概要
『デジモンセイバーズ THE MOVIE 究極パワー!バーストモード発動!』で初登場し、『デジモンストーリームーンライト』から『デジモンストーリー超クロスウォーズ』までのデジモンストーリーシリーズや『デジタルモンスターカードゲームα』にも登場している。
…とここまでは『セイバーズ』世代やコアなファンが知っている程度の知名度しかなかったわけだが、『デジモンアドベンチャー:』では全体を通しての敵として登場し、幼年期Ⅰから成熟期までの設定とデザインが新たに起こされて知名度をそれなりに高めた。その後は『デジモンリアライズ』や『デジモンペンデュラムZ』にも登場するなど出番もそれなりに増え始めている。
幼年期から究極体まであるにもかかわらず、名前が分けられていないのが特徴でアルカディモンと違いその理由はハッキリとしていない。
所属は『デジタルモンスターカードゲームα』では完全体と究極体がジャングルトルーパーズ(JT)、『デジモンペンデュラムZ ナイトメアソルジャーズ』ではナイトメアソルジャーズ(NSo)となっている。
このことから広義的には植物系になるものと思われるが、『デジモンストーリーサンバースト・ムーンライト』ではアンコク種族、『デジモンストーリーロストエボリューション』と『デジモンストーリー超クロスウォーズ』ではアクマ/デビル(完全体)、アクマ/マジュウ(究極体)扱いとなっている。ちなみにロストエボリューションでの特技は「穴掘り」。
『デジモンカードゲーム』では緑色でカテゴライズされているのでそちらでは植物系という事なのだろう。
プロフィール
幼年期I版
全身緑色で、植物の種やミドリムシのような姿をした、一つ目の不気味なデジモン。大容量のデータが流れ出るところを見つけて寄っていく習性があり、1体また1体と集まり、大群になって覆いつくす。
幼年期Ⅱ版
全身緑色で、一対の触手と触角とを伸ばした、一つ目の不気味なデジモン。外見はツメモンによく似ていて、カラーリングも相まってロイコクロリディウムに寄生された幼年期にも見える。体の構造はタコに近い。
『デジモンアドベンチャー:』に登場する。
幼年期でまだまだ非力だが、何やら悪さをして現実世界に影響を与えるようである。
成長期版
デジモンアドベンチャー:の第二話で登場した成長期デジモン。一瞬だが、第一話でも光子郎のパソコンに姿が表示されている。
見た目はほとんど幼年期と変わりないが、腕代わりの触手は先端部が毛糸玉のように丸まっており、どことなく可愛い。しかし、この丸まった腕こそが接近戦の武器であり、「ブルートナックル」が必殺技。
ミサイル管制システム内で幼年期アルゴモンを指揮していたが、ガルルモンにけしかけ周囲ががら空きになったところをグレイモンに奇襲された。
成熟期版
デジモンアドベンチャー:の第一話で登場した成熟期デジモン。アルゴモンの進化が追加されたのは初登場の劇場版以来14年ぶり。
最後の一体となった幼年期アルゴモンがデータを集め進化した姿で、オマージュ元と同じく進化段階をすっ飛ばして進化した描写がある。
顔面に刻まれた十字のマークや翼を前後ろ反転させたような触角。腕代わりの触手束の先に取り付けられたロボットアームが特徴。
アグモンを追い詰めるも、グレイモンとの必殺技の押し合いに敗れた。
完全体版
(※1)『デジモンストーリーサンバースト・ムーンライト』より
(※2)『デジモンストーリー超クロスウォーズ』より
演算プログラム=アルゴリズムのバグから発生した肢体に眼がある人に似た姿を持つ突然変異型デジモン(公式絵では左手から羽根を生やした姿で描かれた)。
ビオランテを思わせる『ワームフェイズ』という無数のツタが生えた寄生体に変化しては無数のツタを触手のように使い、自らの高速処理能力を使って広大なフィールドを制圧する事ができる。この為、『デジモンカードゲーム』では通常版とワームフェイズの両方がカード化されている。
必殺技は触手で相手の動きを封じる『インプリズメント』と肢体の眼部より放つ消去光線『エリミネイションライン』、触手に呪いを込めて敵を切り裂き、眠りに陥らせる『ヒュプノスクロー』。
また、『セイバーズ』では触手から電撃を浴びせる能力を使用した(成熟期の技である「ボルトライン」だと思われ、電撃を発する際には掌に目の紋章が表れる)。
区別のためゲームではアルゴモンUT(アルティメット)という名称になっている。
テイマーの助けもなしに成長期に敗れた初の完全体でもある(詳しくは後述)。
究極体版
