いわゆる「進化」以上の進化現象を起こすとされる進化のこと。
言うまでもなく創作における表現であり、現実ではこの表現はあまり用いられない。
デジタルモンスターシリーズ全体における超進化
主にアニメ作品で使われる表現。初出は初代アニメ「デジモンアドベンチャー」。
成熟期までの「進化」を超え、完全体へ至るための「進化」。
シリーズ作品全てで使われているわけではなく、マトリックスエボリューション等、同じ完全体進化でも別の用語が当てられる事もある。
完全体での戦闘を終えた後は「アドベンチャー(無印)」「02」では幼年期に、「テイマーズ」以降の作品では成長期に退化する。
このため、テイマーズ以降は幼年期デジモンの出番が極端に少なく、幼年期→成長期の進化バンクも存在しない。
また、アドベンチャー組もテイルモンを始め、ある程度経験を積んだ者は成長期で退化が止まるようになっていった。
つまり、完全体及び究極体から一気に幼年期に退化する無印と02はエネルギーの「消耗」タイプなのに対して、最初から成長期に戻るテイマーズ以降の作品はエネルギーの「節約」タイプとも言える。
玩具シリーズとして
『アドベンチャー』放送当時、超進化の再現ができる変形フィギュア『超進化シリーズ』が販売された。
以降も『02』、『テイマーズ』、『セイバーズ』などでも後継シリーズが展開され、『アドベンチャー』当時には商品化されなかったデジモンはプレミアムバンダイにて販売されている(※1)。
このシリーズではアーマー進化やジョグレス進化、究極体への進化も超進化として扱われている。
アーマー進化を題材とした『アーマー超進化シリーズ』はデジメンタルをデジモンに装着させて原作再現からオリジナルデジモンの作成をコンセプトとしたもの、ジョグレス進化を題材とした『ジョグレス超進化シリーズ』は文字通りデジモンのフィギュアを変形合体させるもの、『DX超進化シリーズ』はインペリアルドラモンのモードチェンジを再現したシリーズとなっている。
超進化と名の付かない玩具としてフロンティアのスピリットエボリューションを再現した『スピリットエボリューション』、クロスウォーズのデジクロスを再現した『デジモンクロスフィギュアシリーズ』が存在するが、これも超進化シリーズの延長線にあるものと考えていいだろう。
なお、デジモンアニメにおける新しい進化システムはこれらの玩具展開と決して無関係ではない。
例えば『デジモンフロンティア』の炎の闘士、光の闘士、闇の闘士は玩具が販売された(※2)為に融合形態や伝説の十闘士としての姿を再現可能だが、残りの闘士は玩具化されなかったためにのちに公開された融合形態や伝説の十闘士としての姿はスピリットの融合とは程遠いデザインになっている。
アーマー体が文字通り、アーマーを着たような姿とそうでない姿の二種類がいたり、デジクロス体の中に明らかに玩具で再現不能な個体がいるのも同様の理由と考えられる。
(※1)『超進化魂シリーズ』のアルファモン、エンジェウーモン、ディアボロモン、ホーリーエンジェモン、アトラーカブテリモン、ブラックウォーグレイモンが該当。
(※2)闇の闘士は海外限定で展開された。
デジモンアドベンチャーにおける超進化
通常の「進化」が幼年期から成長期、成長期から成熟期への進化を指すのに対し、「超進化」は成熟期から完全体への進化を指す。
ほぼ一瞬で済ませていた「進化」に比べてバンク映像が派手になり、変身シークエンスがはっきりと描写されている。また、(メタル)グレイモンと(ワー)ガルルモンの超進化は全編CG。
主人公たちはタグと紋章を使う事でパートナーを完全体に進化させる事ができるようになった。
進化バンクはデジヴァイスから放たれた光がタグの紋章の力と融合、螺旋構造状のデータがデジモンに降り注いで進化が可能になる。最終回にてアポカリモンによって紋章が破壊されるも、子供達が各々の個性を輝かせて再び進化が可能になったが、再構成された紋章もデジタルワールド修復のために使用された。
このため紋章が失われた『02』では選ばれし子供とパートナーの一組だけでは完全体になることが出来ず、紋章の代用としてチンロンモンの珠やホーリーストーンの力を借りて超進化を行うか、二組揃った上でホーリーリングの力を使いジョグレス進化を行うかの行程が必要となる。
『tri.』や『LASTEVOLUTION絆』では紋章なしでも超進化が可能となっており、『LASTEVOLUTION絆』ではどうも新型デジヴァイスから紋章の力も発されており、これがタグの代わりとなっているのかもしれない。また、『LASTEVOLUTION絆』の海外の選ばれし子供たちは紋章やタグなしでパートナーを完全体に進化させている。
なお、暗黒進化と通常進化とで演出が異なる。
暗黒進化する際には紋章が黒く変色し、デジヴァイスから伸びる光が禍々しくなり、発生した暗雲から赤黒い螺旋状のデータがデジモンに複数降り注ぐ演出となっている。
一方で通常進化の場合は紋章が雨雲を突き抜ける演出となっており、本作の超進化とは如何なる物であるかのサンプルとして用いられてきた勇気の紋章が太陽を模しているだけに演出の完成度が際立っていると言える。
進化内容は以下の通り。
- グレイモン→メタルグレイモン(暗黒進化でスカルグレイモン)
- ガルルモン→ワーガルルモン
- バードラモン→ガルダモン
- カブテリモン→アトラーカブテリモン
- イッカクモン→ズドモン
- トゲモン→リリモン
- エンジェモン→ホーリーエンジェモン
- テイルモン→エンジェウーモン
デジモンクロスウォーズにおける超進化
人の感情が高ぶった時、そのソウルパワーによって起こる進化。クロスウォーズでは急激な進化=超進化で統一されている。そのためか世代はバラバラで、ツワーモンに至っては世代が変わらない為、モードチェンジとした方が適切である。
- ガムドラモン→アレスタードラモン
- シャウトモン→オメガシャウトモン
- ダメモン→ツワーモン
- メタルグレイモン(XW)→ジークグレイモン
- サイケモン→アスタモン
- オポッサモン→チョ・ハッカイモン
- ドラクモン→ヤシャモン
デジモンゴーストゲームにおける超進化
ガンマモンは複数の成熟期を持つが、完全体は一種類となる様子。
バトルスピリッツにおける超進化
様々な作品とコラボしているカードゲーム「バトルスピリッツ」だが、デジモンともコラボしている。
その際にデジモンの進化を模したキーワード能力「進化」「超進化」「アーマー進化」「ジョグレス進化」が登場した。
「特定のタイミングで場に出ている『系統:(前世代)』を持つカードを手札に戻し、手札の『系統:(次世代)』を持つカードを召喚する」という形で再現されており、特に「系統:成熟期」から「系統:完全体」に入れ替えるものが「超進化」となっている。
…だが実はここに穴がある。
超進化の効果文には「系統:完全体をもつカードを召喚」と書かれている。つまり、系統:完全体さえ持っていればそれがデジモンかどうかは問わない。
その結果、仮面ライダーコラボによって追加された仮面ライダーオーズの敵怪人「グリード」の完全体に進化出来るようになってしまった。
電子の海から生まれたモンスターが、欲望から生まれたメダルの怪人になってしまうとはこれいかに……
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