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概要

Fate/Grand Order』に登場するセイバークラスサーヴァント。レアリティは☆4。

元はアストルフォから言及されていた存在だったが、彼の幕間の物語にてビジュアルが判明。

ローランに会いたくなったアストルフォと、それに付き添う主人公の2人がレイシフトしてみれば、そこでは件の彼が目撃者の精神を汚染しながら乱痴気騒ぎの限りを尽くしていた模様。

結局本人には会えず、留思エネミーが主人公達によって鎮圧された。

件の幕間実装は2017年であったが、2022年開催のメインクエスト第2部6.5章『死想顕現界域 トラオム』にて、5年近くの時を経たようやくの本格登場&プレイアブル化と相なった。

真名

シャルルマーニュ十二勇士の内、最強の筆頭たる騎士、「ローラン」。

先述の通り、シャルルマーニュことカール大帝が率いたパラディンの中心的存在。

血筋としてはシャルルマーニュの甥に当たる。後世の騎士物語の代表作である叙事詩ローランの歌』の主役として激賞されたことから、中世の騎士を代表する存在として知られるようになる。

一方で近世イタリアで誕生した娯楽叙事詩『狂えるオルランド』にて、傍若無人で奔放な色男として描かれた挙句、失恋のショックから精神崩壊を引き起こし発狂、欧州中を全裸で彷徨ながら暴れ回るという不遇な経歴を託った(そもそもタイトルからして発狂シーンから来ている)。

結果、ローランとしては騎士道精神に溢れる正義漢として語られる一方で、オルランドとしては稀代のダメ男という道化役者の二極化した霊基を刻まれてしまった模様。サーヴァントとしては『オルランド』シリーズの設定も配合されたため、上述のような残念なイケメンと化したようだ。

人物

一人称は「俺」

聖騎士の代名詞である十二騎士の筆頭だけあって、情と義に篤く、困難には自らぶつかることを選び、主君と名誉のためには全霊で戦う、騎士の鑑のような爽快な美男子。

騎士を名乗るに値する気高い精神性を不足なく持ち合わせ、状況を打開するためなら己の命を差し出すことさえ厭わず、その理不尽すら「必要な対価」として潔く受け入れる度量を持ち合わせる、まさに男の中の男である。

ただ、その懐の深さ故に水面下にある悪意に鈍感なところがあり、叔父の裏切りを受け入れられなかったことが自身の死の遠因となったこともあって己の欠点と認識している。

マスターに対しては騎士として付き従う意思を示しながら友人としてフランクに接する理想的な距離感だが、召喚直後から「許可があればすぐにでも脱ぐ」とかアホな事を言い出す。

ぶっちゃけ残念なイケメンを地で行く脱ぎ癖待ちの変態である。ついでにランスロットと同じ口説き魔。

アストルフォ曰く「ボクが新聞に載るタイプの問題児なら、アイツは警察に捕まるタイプの問題児」らしい。

失恋のショックから立ち直ったはずなのに露出狂のままなのは「解放感がクセになったから」という何とも言えない理由。

そんな残念なローランだが、アクの強い他の面々を御せるだけの牽引力はあり、自分以外のメンバーには基本的にツッコミ役に回っていることが多い等、悪癖に反して頭もしっかり回るクチ。

男気溢れる頼もしさと、周りのSAN値をガン削りする傍迷惑さが同居する男、それがローランなのである。

能力

戦闘では絶世剣「デュランダル」を主要武器としており、セイバークラスとして見ても軒並み高水準のステータスを有するなど、シャルルマーニュ十二勇士最強の名に相応しい実力を有している。

聖杯戦争で彼を引けば、余程のことがない限り勝ち進めるだろう、と分析されるサーヴァントであり、ステータス、スキル、宝具、全てに隙がなく、正当な手段で打倒することは極めて難しい。

ただし伝説にあるとおり女性に弱く、彼を召喚できたマスターでも楽観はできない。

更にローランの性か運命か、現界中そういった不安要素とぶつかる可能性が高いらしい。

実際「狂化」そのものこそ無いが、それに代わるスキルはしっかり有している。

モーション中では、デュランダルによる剣術の他、宝具の限定開放と思しい光の斬撃、エネルギーを纏わせた爪で引き裂く、巨大な錨を振り回して叩きつけるなどの攻撃を見せる。