(※1)『デジモンストーリーサンバースト・ムーンライト』より
(※2)『デジモンストーリー超クロスウォーズ』より
完全体のアルゴモンが究極体に進化し巨大化。格闘戦の能力を増幅し、大きく開いた口部に無数の眼がある突然変異型デジモン。デジモンシリーズでは珍しい『植物系の究極体ボス』でもある。
必殺技は、その巨体で敵を薙ぎ倒す破壊力抜群の物理攻撃『ブルートフォース』と口部から無数の眼を浮かびだしその目から放つ無数の光線『テラバイトディザスター』、そして肢体の眼部から放ち、次元をも歪ませてしまう程の破壊光線『ディストーションライン』、呪いの力を込めて砲撃する『ジュデッカキャノン』。
『セイバーズ』ではテラバイトディザスターは横浜ベイブリッジを破壊するほどの凄まじい威力を見せており、単純な格闘戦はシャイングレイモンと互角かそれ以上。怒りで進化した影響で理性を失っており、もはや吼えて破壊活動を行うだけのモンスターと化している。
区別のためゲームではアルゴモンMG(メガ)という名称になっている。究極体がアルティメットじゃないの?という人の為にことわっておくと、海外では完全体が「Ultimate」表記、究極体が「Mega」表記だからである。
アニメでの活躍
『セイバーズ』、『アドベンチャー:』双方で世界を危機に陥らせる程の恐ろしいデジモンとして描かれている。
デジモンセイバーズ
『デジモンセイバーズ THE MOVIE 究極パワー! バーストモード発動!!』のボスデジモンとして初登場。
CVははなわ氏で、その咆哮はどこか悲痛さを感じさせる圧を持っており、必聴もの。
人間のような不思議な存在『リズム』とは友達だったという。
冒頭から人間世界に大量の茨を発生させてアグモン・ガオモン・ララモンのパートナーを含めた全人類を永遠の眠りにつかせ、人間世界を支配。ワームフェイズの姿で高層ビルに寄生して巨大な根城を作り上げており、配下にオーガモンがリーダー格のゴブリモン軍団、ピピスモンを従えている。
人間世界征服を企んだデジモンはヴァンデモンやルーチェモン一味、バグラモンなど数多いが、完全体の時点で成し遂げている事からその実力が窺える。
その上、その目的は支配など野望の類いではなく、人間世界によってデジタルワールドが崩壊する為、故郷であるデジタルワールドを守る為に人間ごと世界を封印という真っ当なもの。
一見理不尽な理由だが、本作では邪な人間によって散々両世界の秩序が荒らされ、それが話の主軸にもなってしまっている為、説得力が無いとはとても言えない。
どちらかと言えばテレビ本編のイグドラシルやロイヤルナイツに近い行動理由と言える。
自身と関係があるリズムの説得を聞かず、アグモンの動きを封じ込めながらリズムを苦しめるが、リズムを助けたい一心で限界を超えたアグモンのベビーフレイムによって苦しみ悶える。
しかし、人間への怒りと理性を無くす事で究極体に進化し、二人を窮地に追いやる。
ベビーフレイムで荊が燃やされた影響からか、何時の間にか目覚めた大の拳一撃で一時ダウンし、その隙にアグモンがシャイングレイモンに進化。ジオグレイソードを握り潰して圧倒するがリズムの声援を受けてバーストモードに進化したシャイングレイモンのコロナブレイズソードで口を貫かれて紫色のデジタマに還元、リズムと共にデジタルワールドに戻る事になる。
なお、アルゴモンとリズムを合わせると「アルゴリズム」となる。
また、進化する際には本作のシャイングレイモン同様にデジタマに覆われながら巨大化するという方式になっており(アルゴモンの場合は目のエフェクトが付く)、NGカット集では中から担当声優のはなわが出てくるというシーンがある。
デジモンアドベンチャー:
第1話から幼年期、成熟期が登場。成長期と思わしき姿も一瞬確認される。
CVは松山鷹志氏だが、当初はセイバーズのような明確な言語は発さず、鳴き声のみだった。
電車を暴走させて太一の家族を命の危機に貶めるが、コロモンと出会った太一とコロモンから進化したアグモンによってほとんどが全滅。
残った一匹が成長期を飛び越えて成熟期になり、二人を追い詰めるも、アグモンがグレイモンに進化し、メガフレイムと自身の必殺技の撃ち合いに破れて消滅した。
しかし、脅威はまだ終わっておらず、アメリカでサイバーテロが勃発。軍事基地が影響を受けてミサイルが暴走し、世界滅亡のカウントダウンが始まってしまう。
