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時をかける少女

ときをかけるしょうじょ

「時をかける少女」は、筒井康隆が1965年に執筆したSFジュブナイル小説。タイムリープを題材とした青春ラブストーリーで、幾度となく映像化されたことでも知られる。
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概要編集

筒井康隆による小説『時をかける少女』は1964年から1966年まで「中学三年コース」及び「高一コース」に連載される形で発表された。その後、1972年の鶴書房盛光社からの出版を皮切りに、現在までに様々な出版社より刊行され、版を重ね続けるロングセラーとなっている。

1970年代からこの小説を原作とする映画ドラマアニメなどの映像化作品が量産され、結果として筒井の代表作と位置づけられることとなった。

その中でも特に有名なのが、大林宣彦監督・原田知世主演で、松任谷由実が作詞作曲し原田が歌った同名主題歌もヒットした1983年の実写映画版と、細田守監督による2006年のアニメ映画版の二作。


Pixivでは2006年に上映されたアニメ映画版(監督:細田守)に関する作品が殆どを占めている。


何度も映像化されている事から本作が筒井康隆の代表作とされがちだが、ジュブナイルとして書かれた本作は毒のある笑いが売りの一つである他の筒井作品とは大きく傾向が異なるので他作品を読むときは注意。

映像作品編集

 初の映像化であるとともに、NHKにVTRが保存されていないために伝説化したシリーズ。後に最終回のみ映像が発見され話題となった。

『続 タイムトラベラー』は石山透が脚本を務めたオリジナルの続編であり、同脚本家によって「続・時をかける少女」としてノベライズ化もされている。

 女優・原田知世の初主演作であるとともに初の映画化でもある。大林監督独自の叙情的な映像表現などから単なるアイドル映画の枠組みを超えた人気と評価を得ている。松任谷由実が作詞・作曲した主題歌もヒットした。

 1982年に公開された『転校生』に続く「尾道三部作」の二作目にあたり、シリーズのバトンは1985年公開の『さびしんぼう』へと渡された。

  • 1985年 『南野陽子の時をかける少女』(フジテレビ系列「月曜ドラマランド」)

 表題通り南野陽子主演の単発ドラマ。深町一夫役を中川翔子の父・中川勝彦が演じていた。中川翔子は幼少のころから亡き父の姿を本作のビデオで見ていたが、それゆえに自身にとっての「時をかける少女」は長らく本作であり、著名な1983年映画版を見る機会が近年までなかったと語っている。

  • 1994年 『時をかける少女』(フジテレビ系列「ボクたちのドラマシリーズ」)

 『世にも奇妙な物語』放送終了後、制作に遅延が発生していた『if もしも』までのつなぎとして放送された「ボクたちのドラマシリーズ」の最終作。内田有紀主演。全5話。住職役で筒井康隆がレギュラー出演していた。主題歌はNOKKOの「人魚」。

 1983年映画版をプロデュースした角川春樹が自らメガホンを取ったが、あまり宣伝が行われなかったことと公開館数がわずか7館だったこともあって知名度が低い。主演は中本奈奈。1983年映画版の前日談という設定で舞台は昭和40年代。ナレーションとして原田知世も出演している。主題歌は松任谷由実の「時のカンツォーネ」。

  • 2002年 『時をかける少女』(TBS系列「モーニング娘。新春!LOVEストーリーズ」)

 2002年の正月特番として『伊豆の踊子』(主演:後藤真希)、『はいからさんが通る』(主演:石川梨華)と共に放送。主演は安倍なつみ

貞本義行キャラクターデザインを手がけた、初のアニメ映画化。ネット上での評判から上映規模が拡大したことから話題となった。主題歌は奥華子の「ガーネット」。挿入歌も同じく奥華子の「変わらないもの」。

  • 2010年 『時をかける少女』(監督:谷口正晃)

2006年版でヒロインのCVを担当した仲里依紗がこの作品の主人公で、芳山和子の娘である芳山あかりを演じた。なお、本作には中尾明慶が溝呂木涼太役で出演しており、本作をきっかけに仲と中尾は親交を深め、2013年3月に結婚を発表した。まさに「時かけ婚」である。

 原作刊行から約50年となる年に、NHK少年ドラマシリーズから44年、ボクたちのドラマシリーズから22年ぶりとなる連続テレビドラマ化。リオデジャネイロオリンピック24時間テレビの兼ね合いから7月より全5話で日本テレビ系列にて放送。主演は黒島結菜。主題歌はAKB48「LOVE TRIP」、EDはNEWS「恋を知らない君へ」。


いずれの作品も、単純に原作を映像化したものではなく、制作者の原作理解や感性、演出手法、制作時期の社会状況などを反映した独自の奥行きをもった仕上がりとなっており、根強い観客の支持を得るに至った。

