナーデジモンを幽閉してしまう。しかし、逃げ延びたアグモンが呼び寄せたリョウによって子供たちを次々と解放され、敗北する。
タッグテイマーズ
ディアボロモンを利用して太一とリョウをおびき寄せ、さらにデジタルワールドを分割。リョウと太一(手違いで一乗寺賢)の団結を阻み、さらにムーン=ミレニアモンとなってまで倒そうとするも、それぞれの世界で敗北。しかし死に際に賢に暗黒の種を植え付ける。
暗黒の種を植え付けられた賢は後にデジモンカイザーとなっている。この所業の為、ミレニアモンもベリアルヴァンデモンと同様にデジモンアドベンチャー02における全ての元凶の一人と言える。
ディーワンテイマーズ
前作で倒されたはずが復活。再侵略を画策するも、四聖獣とゲンナイに察知され、鍛えられたリョウに再び敗れる。
しかし最期に、自らがリョウと同一の存在であり、彼が生きる限り己もまた存在し続けるのだと語り、リョウを巻き込んで自爆。
デジモンアドベンチャー02
賢の回想にて登場。殆どの設定はタッグテイマーズと変わらないが、賢と遼のタッグで倒されてしまう。死に際に遼に暗黒の種を放つが、賢が彼を庇って暗黒の種を植え付けられてしまい、それがきっかけで賢は及川に利用されて、デジモンカイザーになってしまう。
デジモンテイマーズ
ブレイブテイマー
ズィードミレニアモンとなって未来世界で復活し、過去に刺客を送り侵略を画策。過去より追いかけてきたリョウと再び相見える。
リョウへの復讐心が力を増幅し、倒すことはできず、そして倒れる度により強力になって復活すると語る。
即ち、ミレニアモンの復讐心が消えた時こそが暴虐が止まるのである。
その唯一の弱点を突くべく、リョウのパートナーのモノドラモンがミレニアモンとのジョグレスを敢行、自身のリョウへの思いでミレニアモンの復讐心を相殺し、ミレニアモンは新たなデジモンとして生まれ変わる。
こうして、リョウとミレニアモンの長きに渡る戦いに終止符が打たれたのである。
ミレニアモンを倒した際の経緯から、同作ではクリア後の隠し要素としてパートナーのモノドラモンをズィード=ミレニアモンに進化させることが可能になっている。
デジモンクロスウォーズ(漫画)
第十話で登場。天野ネネの奇策により当初の計画を狂わされたダークナイトモンが、再起のため流浪を図る際にタイキとキリハを抹殺すべく、居城に封印していた大量のデジモンを強制デジクロスさせて生み出した。
ダークナイトモン曰く、「古のデジタルワールドを暴虐のもとに支配したと伝えられる千年魔獣の再来」。
しかし、この個体は強制デジクロスにより多くのデジモンの意識が混濁した状態となっており、碌な自我をもたずただ破壊を振りまくだけの存在だった。
進化を果たしたシャウトモンとメタルグレイモンの二体と互角の戦いを繰り広げるも、このままではラチが明かないと判断したタイキ達によりデジタル空間へ押し出され、行方不明に。
その後、十八話にてまさかの再登場。計画のためにバグラモンによって捕捉・回収されており、多くのデジモンを吸収して肥大化したダークナイトモンを呑み込む形で強制デジクロスされ、予言に記された、滅亡を呼ぶ「赤黒の双頭龍」こと終末の千年魔獣(ズィードミレニアモン)となった。
ゲーム版「超クロスウォーズ」ではROGの首領として登場。配下にアルゴモンとアンティラモンがいる。
当初は世界征服のためにスパーダモンを探し求めていた事をうかがわせているが、既に正気を失っており、クリスタルかざんにあるアースフォートに干渉し、ロストスペースを浮上させた。
その異常さを配下のアルゴモンらが怪しんでいたが、それもそのはず、真の黒幕であるバルバモンが彼を洗脳して操っていたからで、ROGの構成員のデータを回収していた影もコイツが正体だったのだ。タイキたちに敗れたのちに「憎悪」のデータを回収されて逝った。
デジモンアドベンチャー:
CV:ボルケーノ太田
スカルナイトモンに助力を求められたデビモンの手元にムーンミレニアモンと同じ形状の結晶体が。
ストーリーが進むにつれてこの結晶体の内部の黒い靄は徐々に濃さを増しており、一度公式イラストのムーンミレニアモンと同じ形状になっている他、28話ではその中に赤い目のようなものが…。