第2話にて成長期も登場したが、なんと完全体(終始ワームフェイズで、顔も邪神イリスを思わせるデザインに変わっている)を経て究極体にまで進化してしまい、成熟期までしか進化できない太一たちを追い詰めるが、突如現れたオメガモンに敗れ、制御を奪い東京目がけて発射したミサイルも大気圏で破壊された。
第20、21話では無数の幼年期Iがカルマーラモンに従い航海ネットワークを占拠し、データ収集をしていた。その後駆け付けたパートナーデジモン達との戦闘では幼年期Ⅱや成長期に進化したが、成熟期までは進化できず、逆に進化できたパートナーデジモン達に殲滅された。
その後は音沙汰なしだったが、なんと第57話で再び登場。しかもこの時は「こんにちは」の大合唱を奏でていた幼年期Ⅱが再度成熟期に急成長、その1体が『ワームフェイズ』を経て従来の人型の完全体として出現しており、更に流暢に話すこともできるようになり、「実験」と称して太一達を苦しめる。その内容は、部下が太一の首を締めている間に偽物を量産し、その中から本物を見つけ出させるというもの。
見事にその試練を突破し部下の成熟期達も空間も全て撃破されるが、自身は黒幕と思しき存在の元に撤退。
以後暫く音沙汰なかったが、嗾けたデスモンが倒されたことでネガーモンが活動を始めると、異空間に取り込まれた子供たちを襲い、第2話ワームフェイズから究極体まで進化する。最後は子供たちを追って突入してきたパートナー達の集中攻撃を浴びた末、大きく開いた口部を撃ち抜かれて消滅するが、直後ネガーモンが覚醒し、そのまま最終決戦へと突入する。
ネガーモンの代弁者のような行動を見せるがネガ―モン自身なのか自身が言ってたように破滅に感応したものなのか関係は不明。
ネガーモンの『捕食したデジモンは感情を徐々に無くし闇に堕ちていき、そして内部から逆に浸食されて、ネガーモン再生の苗床とされてしまうという。』とする設定から考えると自身もネガーモンに侵食されていたと思われ、発言はカタコトで支離滅裂、自身の身体にもネガ―モンの影響が見られる状態となっていた。
ゲームでの活躍
デジモンストーリー超クロスウォーズ
ズィード=ミレニアモンの配下として登場。相棒はインフェルモンで、ここでもケラモン系譜とも縁がある。
漫画での活躍
デジモンクロスウォーズ
ズィード=ミレニアモンがクロスオープンした際に現れたデジモンとして究極体が複数登場。
余談
名前の由来はアルゴリズムと全身に百の眼を持つ巨人アルゴスを合わせたものと思われ、体に眼があるデザインや鳥の羽のような意匠は後者の要素を取り入れたと思われる。
また、属性無し、無数の蔦を合わせたような関節やカラーリングからディアボロモンをモチーフにした可能性があり、デジモンアドベンチャー:では更にそれを意識したような描写が見られた(第2話に至ってはサブタイトルが「ウォー・ゲーム」だったし)。
ケラモン系譜が虫の要素があるのに対して、こちらは植物がモチーフなのはなんとも対照的である。
渡辺けんじのツイートによるとデジモンアドベンチャー:の敵は目と口を意識したデザインとのことなので、アルゴモンがネガ―モンに関連するデジモンとして選ばれたのも目を持つデザインだからと思われる。
進化系統
幼年期I | 幼年期Ⅱ | 成長期 | 成熟期 | 完全体 | 究極体 |
---|---|---|---|---|---|
アルゴモン(幼年期I) | アルゴモン(幼年期Ⅱ) | アルゴモン(成長期) | アルゴモン(成熟期) | アルゴモンUT | アルゴモンMG |
完全体は『デジタルモンスターカードゲームα』ではウッドモンやクリサリモン(Dα-394)から進化、『デジモンストーリーサンバースト・ムーンライト』でもクリサリモンから進化している(デビモン+ザッソーモンの組み合わせでもジョグレス進化できる)、『デジモンストーリーロストエボリューション』ではウィザーモンから進化し、『デジモンストーリー超クロスウォーズ』ではウィザーモン+ウェンディモン+パルモンの組み合わせでデジフュージョンできた。
何かと関連づけられるディアボロモン系譜とは2006年頃からすでに縁があったのであり、デジモンリアライズ でもクリサリモンからアルゴモン完全体に進化している。
ペンデュラムZでの進化先
幼年期Ⅱ
成長期
成熟期
完全体
デジフュージョン先(デジモンストーリー超クロスウォーズ)
関連タグ
デジモン 完全体(デジモン) 究極体 ミュータント デジモンセイバーズ アルゴリズム アルゴス
ユノモン:元ネタのヘラはアルゴモンのモチーフであるアルゴスに関わりがある。
エオスモン:命名法則が同じ。
いばら姫:映画での人間達への眠らせ方の元ネタ?