プロフィール
宿星 | 地壮星 |
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梁山泊での順位 | 103位 |
出身地・前歴 | 孟州・居酒屋(西山酒店) |
あだ名 | 母夜叉(ぼやしゃ) |
特技・特徴 | 怪力・酒に蒙汗薬(痺れ薬)を盛って人肉饅頭にする |
概要・来歴
張青の妻で、荒々しい性格。
暴走しがちな孫二娘を思慮深い張青が御するといった関係で、夫婦仲は良い。
追剥だった父から仕込まれた武芸と、巨漢を軽々抱える怪力を持つ女傑で、
梁山泊では一騎打ちの機会には恵まれなかったものの、女兵部隊を率い活躍した。
梁山泊入りする前は、夫の張青と共に孟州道の峠で居酒屋をしていた。
その居酒屋で金のありそうな旅人に痺れ薬を盛り、切り刻んで人肉饅頭の餡にする恐ろしい女。
夫からは諸国行脚の修行僧、旅の女芸人、流罪の犯罪者だけは殺すなと言われていたが
(豪傑や英雄の可能性がある為)、見境の無い孫二娘はしばしばそれを忘れてやらかした。
このため、行者の武松や花和尚の魯智深らが命を狙われたことがあった。
孫二娘の父は、夫の張青を鍛えた師匠に当たる男で、張青は孫二娘の婿となった。
登場回
梁山泊参加前
- 第27・28回
武松が流罪人として二人の役人に護送され入店、
事情を知らぬ彼女は人肉饅頭と酒を用意したが(この時点では夫の言いつけ通り薬は盛っていない)、
武松に肉饅頭が人肉では?と指摘され、腹を立てて殺意を抱き夫の言いつけを無視。
武松に酒を所望された孫二娘はしめたとばかり酒に痺れ薬を盛り、武松ついでに役人たちに飲ませる。
三人が昏倒すると、手下の男どもに奥に運ぶよう命じるが、役人二人は簡単に運べたのに、
武松(2mを超す巨漢)は重過ぎて動かせなかった。
孫二娘は不甲斐ない手下を怒鳴りつけ、巨漢を軽々と持ち上げた。
しかし、武松は最初から策略を見抜いており、孫二娘は押し倒され馬乗りに抑えられてしまった。
孫二娘が許しを請いわめく最中、戻ってきた夫の張青が武松に謝り、事なきを得た。
このとき、流罪人が景陽岡の虎退治で有名な武松と知って驚いた夫婦は、
武松(ついでに役人たち)を大いにもてなし、翌日、孟州牢城へ送り出した。
- 第31回・58回
魯智深に痺れ薬を盛り、あやうく殺しかけたところを張青に阻止される。
張青と魯智深は親しくなった。
武松を送り出してから、張青とともに人肉饅頭酒場をやっていた。
張青は妻のやらかし以降、手下たちに獲物は必ず生け捕りにするよう注意していた。
そうして数ヶ月後、手下に捕まった男は、あの武松だった。
武松は孟州の鴛鴦楼(えんおうろう)という料理屋で、武松殺しを謀った張団練、張都監、将門神という三人組に復讐を遂げたが、三千貫の賞金がかけられ、役所も大々的な捜査に乗り出したので、張青の居酒屋にいるのも危険だった。
張青は懇意の魯智深が頭領をしている二竜山に逃げるよう提案、孫二娘は武松のために行者の恰好を用意した。
(その持ち物は、二年前に殺して肉饅頭の餡にした行者の物だった)
この後、孫二娘と張青も魯智深から手紙で誘われて二竜山の仲間になった。
紆余曲折を経て、夫と共に梁山泊入りし、西山酒店を任された。
梁山泊参加後
女兵部隊の将として奮戦する。
戦場では夫張青と共に数々の武功を上げた。
最後の見せ場は118回。歙州(きゅうじゅう)城下の乱戦の中で張清が戦死する。
孫二娘は夫の死骸を捜させて荼毘に付し、しばらく嘆き悲しんだ。
歙州を攻略した盧俊義軍はその後宋江軍とともに敵の本拠地清渓県を攻めたが、
この戦いで孫二娘は敵将・杜微の飛刀を受けて戦死した。
水滸伝をモチーフにした他作品での孫二娘
- 日本テレビのドラマ版
1973年~1974年に放送のドラマ版(横山光輝の漫画が原案)では張青とのなれそめを描いたオリジナル展開あり。
原作と設定が異なり、良家の子女になっている。
孫二娘は旅芸人4人組に父を殺され全てを失い、紆余曲折ありチンピラどもを束ねて酒場を開店、羽振りの良さそうな客に一服盛って身ぐるみを剥ぐ行為を繰り返していたところ、張青が引っ掛かり身ぐるみ剝がされるも、彼女に惚れた張青は懲りずに何度も引っ掛かり、彼女の生い立ちを知った張青は彼女の仇の手首を斬り、彼女と結婚した。
痺れ薬を盛るいたずら娘になっている。
- 水辺物語
夫の張青とともに、ゆっくりとした話し方をするカップル。
孫二娘は掌から痺れ薬を空気中に撒くことができ、張青は楯形の隠械で孫二娘を守る。梁山泊での戦いで死亡。