概要
本来のタイトルは『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』だがpixivのイラストタグとしては短縮されたこちらの方が多い。
劇場版デジモン第二弾で、東映アニメフェア(2000年度春)の長編+短編アニメーション同時上映というプロモーションスタイルにあわせ、長編用アニメとして制作された『ONEPIECE』と共に上映された。
ちなみに東映アニメーション初のフルデジタル劇場作品である。
40分というテレビアニメ1,2話分に近い限られた尺の中で、独特の色彩センスによって描かれたハイクオリティなアニメーションと、魅力的なストーリー展開が話題を呼び、公開後20年以上経った現在でも根強いファンを持つ。作品としても古い作品に分類されるようになった今でも十分鑑賞に堪えうるクオリティーがあるとするファンも多い作品である。
また、直接の続編として『デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲』がある。
後に細田守が監督し制作した劇場用オリジナルアニメ『サマーウォーズ』のストーリーラインの原型にもなっており、細かい演出やストーリーの展開に多くの共通点が見られる。
また、『秘密結社鷹の爪』と並んで島根県をピンポイントでネタにしたアニメとしても有名であり、「島根にパソコンなんてあるわけないじゃん」というトンデモ迷言を生み出した。これによって島根県がにわかに注目される一因になったのは言うまでもない。
本作でデジモンファンの心をガッツリと掴んだオメガモンの初出は一般的には本作だと思われがちだが、実はWS用ソフト1999年12月16日、2000年1月20日にそれぞれ販売された「デジモンアドベンチャー アノードテイマー&カソードテイマー」(当初はガルルグレイモン表記)で登場している。
そして2000年頃に販売された育成ギア「デジモンペンデュラムZERO ウィルスバスターズ」に登場し、現在に至る。
物語
デジタルワールドでの戦いを終え、壮大な冒険から現実の世界へと子供達(主人公ら)が帰ってきてからしばらくの時が過ぎた春休み。
偶然か必然か、ネットの残滓が集まりデジモンの卵"デジタマ"となり、その卵から誕生した新種デジモンが現実世界のインターネットを漂いながらインフラを食い荒らし、世界を混乱に陥れてしまう。
それぞれの事情により中々集まる機会のなかった「選ばれし子供達」の多くはその事件を知る由もなかったが、そんな中、かつて冒険を共にしたデジモン達にその危機を知らされた八神太一と泉光子郎は、新種デジモンに対抗できる自らのデジモンに力を与えることができる選ばれし子供として、再びパートナーデジモンと共に平和のための戦いに乗り出す。
また劇中内でアイスを食べてる事や、細田守監督の後作『サマーウォーズ』の雰囲気イメージに引っ張られ夏をテーマにした映画と勘違いされやすいが、部屋のカレンダーやスーパーの刺身の賞味期限を見る限り、本編デジモンアドベンチャーから半年以上経った翌年、2000年3月4日(映画公開日と同日)の出来事である事が分かる(なんならエンディングテーマが『作品No.2「春」イ長調 ~ぼくらのウォーゲーム!~』である)。
なお劇中では春休み中の出来事とされているが、実際には一般的な小学校の春休みは3月20日以降である。
登場キャラクター
今回のメインキャラクター
光子郎から知らされた危機に再び立ち上がった選ばれし子供達のリーダー。仲間に連絡を取ろうとしたが、連絡がついたのがヤマトとタケルの兄弟だけだったことに焦りを見せ、その焦りからパソコンをフリーズさせてしまい、ディアボロモンをあと一歩の所で逃してしまう。
今回のクラモン(後のツメモン、ケラモン、インフェルモン、ディアボロモン)の騒動を最初に見つけ、太一へ知らせた。
アメリカなどにネットを通じた友人達の協力もあって、情報面やパソコンの扱いで多くのサポートをしている。
