概要
西遊記の紅孩児
劇中最強の妖魔・牛魔王とその妻・鉄扇公主(羅刹女)との間に生まれたひとり息子。
中国語ではホンハイアル(Hong Haier)と呼ぶ。
「紅孩児」は俗称で、号は「聖嬰大王」(せいえいだいおう)と言う。
六百里鑽頭号山(ろっぴゃくりさんとうごうざん)という山の、枯松澗火雲洞(こしょうじゅんかうんどう)と言う洞窟に住む。1丈8尺(約5.994m)もある「火炎槍」と言う長槍の使い手。
また、父・牛魔王の住処である火炎山で300年修行し、三昧真火(ざんまいしんか)と言う水では消えない炎を操る術を会得している。その炎は四海龍王でも全く歯が立たなかった。
三蔵法師を見て食指を動かされ、賊に襲われた子供を装って一向に近づくが、孫悟空には直ぐに正体を見破られてしまった。紆余曲折の末、孫悟空と猪八戒を相手に戦う事になるが、子供ながらその戦闘力は凄まじく、一度は孫悟空も死にかけた程。
最終的には観世音菩薩が刃物の植えられた台座と強力な法力を使って調伏し、自分の弟子として監視下に置く事となる。この時「善財童子」(ぜんざいどうじ)という法名を授かった。その手と頭には悟空のそれに似た輪がはめられているという。
善財童子は大乗経典に登場する尊格の名である。中国仏教において、善財童子は『法華経』提婆達多品に登場する龍女と共に観世音菩薩の脇侍として一般的であり、49回で再登場した際には、観音の他の従者たちと共に「捧珠龍女」が言及される。
図像表現
『西遊記』は道教に多大な影響を与えた作品であり、神像を実際の寺院・祭壇に安置した上で祀る対象にもなっている。
(仏典側の)善財童子のように合掌した姿のほか、『西遊記』本編でも使用した火炎槍を持った童子の姿で造型される。
武器が槍なのも相まって、作例によっては子供の髪型と服装の哪吒太子像とかなり似たものとなる(「聖嬰大王 廟」等で検索すると確認出来る)。
後世の作品において
最遊記の紅孩児
最遊記の妖怪サイドの主役にしてもう一人の主人公。正義感が強く実直で仲間想いだが、若干堅物な性格。母親である羅刹女への呪縛を解くため、玉面公主が目論む牛魔王蘇生実験に協力し、三蔵一行と幾度となく交戦する。
更に詳しくは紅孩児(最遊記)へ