ステータス

マスター筋力耐久敏捷魔力幸運宝具
藤丸立香AA+BCBA

保有スキル

対魔力(A)魔術への耐性を得る能力。Aランクであれば、魔法陣及び瞬間契約を用いた大魔術すら完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷を付ける事は不可能と言える。
騎乗(A)乗り物を乗りこなすための能力。元々、馬上戦闘に秀でた騎士である為なのかランクは高く、魔獣・聖獣ランク以外であれば大抵の乗り物を乗りこなす事が可能となっている。
金剛体(A)硬度10のダイヤモンドボディ。槍、剣、弓矢、如何なる方法でも傷つけることはできない。ただし、この手の伝説には当然ながら弱点が存在し、ローランの場合は足の裏が該当する。戦場でどうやって足の裏を攻撃するかは、戦術次第であろう。
恋に恋してさめざめと涙(C)狂化の亜種スキル。見知らぬ誰かに対して恋に落ちやすく、振られやすい。振られやすいってスキルではなく本人が原因なのではと考えられなくもないが、気にしてはいけない。他者誘惑系のスキルや宝具への弱体化と引き換えに、様々な恩恵を獲得する。
いと遅き角笛(EX)ロンスヴォー・オリファント。後述する通り本来は宝具。

不毀の極聖(デュランダル)

  • ランク:A+
  • 種別:対人宝具
  • レンジ:1
  • 最大捕捉:1人

「よし、やるとするか!」

「大天使の加護を与え給え……これこそは、音に聞こえし絶世(ぜっせい)剣!壊れる事無き『不毀の極聖(デュランダル)』!!」

ローランの持つ聖剣であり、世界有数の宝具。

シャルルマーニュが天使から授かり、ローランに贈ったもの。

3つの奇跡を持ち、所有者の魔力が尽きても切れ味を損なわないとされている。

また、黄金の柄の中には数多くの聖遺物が収められているという。

そして圧倒的な切れ味と同等かそれ以上の特性として、柄に納められた聖遺物に由来する奇跡を起こす力を秘めている。現象として可能なものなら大抵のことを実現できるが、その為の代償は極めて大きく、自身の能力や命等、その時起こす奇跡に釣り合う対価を支払う事で発動する。

詳細は該当記事を参照。

いと遅き角笛(ロンスヴォー・オリファント)

  • ランク:C
  • 種別:対軍宝具
  • レンジ:1〜10
  • 最大補足:100人

オリファントは角笛の意味(象を表すエレファントの別綴りが語源である)、ロンスヴォーは他ならぬローランを含めた十二勇士のほとんどが討ち死にした血戦の地名である。

援軍を呼ぶことができる角笛で、全力で吹き鳴らすことで事態を打開させることが可能な、やや特殊な宝具。ある意味で聖剣デュランダルが保有する奇跡に近しいものがある。

生前罠にかかり窮地に陥ったローランは、ある理由からこの角笛を吹くことを嫌がり、とうとう決断して吹いた時には、智将にして友人であるオリヴィエから「遅すぎたのだよ」と嘆かれた。事実、角笛の音を聞いて駆けつけた十二勇士の援軍は間に合わず、ほとんどが戦死したと言われている。英霊のローランは今もこの判断ミスを悔いており、聖杯にかける願いにも浮上しかけた程。

大きく吹けば吹くほど奇跡の力は強まり、事態打開も容易になるが、その分ローランもダメージを受ける。伝承では全力で吹いた結果、力み過ぎて心臓が破裂し、これが死の原因だとされている。

ゲーム上での性能

HP12293
ATK9687
カードA:2/B:2/Q:1
宝具種別Buster
スキル1金剛体<A> / 自身に無敵を付与(1T)&防御力アップ(1T/50〜100%)&NPチャージ(10〜20%)
スキル2恋に恋してさめざめと涙<C> / 自身のバスター性能アップ(3T/20〜30%)&弱体解除&魅了耐性ダウン(3T)+敵全体の強化解除
スキル3いと遅き角笛<EX> / スター獲得(10〜20個)+自身のスター集中度アップ(1T/300〜500%)&NPチャージ(10%)&HP減少(500)
アペンド3ライダー攻撃適性
宝具自身に無敵貫通を付与(1T)&攻撃力アップ(3T/OC:20〜40%)&クリティカル威力アップ(3T/OC:20〜40%)+敵単体に超強力な攻撃

自己強化に特化したHP偏重型のサーヴァント。そのスキルは全てが高性能なものばかりで、S1は無敵と同時に防御を最大100%アップさせることができる。これにより敵からの無敵貫通宝具攻撃でさえほぼ無効化してしまえる他、おまけのNPチャージで自身の宝具解放を早めることが可能。

