概要
デジタルワールドに生息する特殊な電子生命体・デジモン。彼らは経験を積んだり戦いに打ち勝つ事で成長、進化するごとにレベルが上がっていく。上の世代ほど強くなる。
デジモンの進化について
デジモンは一定の条件をクリアする、アニメでは紋章やカードなどの力やパートナー同士の絆で奮い立たせる、デジコードやデジソウルなどのエネルギーを取り込むなどすると、パワーアップした姿に成長、『進化』する。
あるいは進化前の姿に退化することもできる(敵デジモンも何らかの方法で進化する)。
戦闘時のみの変身という形で進化する例もあれば、オタマジャクシ→カエルや芋虫→サナギ→蝶といった成長、いわゆる変態として扱われることもある。
なお、ポケモンと違って決まった進化ルートは存在しないし、進化前と進化後で必ずしも容姿や属性や格が一致しているとも限らない。これはポケモンで言えば、フシギダネの進化ルートが
といった進化に変更されるケースが普通にあり得るということである。
しかしながら特定のデジモンに進化しやすい傾向があるデジモンがいるのも事実であり、例えばデジモンの代名詞であるアグモンはグレイモン系統に進化しやすく、ガブモンはガルルモン系に進化しやすいといった具合である。ファンの間でこのデジモンの正統進化系は誰かという議論が行われるのはこうした事情からだと思われる。
しかしゲンナイの言葉を借りるなら、「進化に正しいも誤りもない」というのが答えであり、どの進化を正しいとするのかはテイマー次第だと言える(いわゆる暴走系は「暗黒進化」と呼ばれる)。
育成ギアを見るに、進化には素質や戦闘経験、育成の仕方が関わるようである。
中には世代をすっ飛ばして進化をするという例もある。成長期から完全体に進化するルーチェモンのように間の世代に相当するデジモンが実質存在しないようなデジモンもいれば、アニメでよく見られるワープ進化やマトリックスエボリューション、インプモン→ベルゼブモンのようなショートカットタイプのケースも存在する(ちなみに、デジモンアドベンチャーにおいて「超進化」とは成熟期から完全体への進化の事を指すが、ミニドラマにおいては成長期から完全体へのショートカット進化として表現されている)。
また、様々なデータを取り込む事で進化するという特性からか、取り込んだデータやプログラムがあり方に影響する事が当たり前である。それを裏付けるように特定の施設のコンピュータ/ソフト内で新種が発見されり、特定のデータから誕生したという例もある(プレシオモンやスターモンなど)。
「〇〇を取り込んだデジモンがこの姿に変化した」という設定が度々見受けられるが、大抵は進化前からの分岐進化として扱われる為、メディア作品で世代を跨がないまま亜種に変化するという例は非常に珍しい(一方で、デジモンフロンティアではトイアグモン(黒)によってもんざえモンが洗脳されてワルもんざえモンになっているなど闇堕ちして「ウィルス種」になるという展開が多く見られる)。
また、「生体改造された」という公式設定を持つデジモンが進化系として登場する際には「最初からそうなっていた」という扱いになる(メタルグレイモンなどがいい例である)。
基本的に進化すると必殺技などのステータスが変化するが、進化前の技を継続して使えるデジモンもいれば、人間からの支援で他のデジモンを使うデジモンも存在する(カードスラッシュやデジクロスといった手段である)。
メディア作品では進化を封じる手段が登場し、デジモンアドベンチャー02ではダークタワーを建てる事でデジヴァイスによるアーマー体以外への進化を封じたり、デジモンストーリーロストエボリューションでは「進化ツリー」を破壊する事で特定の種の絶滅を誘発させたり(生き残りを殺されたらその時点で詰みである)、特定の種へ進化できないようにするといった酷い手段が描かれた(劇中に登場する進化ツリーは失われたデジプレートを修復し、ツリーにはめ込む事で元の状態に戻る)。
