わたしは知っている。
わたしがこの高校でいちばん美しい、いちばん綺麗な女の子だということを――。
概要
現代日本文学を代表する巨匠、筒井康隆が70代にして突如書き下ろした美少女ライトノベル作品である。 2012年刊行。イラストはいとうのいぢが担当。
当時オタクの間で大流行していた涼宮ハルヒシリーズを読んだ御大が、ハルヒを筆頭に当時の人気ラノベ要素をぶっこんだメタパロディSFとなっている。もちろん『時をかける少女』などのセルフパロディともなっている。
話題作だったが、アニメ化…は搾取描写とか色々アレすぎて無理。
実際の内容は「ラノベの皮をかぶった本格筒井SF」なので、いとうのいぢの絵に騙されるとガッカリするかもしれない。現在は「なろう系」などの異世界転生ものが大人気だが、当時ヒットしていたのが異世界ものだったら、フォーマットは変わっていたかもしれない。
なお執筆のきっかけとなった、本家谷川流のハルヒシリーズは、ちょうど本作の刊行前後より休止が続いている。
あらすじ
「あらゆる男子生徒の視線をくぎ付けにする超絶美少女・ビアンカ北町(きたまち)の放課後(オーバースタディ)はちょっと危険な(アブナイ)生物学の実験研究にのめりこむ生物研究部員。そんな彼女の前に突然、"未来人"が現れて----!?
文学界の巨匠・筒井康隆が本気で挑む、これぞライトノベル。
21世紀の"時をかける少女"の冒険が始まる!」
(公式より抜粋)
続編
後書きに「続編のアイデアがあるのだが、もう年(※77歳)で根気がない。誰か書いてくれまいか」と記していたが、これを読んだ新人の筒城灯士郎が、無許可で続編『ビアンカ・オーバーステップ―神の世界に月はない―』を執筆し、第18回星海社FICTIONS新人賞に応募し、見事受賞した。受賞決定後、事後的に筒井本人の許可を得たことで正式な続編となる『ビアンカ・オーバーステップ』が2017年に刊行されている。