そして、31話にて遂にミレニアモンが登場(なお、テロップや作中ではミレニアモンとして扱われているが、その外見は帯を持たないズィードミレニアモンであり、前述の様にスカルナイトモン(ダークナイトモン)が関わっているなど、漫画版クロスウォーズを思わせる展開だった)。
ケルビモンの記憶を取り戻したロップモンによって、大昔の光と闇の戦いで闇の軍勢が生み出すもその制御からも離れ光の軍勢のデジモンたちがすべてを引き換えに倒したことが語られた。
それでも完全に消滅させることができず、各地に散らばった破片が黒い稲妻によって変化しさらに強大、凶暴になって復活することが新たな闇であると判明することになった(この時にクリスタルに入っていないムーンミレニアモンのような姿も登場している)。
そして、49話で完全復活を果たす。
セフィロトモンがキメラモンらしき姿に変化し、ミレニアモンの魂(ムーン=ミレニアモン)が取り込むことで実体を有し、完全なミレニアモンとして復活を遂げた。
余談だが、形態変化の流れとしては前述のゲームにおける系譜を逆転する形となっている。
50話、ついに復活したミレニアモン。
そしてムゲンドラモンの自爆から再び立ち上がった太一達とぶつかる。ミレニアモンの口にはヤマト達がいる闇の球体。デジタルワールドが崩壊する中、噛み潰す前に精一杯の力をぶつけるヤマト、ガブモン達。これによりデータ圧縮に対抗することができた。
太一、ウォーグレイモンによって闇の球体から解放され、ホーリーエンジェモン、エンジェウーモンが、ゴッドドラモン、ホーリードラモンに究極進化し、(02での事を棚に上げた)ゴッドドラモンのゴッドフィストに口内破壊、さらにホーリードラモンの聖なる光ーアポカリプスによって、体が溶ける。
しかし、倒したかに思われたミレニアモンは、真の姿、『ズィードミレニアモン』(光一郎曰く、解析不能という。)となって再び姿を現す。
そしてデジタルワールド、ホーリードラモン、(やっぱり02での事を棚に上げた)ゴッドドラモンの力を合わせたウォーグレイモンのガイアフォースで、完全に消滅した。
後に目的を持たずただ破壊だけを求める存在であることから巨大な破滅ネガーモンとの関連が疑われ、実際にアルゴモンが語ったネガーモンと破滅の波動に感応せし者たちのイメージとして登場した。そもそも古の戦いがネガーモンに仕組まれたものであり、デビモンが行っていた進化の研究も強大な力と引き換えに制御不能に陥るものだったので同じように闇のデジモンたちに開発させた可能性が高い(巨大な破滅勢力は闇の軍勢にも参加してるので彼らかもしれない)。
また、古のミレニアモンとの戦いでオメガモンが誕生したことも判明した。
ウォーグレイモンがズィードミレニアモンを倒した時と同じ光がデジタルワールドからだけでなく人間世界からも集ったことでネガーモン(アバドモン)との戦いでオメガモンは誕生している。
大いなる奇跡とされるオメガモンやデジタルワールドの希望を集めた攻撃で倒されているため破滅の勢力としても切り札的存在だったのかもしれない。
なお、今作でのゴッドドラモンにボコボコにされる展開を見て02でのネタから『飼い犬に手を噛まれる』と皮肉を言った人もいたとか。
系譜
ムーンミレニアモン
邪神型に分類される、ミレニアモンの内面世界に存在する精神体デジモン。特定の姿を持たず、普段はクリスタルのような姿を取っているが、敵に対する憎悪でその姿は変容するという。
2つの頭部を持ち、それぞれキメラモンとムゲンドラモンを表している。
精神体故に実体がなく、あらゆる物理的な干渉を受け付けない。しかも、ムーンミレニアモンを倒すためにはまずミレニアモンを倒さねばならず、そして万が一ミレニアモンを倒すことができても本体から分離し時間と空間を超えて復活する。
必殺技は「デス・クリスタル」。肉体ではなく、相手の精神を切り刻む恐怖の技である。
漫画版クロスウォーズでは名前こそ登場しないが、「シェイドモン」というよく似た能力を持った魔界のデジモンが登場している。
タイキが「シェイドモンの羽化はある意味絶望を糧とした暗黒進化だ」という発言をしているため、シェイドモンが暗黒進化してムーンミレニアモンとなったという見方もある。
