概要
大妖魔・牛魔王の元妻(牛魔王とは離縁しており、牛魔王は玉面公主と再婚している。本によっては離縁していないこともある)。息子に紅孩児が居る。孫悟空が暴れ者だった時代、牛魔王達他の妖怪と義兄弟の契りを交わしていた関係で、悟空からは「義理の姉」として扱われている。中国語ではティエシャンコンチュー(Tieshan Gongzhu)と呼ぶ。
焔を消す神風を生み出す秘宝「芭蕉扇」(ばしょうせん)の持ち主。
息子の紅孩児が観世音菩薩の弟子になった事を恨み(この辺については、息子が孫悟空に殺されたものと誤解する、或いは仏門に入った事を良しとしない、など設定は様々)、芭蕉扇を借りに来た孫悟空と激しく争った。
然し夫の牛魔王が天界の軍隊に調伏されると、夫の命を助ける為降参した。
登場エピソードの舞台になった火焔山は中華人民共和国のトルファン市郊外に実在しており、現地には三蔵法師一行や牛魔王と共に鉄扇公主の銅像も建てられているが、観光客が鉄扇公主の銅像のおっぱいを触りまくるためその部分だけ錆びずにテカテカになっていると言う。
創作における鉄扇公主
好戦的な女戦士・女幹部であり、妻や母としての側面も持つためか、「憎めない悪役」「悪のカリスマ」と言った魅力的な敵ボスとして描かれることも多い。
原点と違って玉面公主が登場しないこともあって牛魔王とは離縁しておらず、夫に忠実だったり、悟空の事を知らないことが多い。
また、孫悟空と芭蕉扇を巡って対峙する過程で小さな虫に変身した悟空が鉄扇公主の胃の中へ侵入して暴れ回ったために苦しめられると言う場面があるが、中華圏ではこのエピソードからサイズフェチ系の被食(縮小化して女性に食べられたり気付かれないよう体内に侵入する)シチュエーションを指して「鉄扇公主」と呼ばれるようになっている。
演:児島美ゆき
第24話に登場。この話では羅刹女(鉄扇公主は彼女の別名)の名前で登場。牛魔王の妻で翠雲山の芭蕉洞に住んでいる。家を不在がちな夫に対して寂しく思いつつも、留守を守っている健気な女性。牛魔王が浮気をしているのを知っていて、内心は「あの女(浮気相手)のところに行かないでほしい」と思いつつも、プライドが高い性格からそれを言い出せずにいた。悟空に自分の大切な芭蕉扇を奪われて(先に進むために芭蕉扇の起こす風が必要だったが、羅刹女が貸すのを断ったため)、芭蕉扇を取り戻すために三蔵法師をさらうが、夫への葛藤を三蔵法師に指摘されたことで考えを改める。悟空から芭蕉扇を取り戻して自分に渡しに来た牛魔王に、意地やプライドを捨てて本心を打ち明けたことで和解する。三蔵法師を助けに来た悟空に「あたしにはこれ(芭蕉扇)よりもこの人(牛魔王)が大事」と言って自分の芭蕉扇を快く貸した。
- ドラえもんのび太のパラレル西遊記:蒼い髪と青白い肌をした美形悪役。夫に忠実だが、三蔵法師のもとにスパイとして送っている息子のリンレイ(紅孩児)に対して目的を果たした後「あっちにお行き!」と冷遇している。牛魔王がのび太に倒されたことで妖力を失い、最後は溶岩に墜落して死んでいった。(フィルムコミック版では最後に「紅孩児…」とつぶやくシーンがある)
- SF西遊記スタージンガー:クイーンラセツと呼ばれる。独自の軍隊であるラセツ隊を率いる冷酷非情な性格で、原作では凸凹ながらも良いカップルだった夫をも裏切る。
- ビデオ絵本の「そんごくう」:牛魔王や紅孩児のエピソードはなく、彼女単独のストーリー。意地悪をして来る妖怪の一人で、仏様の加護を受けて芭蕉扇を無効化した悟空に懲らしめられ、芭蕉扇を奪い取られてしまった。
- Koei西遊記:赤い髪に隈取りをした強面だが、情が濃い姉御肌。悟空と同様にバランス型で太刀の使い手だが、特技は攻撃技の「芭蕉扇」。鉄扇公主に勝ったターン数によっては、彼女の協力を得られることもある。
- 吉本直志郎氏の児童書:「教育ママ」「凶暴な母ちゃん」とかかあ天下ぶりを揶揄されつつも、牛魔王が負けた時には涙を流して降参し火焔山の火を消して夫を助けるなど憎めないキャラが際立つ。潔く悟空に芭蕉扇を差し出すが悟空は受け取らず、互いを許して和解した。その後、仏教神になったとされる。
- 最遊記:妖怪の実質上の首魁である玉面公主に封印されており、紅孩児は母を救うために玉面公主に強制的に従わされている。