概要
2002年にプリンセスソフトから発売されたプレイステーション2用アドベンチャーゲーム。後にBerriesというソフトハウスからWindows98用ソフト化されたりKSSでオリジナルDVDアニメが全2巻が発売された。さらにはファミ通文庫(エンターブレイン)からノベライズが刊行されたことがある。全2巻。
村上水軍を絵師に迎え、通常のアドベンチャーゲームと異なり、時間が飛躍し、いきなり過去へ飛ばされたり、未来へ行く特徴がある。
時間の飛躍という点では「時をかける少女」、主人公がボクシング部員でヒロインが演劇部と言う設定は「のぞみウィッチィズ」の影響を受けており、また、これら以外にも「雨上がりの猫たちへ」というWindows98用アダルトゲームからも影響を受けた。
プロローグ
本編
神奈川県の江ノ電沿線に住む牧村耕太郎はボクシング部に所属しており、演劇部のマドンナ・芹沢香穂に好意を寄せ、恋人になろうと夢見る。一学期の終業式の夜、耕太郎は謎の人物とぶつかり、妙な粉を掛けられる。
翌朝、何と二学期始業式の「9月1日」(2002年当時、二学期の始業式は9月1日だった)に飛ばされ、耕太郎は香穂と恋人同士になったものの、そこで前日に香穂が交通事故で死亡した事を知る。
愕然とする耕太郎の前に30世紀の未来から来たタイムパトローラーを名乗るリージェンと名乗る美少女が現れる。
リージェンの説明によると、耕太郎はデイドロップ現象に巻き込まれ、様々な時間軸に飛ばされる体質となってしまった事を告げる。
香穂の悲劇を知った耕太郎はデイドロップ現象に足掻きながらも、未来を掴もうとリージェンと共に挑む。
CDドラマ・大江戸の夏色の砂時計
耕太郎が香穂を救おうと躍起になっていた頃、リージェンは間違って江戸時代へ向かってしまい、ここでは耕太郎の先祖・牧村小太郎がトラブルに巻き込まれてしまう。香穂姫を救う為、小太郎も奮闘する。
キャラクター
牧村耕太郎(CV・荻原秀樹) 主人公・ボクシング部に所属し、デイドロップ現象に巻き込まれる。そして、江戸時代の先祖は浪人であった。
芹沢香穂(CV・水樹奈々) メインヒロインで演劇部のマドンナ。
瀬能あい(CV・倉田雅世) 耕太郎の幼なじみでボクシング部のマネージャー。家は魚屋であり、まな板体系である。
川村真魚(CV・愛河里花子) 下級生で、水泳の特待生。人見知りが激しいが、スランプに苛まれている。
柳原朋美(CV・井上喜久子) 耕太郎の学校の教師。耕太郎が並行世界から来た別人である事を見抜く。江戸時代の先祖も絡繰りを扱っていた。
リージェン(CV・折笠富美子) 30世紀から来たタイムパトローラー。はっきり言っていい加減な性格。そんな性格故、物語の発端となる。
スタッフ
原画・キャラクターデザイン:村上水軍
サウンド製作:斉藤秀史、佐野雅弘、大田雄一
シナリオ:童本桜
ディレクター:布施昌史
アニメ
2004年4月から7月にかけてKSSからオリジナルDVDアニメが全2巻発売された。
ピクチャーマジックが制作を手掛けており、大概DVDアニメになると原作ゲームより作画が劣化するのが、本作は逆に原作ゲーム並の作画が維持された。
なお、初回限定版には江戸時代での出来事も描かれていたCDドラマが付属していた。
KSS破綻後は、KSSの販売部門子会社であったSoftGarageが制作著作販売権(版権管理)を継承している。(誤解されやすいが、SoftGarageはあくまでも「KSSの破綻に基づいて、KSSから分離独立した、別の会社」に過ぎず、KSSが改組して成立した後継会社ではない)
余談(ネタバレ注意!)
当初はパソコン用アダルトゲームとして企画され、ヒロインは助からない鬱ゲーになる予定だった。村上水軍が絵師なのはその名残である。
ところが、オリジナルゲームソフトを求めていたプリンセスソフトがその企画を買収。PS2発売に合わせ、悲劇を阻止する展開となった。
ただし、Windows98に移植した際、アダルトソフトに転換している。
関連タグ
メモリーズオフ:初作が該当し、メインヒロインが実は打倒不可能なラスボスだったと言うPC鬱ゲーも真っ青な衝撃的な展開に物議を醸した。
君が望む永遠:此方も恋人が事故に巻き込まれるが昏睡状態の後に目を覚ます鬱ゲーの代表作。