ネネを吸収・融合した状態でズィードミレニアモンに力を供給し続けていたが、主君・バグラモンを気遣う己の心と、希望を取り戻したネネの力により「ルミナモン」へと進化を果たした。
ゲーム版では進化系が全て登場するが、ストーリーではズィード=ミレニアモンが敵組織ROGUEの首魁として登場するが、結局彼は武器デジモン復活を目論むバルバモンの傀儡に過ぎず、タイキ達に敗れると残留データを回収され、武器デジモン復活の贄となった。
デジモンゴーストゲーム
この作品においてはミレニアモン自体は登場せずムーンミレニアモン及びズィードミレニアモンのみ登場している。
詳しくはムーンミレニアモンの記事参照。
ズィードミレニアモン
ムーンミレニアモン同様邪神型に分類されるデジモン。時間と空間を超越して飛び交い、あらゆる時間と世界を破壊しようとする邪悪なる王。
ムーンミレニアモンと同様に、2つの頭部を持ち、それぞれキメラモンとムゲンドラモンを表している。
本来、デジモンは命尽きるとデジタマとなるのだが、一説によればズィードミレニアモンはミレニアモンが屍から闇の魂を持って蘇生した姿であると言われている。
体に張り巡らされた帯の様なものはズィードミレニアモンの力を抑制する鎖で、一度解き放たれれば計り知れない災厄がデジタルワールドに降り注ぐという。
なお、公式設定ではこの鎖による呪縛を与えた存在は不明。
必殺技「タイムデストロイヤー」は、敵対者を時空間のかなたに葬り去る技。この技を受けて生還したものは、未だ誰一人として存在しない。
漫画版クロスウォーズでは、予言に記された、「デジタルワールドと人間界に滅びをもたらす者」として登場。
ダークナイトモンの失落を見たバグラモンが両界の未来に絶望し、せめて安息の内に死をと考え、予言に添わせる形で強引に造りだした。バグラ軍居城「バグラ大魔殿」よりすべてを飲みこまんとし、タイキ達連合軍及びロイヤルナイツと対峙する。
そもそもタイキ達クロスハートの三人は、ズィードミレニアモンによって滅びに瀕した人間界から謎の光によってデジタルワールドに導かれたのであり、彼らが激突することはある意味必然だったと言える。
終末の千年魔獣(ズィードミレニアモン)
漫画版クロスウォーズ登場したズィードミレニアモンのこと。
かつてその質量を持って人間界とデジタルワールドの両方を滅ぼそうとしたと、各地のゾーンで細々と伝えられる災厄の存在であった。
また、ジジモンやロイヤルナイツによれば、まがい物のミレニアモンがズィードミレニアモンになり得たのは、数多くのデジモンを吸収したダークナイトモンと融合し絶大な情報質量を得たためであり、その「己の莫大な情報重量でもってまわり全てを吸収・還元する」というそのあり方はまさに「情報のブラックホール」。
そのことから、爆発して死を迎えた星が自重に耐えきれず崩壊した姿がブラックホールであるように、度重なる融合により過度の情報重量を得た結果「個」としての存在を喪失した姿がズィードミレニアモンであるのかもしれない。
ネネが希望を取り戻し、シェイドモンがルミナモンへと進化したために、内側から強制クロスオープンによって分解。これまで取り込んできたすべてのデジモンが帰還した。その際バグラモンが城に封印していた「人の悪意や絶望で変質したデジモン」達も解き放たれてしまう。
これによりバグラモンが最も危惧し、世界の滅亡を決断するキッカケとなった「全ての生き物が生きながら地獄の業火に焼かれる」という最悪の未来になりかけるが、タイキ達の希望に感化されたデジモン達が進化の力を取り戻す。その、希望が絶望を打ち破る様を見たバグラモンは、自分が起こした戦乱も無駄ではなかったと知り、涙した。
関連イラスト
関連タグ
アポカリモン・・・アノードテイマー/カソードテイマーの図鑑では、ミレニアモンの悪のパワーが生み出したデジモンとなっている。
マッハガオガモン・・・「月(ムーン)」の意匠を持つミラージュガオガモンと「ズィード」の名を持つズィードガルルモンを進化先として持つという、偶然にしては出来すぎた共通点を持っている。