説話の中では特殊な能力を持ったアイテムとして登場する事が多い。
西遊記では
瑞気が漂い、三十六本の赤いかがり糸で装飾された、一丈二尺(3メートル以上)もある扇。
また霊吉菩薩曰く、「はるか昔に崑崙山の裏で生まれた、天地にただ一枚きりの太陰の至宝」という。……のだが、後述の通り二枚ある。
ひとたび仰げば風を呼び、ふたたび仰げば雲を呼び、みっつ仰げば雨が降る。
立て続けに49回仰ぐと、どんな火でも消し止める霊水が雨として降り注ぐ。
これらの効果はみな、太陰の至宝である芭蕉扇には、火、すなわち陽のものを消し止める陰の風を吹かす力があるためである。
また、同名のアイテムを金角・銀角兄弟も保持しているが、こちらは仰ぐと炎が噴き出すと言う、鉄扇公主のそれとは反対の効果を持つもの。この炎は単なる火ではなく、五行に示される真の火そのものであり、消すのも同じ芭蕉扇を用いなくばならない。
これを太上老君は自分の炉の火を熾すのに使っていた、と種明かしがなされるが、偶然なるかな、この炉に燃えていた火こそが、火焔山に燃えている火であり、すなわち紅孩児の三昧真火の源なのである。ついでに悟空もいぶしている。
『楊東来先生批評西遊記』(雑劇西遊記)では、持ち主の名にふさわしく、本物の鉄扇であると設定されている。
曰く六丁神が鋳造し、五道大神が磨き上げて作った、重さ一千斤の扇であり、二十四節気に基づいて二十四の骨を持つ。持っている効果は据え置き。
封神演義では
「五火神焔扇」(ごかしんえんせん)と言う固有名詞をつけられた芭蕉扇が登場する。此方は仰ぐと猛風と炎を巻き起こすと言うもので、前述の金角・銀角兄弟の持っているそれに近い。
ドラえもん
これがモデルの「バショー扇」というひみつ道具が登場。
柄のダイヤルを調節することで、台風からそよ風まで自在に起こす団扇。温度や匂いまで調節できる。
ファントムオブキル
擬人化された芭蕉扇が登場し、このタグにおいても彼女のイラストが増えつつある。
ゲーム上では銃使い(ファンキルにおいては、武器以外の神器はとりあえず銃になる)。
チャイナドレスやキョンシーの仮装など殆どの場合中華風の装いをしている。持ち主である鉄扇公主の王妃あるいは妻としての一面がキャラクターに反映されており、自らの美貌を誇るプライドの高さや、プレイヤー(主人公)を伴侶や旦那と呼ぶ押しかけ女房のようなキル姫。
ドラゴンボール
亀仙人が所有している。フライパン山の火を消すために借りに行くが、鍋敷きとして使っていたところワンタンの汁で汚れたので捨ててしまっていた。そのため原作には登場しない。
アニメオリジナルエピソードでは実物が登場している。
ドラゴンボールSDでは捨てられておらず使われたが、風が強すぎるあまり火どころか山そのものを吹き飛ばしてしまった。ワンタン臭いらしい。