世代は初期までは「完全体」が一番強いという世代で、これを反映してルーチェモン:フォールダウンモードは七大魔王最強でありながら、世代が完全体となっている。それに対抗すべく進化したデジモン達が究極体という新しい進化を作り上げて今日に至るとされる(しかし、さすがは旧来の最強形態。究極体10体がかりでも実力ではルーチェモンが上回っていた)。彼が君臨した古代デジタルワールドでは既に究極体に迫るチィリンモンが生まれていた事から、そうした究極体に迫るデジモンたちが「究極体」の概念を作り上げたのかもしれない。
また、カードゲームによっては同じ世代のデジモンに進化(というより変身?)するカードも存在している。
進化を促す力
特別なデジモンであるクルモンは進化に関する力を持っているとされ、「デジ・エンテレケイヤ」(『テイマーズ』、『サンバースト&ムーンライト』より)と呼ばれる。
また、『デジモンセイバーズ』には「デジソウル」、『デジモンクロスウォーズ』には「超進化の光」という概念が存在する。
基本的な進化レベル
デジタマから生まれたデジモンの最初の世代で、幼年期には1と2が存在する。まだ戦うことはできない。主な幼年期はボタモン、コロモン、チビモン等。
知能が発達し力をつけ始め、戦う本能が目覚めた状態。戦えはするがまだまだ成長途中であり、成長の仕方で進化先は大きく変化する。主な成長期はアグモン、ブイモン、シャウトモン、ガンマモン等。
より強大な力と知能を得て、デジモンとして完成された状態。多くのデジモン達は、このレベルで成長がストップする。主な成熟期はグレイモン、ガルルモン、バードラモン、カブテリモン等
成熟期の中でも、群を抜いて力が強いデジモンが至る姿。成熟期に比べ圧倒的な力を持ち、野生で暮らす場合は群れのリーダーになることが多い。主な完全体はメタルグレイモン、ワーガルルモン、サイバードラモン、カノーヴァイスモン等。
数多くの戦いを生き抜き、自身の限界を突破した完全体の至る姿。強大な力故に単独で行動するデジモンが多い。主な究極体はウォーグレイモン、メタルガルルモン、デュークモン、ベルゼブモン等
特殊な進化レベル
究極体を超えた力を持つ極めて希少な形態。表記されない事が多い。
主な超究極体はオメガモン等
デジモンアドベンチャー02から初登場した世代のひとつで、太古に造られた「デジメンタル」と言うアイテムと融合進化したデジモンのことを指す。進化の幅が少ない古代デジモンたちの数少ない進化手段であったとされる。
強さは大抵が成熟期クラスであり、通常進化でこの世代に至るデジモンも少なくない。一方でサジタリモンはケンタルモンの上位種とされる他、マグナモンとラピッドモンは究極体クラスである。
デジモンフロンティアにて初登場した世代のひとつで、伝説の十闘士が遺したアイテム「スピリット」を使用した人間が変身した姿。ハイブリッド体の多くは十闘士である。
並のデジモンの実力を凌ぐ種が多く、相当する世代は使用するスピリットの種類や数によって異なる。
デジモンクロスウォーズにて初登場した世代のひとつ。複数のデジモンが「デジクロス」で融合した姿。合体する数・素体・相性によって戦闘力は細かく変わるが、令和になってからは「○○期(相当)」という設定が追加された。
進化用語
退化
現在の進化レベルよりも前の世代に戻る事。
モードチェンジ
進化とは違う方法で姿を変える事。
ルーチェモンのように『世代を跨いだ同一のデジモン』として扱われるケースや、インペリアルドラモンや天使系デジモンの堕天版のように『モードチェンジ』として扱われるケースの二つがある。
なお、アルゴモンは名前こそ変わらないが、明確に進化として扱われているケースとなる。
『アドベンチャー』シリーズで用いられる。
誤った手段や思想、暗黒の力などによってデジモンが進化する事。
大抵の場合が暴走形態への進化として扱われる事が多い。
『デジモンアドベンチャー』シリーズにおいては紋章の力で成熟期から完全体への進化する事を指す用語。