S2は自身にとって主力のBuster性能を高めつつ相手を(ローランらしく)丸裸にしてしまう半分ぶっ壊れ性能。サーヴァント全体で見ても敵全員の強化解除持ちは、他には期間限定のぞうさんクソビッチしかいないため、彼らを持っていないマスターにとっては高難易度ギミックに対処可能な頼れる存在となり得る。S3はその場でスターを稼ぎながら自分に集中させ確定クリティカルを狙う動きができる。さらにこのスキルは最大レベルにすればチャージタイムをたった3に抑えることが可能であるため、短いスパンで気軽に使えるのも旨味。こちらにもおまけのNPチャージが付随しているのでS1と使い分けて宝具使用後にNPを貯める動きができるのも強みとなっている。

宝具もハイスペックを誇っており、無敵貫通を付与しつつ攻撃・クリ威力をアップさせて強力な一撃を叩き込めるため、手札にローランのカードが2枚程度ある状態でS2、S3を切りBraveチェインを発動させれば、シャルルマーニュ十二勇士最強と謳われた彼本来の強さを見せてくれる。

欠点としては周回向きではないことと、育成にあたって生前の主君も大量消費する黄昏の儀式剣を180本、英雄の証を126個も消費することである。特に後者は実装から2年経った今なお需要の高い素材であるため、他のサーヴァントの面子や状況と相談した上で育成をしていこう。

関連人物

生前

シャルルマーニュカール大帝

実の叔父にして生前の主君。ローランは史実にも存在するため、カール大帝に近い存在。

あちらは脱衣癖に頭を痛めており、『FGO』ではシャルルマーニュに「脱ぐな」と念押しされた。

アストルフォ

生前からの友人であり恩人。理性がどっか行った仲間同士。

ローランの相棒といえばオリヴィエだが、『狂えるオルランド』などの物語ではアストルフォが相棒を務めることもある。第2部6.5章では同陣営であり、よく2人で行動を共にすることが多い。

糸の切れた風船のように行動が読めない彼に対しては、終始ツッコミに回ることになる。

ブラダマンテ

十二勇士としての同僚の1人。激しい恋に狂った仲間同士。

あちらからは脱衣癖に苦言を呈されるが、こちらも「自分以上の脳筋という寸評をしており、実際第2部6.5章で顔合わせしたときには、勢い任せな彼女に対してツッコミ役に回っている。

オリヴィエ

ローランの幼馴染で相棒。十二勇士きっての常識人で智将。ロンスヴォーではローランが角笛を吹くのが遅いことを責めているが、その理由を知ってローランの底抜けの善性にようやく気づいた。

ガヌロン

ローランの義父にして、十二勇士の裏切りの騎士。

ロンスヴォーの血戦の元凶であり、ローランの嫌いなものの裏切りとは彼のことを指すと思われる。ローランに対する逆恨みから罠を仕掛け、ローラン含め十二勇士を窮地に追いやっている。

しかし、角笛を吹いて息絶えるまで考えていたのがそれによって義父が死ぬという確信であるあたり、ローランは義父の裏切りには今でもなお慣れず恨みきれてない様子がうかがえる。

ヘクトール

十二勇士を初めとした、聖騎士の祖として尊敬している人物。

そして聖剣「デュランダル」の前身・極槍「ドゥリンダナ」のかつての持ち主。

ただし英霊/サーヴァントの性質からデザインは大幅に異なり、宝具としての真名も違う。

マンドリカルドから貰えるレプリカはローランが持つこちらのデザインがベース。

マンドリカルド

生前の敵対者にして、デュランダルをネコババした人物。

剣を装備できない代償として「デュランダルの力を得物に付与する」宝具を持つ。

当時のマンドリカルドは傲慢なオラオラ系だったため、話を聞いてもすぐにはピンとこなかったが、元よりその実力は認めていた模様。しかし、デュランダルは渡さないと言い切っている。

第2部6.5章にて彼の活躍を主人公から聞かされた事が、ある場面でローランが下した決断へと繋がっていき、マイルームでも木刀一本で戦い抜こうとする姿を「"やっぱ"すげぇな!」と褒めた。

向こうからは「服着てるから分からなかった」と言われる程、脱衣のインパクトが残っている。

モルガン

伝承の中で関わりがあるとされる。型月世界においての真偽は不明。

ブラダマンテが彼女に言及しているため、十二騎士にも関わっているようだが……

Fate/Grand Order

藤丸立香

契約したマスター。基本的には互いに対等な友人同士として接する。

初対面こそ一悶着あったが、関係は良好そのもの。しかし、好きなものと聞かれて反射的に上を脱ごうとした為、容赦なく令呪で爆散されそうになる。ぐだ男ならまだしも……

アキレウス

同じく「足に弱点を持つ」サーヴァントだが、あちらからはなんか違う……と思われている(あちらは踵でこちらは足の裏)。ちなみに彼は言わずもがな、トロイア戦争にて尊敬するヘクトールを討ち取った張本人でもあるのだが、果たしてローランはその事には気づいているのやら……

