概要
東京・大阪で梅田芸術劇場により2009年1月10日から公演された。2010年にはNHKでテレビ放送されている。
脚本・演出は押井守。押井氏にとっては初の舞台演出作品となる。
『鉄人28号』を原作としているが、押井守の世界観が強く反映された、戦後史としての鉄人28号を描いている。
また押井氏の「宝塚のように」という注文を受け、半ばミュージカル調になっている。音楽は川井憲次が担当する。
鉄人は7mサイズの片膝をついた模型が製作された。
あらすじ
太平洋戦争の末期、大日本帝国陸軍の決戦兵器として開発された巨大ロボット「鉄人」。
その試製28号が戦後民主主義の守護神として蘇った。
そう、ビューンと空を飛び、正義も悪もリモコン次第の巨人「鉄人28号」だ。
2008年、東京湾岸の埋立地――聞こえるのは、吹き抜ける風か、野犬の遠吠えか。
一人の盲目の老人が遠い日の思い出を歌い上げる…。
時は移り、1964年。戦後の終焉を告げる国家イヴェント――東京オリンピック前夜。
首都には野犬狩りの嵐が吹き荒れていた。警察署長の大塚は、戦後的なるものの一掃に狂奔。
それを支持する敷島博士と、戦後的価値として純粋培養された美少年・金田正太郎は、テロリスト集団「人狼党」がたくらむ、東京オリンピック阻止計画に巻き込まれる。
正太郎、敷島博士、そして人狼党の首魁・犬走一直との怪しい思想的三角関係。
果たして、テロリストの仕掛けた阻止計画とは…。正義と悪の狭間で今、鉄人が飛び立つ。
(梅田芸術劇場サイトより引用)
出演者
その他:田鍋謙一郎、藤木義勝、載寧龍二、永田彬、小野健斗、吉田友一、鈴木雄貴、西田佳づ美
28 1/2 妄想の巨人
上述の舞台版のメイキングドラマ。読み方は「にじゅうはっかにぶんのいち もうそうのきょじん」
タイトルは押井監督が敬愛する映画監督フェデリコ・フェリーニの映画「8 1/2」に由来する。
メイキングのほかに、フィクションを盛り込み架空の人物を追加したモキュメンタリー映画となっている。
押井氏は「どうせメイキングを作るならドキュメンタリーにして舞台演出をしながら映画が撮れれば面白いと思って作った」と語っており予算が無い中でも殆ど思いつきで撮って楽しかったという。