『デジモンクロスウォーズ』シリーズでは(世代に関係なく)進化を指す用語となっている。
究極進化
『デジモンアドベンチャー』シリーズや『デジモンゴーストゲーム』において完全体が究極体に進化する現象を表す用語。
『デジモンアドベンチャー』シリーズ、『デジモンサヴァイブ』、『デジモンゴーストゲーム』で使われる。
世代を数段階すっ飛ばして強力なデジモンに進化する現象のこと。普通、成長期(あるいは成熟期)から究極体へ進化する事を言うが、『ゴーストゲーム』の場合は成長期から完全体への進化を指す。
なお、『デジモンセイバーズ』などの『ワープ進化』の用語こそ登場しないが、同様の現象が見られる作品もある。
『デジモンアドベンチャー02』を初め、アーマー体が登場する作品で使用されている公式用語である。
2体のデジモンが融合して新たな一体のデジモンに進化する事。
『デジモンペンデュラム』シリーズから登場。
『デジモンフロンティア』におけるスピリットとの融合進化を指す名称。
『デジモンフロンティア』においてヒューマン型のハイブリッド体あるいはビースト型のハイブリッド体が必要に応じて一方の姿に変化する事。
『デジモンテイマーズ』における人間とデジモンが融合して究極体になる現象。
「X抗体」というプログラムを得たデジモンが体質や姿を変化させること。
世代を跨ぐものとそうでないものがある。
ブラストエヴォリューション
デジモンが戦闘中に突然進化する事。
『ペンデュラムエックス』シリーズや『デジモンアクセル』にて用いられた用語。
バースト進化
デジモンが各個体に秘められた限界能力を解放した姿「バーストモード」になる事。
二体以上のデジモンが融合し、新たなデジモンや武器に変化する現象。
ジョグレス進化とは違い、明確な合体上限は存在しない。
世代の強さに関して
「基本的には」世代=強さの指標という認識で間違いはないが、デジモンは種族・個体の能力や相性次第で、上の世代にも有利に立てるケースが多いコンテンツである。
要因としては以下のものが挙げられる。
- 戦略と技量
- 例としては『デジモンアドベンチャー』のズドモン。メタルエテモンとの戦いではクロンデジゾイドの装甲に対抗して、自らもクロンデジゾイド製であるトールハンマーをぶつけて勝利した。
- 公式設定においてはハックモンが成長期でありながら修行の成果により、完全体とも互角以上に渡り合うとされる。
- 上の世代を凌駕する力量を持っている
- その種族特有の力で格上と渡り合う
- 例としては『デジモンアドベンチャー』のエンジェモン。聖なる力の作用によって暗黒の力を持ったデジモンであれば、完全体相手にも引けを取らない。
- テイマーの育成具合
- 例としては育成をテーマとして作品。育成ギアやRPG、それ以外のメディアでいえば漫画『デジモンアドベンチャーVテイマー01』が該当する。『Vテイマー01』では太一の戦略とゼロマルのポテンシャルが合わさる事で遥かに格上のオメガモンとも渡り合っている。
- 該当デジモンが特別な個体である
- 例としては『デジモンネクスト』のMu端子を有する「変異種」など。
- アニメの作風や脚本
- 大人の事情で後半戦が苦戦した『デジモンフロンティア』や、世代があってないようなものである『デジモンクロスウォーズ』などが該当する。
などがあり、総じて世代による強弱描写はアテにならない事も少なくない。
中には究極体のデジモンを食べてしまう成長期や集団で群がって究極体を仕留めてしまうデジモン、明らかに進化前より弱くなっているデジモンもいたりする程である。
余談
デジモンの進化先にはサイボーグ化やパペットを着込むという形で進化するデジモンが少なからずいるが、デジモンの進化に素質が関係している事から外部要員でそれを補っているとも考えられる(実際にデジメンタルはそのためのアイテムという位置付けであった)。
中には自己改造に失敗、あるいは技術が不完全だった為に醜悪な見た目になってしまったデジモンもいるが…。