ドン・キホーテ

第2部6.5章において、カール大帝を名乗っていた彼に仕えていた。

あちらからは「本物に怒られないか」と言われたが、心配ないと受け流している。

マルタ

幕間の物語の舞台となったタラコンの街にある聖人像のモデル。

おそらく作中でローランが跨った像とはマルタの聖人像なのではと言われている。

カルデアにいる彼女にその事を知られたらどうなるかは想像に難くない。

ジャンヌ・オルタ

フランス出身同士で、あちらの幕間の物語にて共演している。

戦闘の最中に、彼女の宝具の巻き添えを食らうも全くの無傷であった。

バーソロミュー・ロバーツ

ローランとはまた異なる、業の深い性癖を背負った残念なイケメン。

こちらはマスターに性癖ゴリ押した挙句本当に爆散させられる(しかも毎年満面の笑顔で)。

パッションリップ

本人同士の接点は無いのだが、巷ではローランの第二再臨の姿が乳首を紐で隠しているので汚いパッションリップ呼ばわりされている(尤も『FGO』での彼女は胸元の露出度が減っているが)。

その他

嶽間沢龍子

『Fate』シリーズにおいて、隙あらば全裸になりたがるキャラクターの先輩。

こちらは女性(しかもJS)。一体どちらの方がマシなのか。いやどちらも全くマシではないが。

余談

『Fate』シリーズでは「王の財宝」の中にあるデュランダルの原典が先んじて登場し、名称は「絶世の名剣」となっている。デザインはローランの物とほぼ同一。アニメ版『Fate/Zero』においてはバーサーカーが「騎士は徒手にて死せず」で「王の財宝」から奪った最初の宝具とされる。ただし『FGO』で貰える「何者かの宝剣」とデザインが異なる為、アニメオリジナルの解釈と思われる。

なお『Fate/stay night』や『Fate/EXTRA』では「無限の剣製」使用者がこの宝具の原典を投影し、貯蔵かつ使用しているが、ただ剣として使うのみで特筆する描写もなく、シリーズ初期から登場している割に詳しい効果が不明な宝具であったが、実に10年以上の時を経て本人が登場したことよりその詳細がついに明かされることとなった。『FGO』においても攻撃力を上げるスキルのアイコンとして登場している。

上記のようなチート性能を誇るデュランダルだが、アストルフォの幕間によれば彼はこの剣を使わずとも素手でワイバーンを倒す事が出来る様子。そもそも伝承からして、魔女ファレリーナの庭園を守る竜を楡の木のみで撲殺したり体が金剛石並みに硬く並みの武器は寄せ付けず火縄銃ロジェロでも倒せなかった海魔を船の錨を用いて力技で倒すなどバケモノじみた能力(怪力と体の硬さ)持ちである。やっぱりコイツセイバーよりバーサーカーが向いているのでは……?

ちなみに『stay night』発売前のカラフルピュアガール2002年9月号の表紙では、セイバーが「勝利すべき黄金の剣」ではなくこのデュランダルを構えているイラストが描かれており、ファンの前に登場した時期はかなり早かった。どうしてセイバーがこの宝具を持っていたかは永遠の謎である。デザインが「勝利すべき黄金の剣」に似ているのと何か関係があるのだろうか?

2023年バレンタインにて実装されたお返しは、彼の真面目さ誠実さが窺えるが窺える内容であるとともにトラオムでの出来事を想起させるような一文が記載されていたため、SNSでトレンド入りすることになった……が、翌月のホワイトデーイベントにおいて結局やらかしている。

当初はアストルフォの理性蒸発っぷりから「一体どれだけのトラブルメーカーなんだ」と不安視されていたが、いざ実装されると底抜けの好人物としてファンから受け入れられている。

SNSでは普通に「ローラン」と検索した場合、他の同名の人物やキャラクターの名前・アカウント名、あるいは「ローランド」「イヴ・サンローラン」などの部分一致として表示されることから、それらと混同しないよう「ロー裸ン」と呼ばれることがある。あくまで非公式な愛称ではあるが、アストルフォ役の大久保瑠美氏含め公式関係者にも使用されている。

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