特に2006年版と2010年版は、主人公さえ交替した次世代の物語となっており、「続 タイムトラベラー」を含めて原作後を描いたIfストーリーも多数制作されている。


余談編集

2016年版の『時をかける少女』テレビドラマ化が発表された時に、2006年のアニメ映画版が原作だと勘違いする若年層が続出しており、更には1983年版の実写映画が原作だと主張する人も現れている。50年も続く長寿作品がゆえに、二重・三重の世代間ギャップが生まれているのではないかと、以下のニュースサイトで指摘されている。




舞台編集

キャラメルボックスの30周年記念公演第3弾として上演された。主人公は和子の姪のマナツで、時代設定は原作の32年後となっている。主演は木村玲衣

主要登場人物の苗字は「尾道マナツ」、「竹原輝彦」、「世羅研二」、「江田島明」と広島県の地名から取っている。

上演された2015年は大林版の公開から32年後にあたる。


『続 タイムトラベラー』の小説版を原作とし、「オールナイトニッポン」放送50周年記念公演として上演された。

脚本・演出は『サマータイムマシン・ブルース』を手掛けた上田誠で、ラブコメ要素を加えたコメディタッチな作品になっている。

主演は上白石萌歌


  • 2023年 『ミュージカル・時をかける少女』(ユーキース・エンタテインメント)

2023年10月に日本橋劇場で上演。原作のストーリーをアレンジし17曲の新曲で彩ったミュージカル。主演は田中梨瑚


物語編集

作品によって登場人物が異なるが、おおよその流れは以下の通り。

主人公のヒロインは同級生の男子高生二人と仲が良かったが、ある日の理科室で彼女は不思議な出来事に遭い、それ以来過去に戻る能力を得てしまう。実は、その能力の原因は同級生男子の一人によるもので、彼はある目的でこの時代にやってきた未来人だった。彼から真実を打ち明けられたが、同時に彼女への想いも告白されてしまい、彼女は戸惑ってしまう。そして、彼が未来に帰る時が近づいてしまう。


登場人物編集

原作編集

芳山和子:主人公でヒロイン。2006年版で真琴の叔母(CV.原沙知絵)として登場する。

深町一夫

浅倉吾朗

アニメ版編集

紺野真琴真琴(CV.仲里依紗):主人公でヒロイン。

間宮千昭千昭(CV.石田卓也

津田功介功介(CV.板倉光隆


主要登場人物の苗字「深町」、「浅倉」、「福島」、「神谷」はそれぞれSF小説の翻訳家として知られた深町眞理子浅倉久志福島正実小尾芙佐(旧姓・神谷)から取っている。


幻のアドベンチャーゲーム版編集

1998年にバンダイからPS1でアドベンチャーゲームが発売される予定だったが、諸般の事情でお蔵入りとなる。

判っていたのは芳山和子の制服がセーラー服だったのと、アニメーションパートをスタジオディーンが制作、桜野みねね氏がキャラクターデザインを手掛け、草尾毅氏、川上とも子氏、松野太紀氏の出演が予定されていたことである。


関連イラスト編集

↓Pixivでもっとも投稿の多い2006年版を題にとった作品の例

ときかけ何度も


↓2006年版以外の”時かけ”を題にとった作品の例

時をかける少女


関連タグ編集

筒井康隆 細田守 奥華子 小説 映画 アニメ映画 SF 恋愛 青春  ループもの タイムリープ 忘れられない夏


時かけ100users入り 時かけ500users入り 時かけ1000users入り 時かけ5000users入り


サマーウォーズ おおかみこどもの雨と雪 バケモノの子

ぼくらのウォーゲーム


佐倉未来 - おジャ魔女どれみシリーズの登場人物。主には1983年版および2006年版における芳山和子に対する中の人繋がり(一種のオマージュキャラクター)。詳細は項目参照。


時をかける人々 - 2006年版のポスターをパロディーした作品につけられる。

家族をかける少女 - 2006年版の監督作品『サマーウォーズ』に登場する篠原夏希のこと。

デジモンクロスウォーズ~時を駆ける少年ハンターたち~ - 主に海外では、このタイトルは2006年版へのオマージュだと考える人々が少なくない。


夏色の砂時計 - 2002年にプリンセスソフトメーカー・PS2で発売されたアドベンチャーゲーム。恋人となる少女の悲劇を知った主人公の少年が少女を救おうと奮闘する。

正に時をかける少年で、デイドロップ現象で時間が巻き戻されたり飛んだりする為、一筋縄では行かないアドベンチャーゲームだった。

因みに企画当初はPCアダルトゲームの鬱ゲーになる予定だった。


警視庁・捜査一課長2020:第2話の主要ゲストが原作およびアニメ版の主要登場人物の名前をもじっており、「未来で待ってる」という台詞がある。

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