一方で烏龍茶を大量に飲み過ぎて腹を下してしまう一幕も。
父親の実家の島根県に帰省中だったところに太一からの連絡を受ける。
始めは祖母に電話を切られてしまったが、察しの良さと非常用伝言ダイヤルを利用する事でどうにか連絡をつける。祖母の家にインターネットに繋がるパソコン自体がなかったため、パソコンを求めて奔走することに。その際のヤマトの叫びはある意味有名である。
その他の選ばれし子供達
物語開始前に太一から誕生日プレゼントを贈られたそうだが、その件で太一と喧嘩し、彼からの連絡を無視している。散歩したり部屋に籠っていたため異変には気付いていない。
なお、劇中の日付(2000年3月4日)から逆算すれば、彼女(2000年4月から小学校6年生)は早生まれ(生年月は1989年3月ごろ。遅くとも4月1日まで)ということになる。
友達の誕生日会に参加するため外出する。太一からの電話ですぐに帰宅するよう催促されるが・・・。
中学受験の試験日にあたり、受験会場に向かう。ゆりかもめに乗ろうとしたところ、クラモンが交通インフラを荒らしたために起こった機械のエラーでドアが開かないまま発車し、遅刻する羽目に。そのため事件の当事者ではあるがデジモンが原因とは知らず、当然太一からの連絡もつかない。
今回の日常パートのギャグキャラ担当と言えよう。
旅行でハワイにいたため連絡がつかず。頭上を飛んでいく核ミサイルを見かけるが、事件についてはやはり気付いていない様子。
パートナーデジモンたち
最初から参戦している2体。
2戦目序盤でテントモンが離脱しているため、今回の全ての戦闘に参加しているのは実はアグモンだけである。
ヤマトとタケルに連絡がついた事で、2戦目直前に合流。
しかしパタモンは進化の隙を突かれ、早々に戦線離脱してしまう。
パートナーと連絡がつかず、今回は参戦せず。
出番はゲンナイとの会話のシーンでデフォルメされた姿がウインドウ内に表示される程度に留まる。
その他の登場人物
ゲスト登場した関連作品の登場人物たち。
ディアボロモンとの戦闘を目撃し応援メッセージを送った子供たちの中に、彼らの姿がある。京パートでは姉(キャラデザは少し異なるが、見た目と年齢を考えると姉の百恵)も登場している。
第14話や第27話では京がこの件に触れている一方で、第1話ではデジモンを知らない発言をしていたのは内緒。
なお、遼はアドベンチャーの外伝作品であるWS版の主人公だが、『アドベンチャー』本編の設定とは噛み合わない部分があるので、完全な同一人物とは言い難い。
余談
- 実はブラックウォーグレイモンの初出は『デジモンアドベンチャー02』ではなく、特典として貰えた『デジタルモンスターカードゲーム』の「ブラックウォーグレイモン」(Ta-2)のカードである。
- 本作はその後のデジモンシリーズにも大きな影響を及ぼしており、育成ギア「デジタルモンスターX」の背景ストーリーである『デジモンクロニクルX』の重要人物としてケラモン(X抗体)系が登場し、最強デジモンの一角であったオメガモンXを追い詰めるという活躍を見せている(これはどちらかといえば次作の要素だが)。
- なお、ケラモンの進化系であるクリサリモンは設定のみで本作には登場しない。出番は『デジモンテイマーズ』までお預けとなる。
- リブート版である『デジモンアドベンチャー:』の第1話『東京デジタルクライシス』と第2話『ウォー・ゲーム』は本作のリメイクエピソードとなっている。ただし、敵は以前の作品から度々ケラモン系に関連づけられていたアルゴモンであった。
- 1983年に公開された映画ウォー・ゲームではコンピューターネットワーク下の核ミサイルの危機を描く内容となっている。
- 海外では複数の劇場版作品を混ぜ合わせて『Digimon - The Movie』なる作品に改変されているらしく、正確な情報が伝わっていない模様。(詳細)
関連イラスト
関連タグ
ディアボロモンの逆襲:デジモンアドベンチャーの続編である02の劇場版にして、ぼくらのウォーゲームの続編。