虚栄の空中庭園(ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン)
- ランク:EX
- 種別:対界宝具
- レンジ:10~100
- 最大捕捉:1000人
「十と一の黒棺(ティアムトゥム・ウームー)、起動。」
「人が触れられぬ天の城塞を見せてやろう。虚栄の庭園……『虚栄の空中庭園(ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン)』!!蟻の如く這い回るが良い……フッハハハハハハ!!」
想像を絶する巨大な浮遊要塞。セミラミスが生前に作り上げられたと伝えられている空中庭園。
規則正しく並べられた緑豊かな浮島と、大理石で出来た床や柱で構成されている。全体にあらゆる種の植物が絡んでおり、混沌の醜さと絢爛の美しさが同一化している。
魔力による顕現は不可能で、彼女が生きていた土地(イラクのバグダット周辺)の木材、石材、鉱物、植物、水といった材料を全て揃え、最低でも三日以上の長時間の儀式を行ってようやく完成する。
このような面倒なプロセスが必要なのは、彼女が実際は空中庭園など建設しておらず、後付けの神秘として自身に刻み付けられたためで、「虚栄」とは事実に反する紛い物である事を意味する。
だが、真実よりも遥かに巨大かつ出鱈目で、浮遊に使われている『逆しまである』という概念を利用し大聖杯を格納するための機能がシロウの要望によって組み込まれており、かつて建築関係で辣腕を振るった杵柄か、宝具でありながら持ち主の意思で作り変えることが出来る。
赤のランサーが全力で戦う場として選んだ空間はセミラミスの手によって空間拡張の魔術が施されており、あれほどの激闘を繰り広げても外には影響が全くなかった。
また、王の間に至るまでに数々のトラップが仕掛けられているようで、赤のセイバーも直感がなければ死んでいたと言う程。
小説登場時から堕ちる、堕ちるとファンから予想されていたものの、庭園に街並みがあることからそのスケールは都市規模であり、赤のランサー、黒のセイバー、赤のアーチャー、ジャンヌが宝具を放ってもごく一部の損壊しか出てないことから、よほどのことがない限り破壊、墜落は難しいと推察される。セミラミスの言葉からして、『十と一の黒棺(ティアムトゥム・ウームー)』含め、修復も可能らしい。
ただしあくまで宝具であるため、セミラミス本体の霊器が消滅すると、この庭園も崩壊する。一方、材料自体は現世の物質なため、瓦礫として現物は残る。
巨大な戦略拠点であるのはもちろんとして、キャスターのクラス別スキル『陣地作成』における『大神殿』に相当する効果があり、どこへ行っても内部は彼女の領域として扱われる。ステータス全てが強化され、最高クラスの知名度補正を獲得、さらに魔法の領域に踏み込んだ魔術すら使用可能となる。通常であれば消滅するような致命傷を受けても、庭園内であればしばらく現界が可能である。ルーマニアという最大の知名度補正を受けていたヴラド3世も庭園内ではその恩恵を無効化されることとなった。
庭園周囲には十一基の迎撃術式『十と一の黒棺(ティアムトゥム・ウームー)』が設置されている。庭園を囲むように配置された全長20mを超える巨大な漆黒のプレートで、一基一基が対軍宝具クラスの光弾による魔術攻撃を行う。その威力は、Aランクの対魔力を貫通してダメージを与え、十一基全て合わせれば『幻想大剣・天魔失墜』と拮抗すると推測されるほど。
移動可能宝具としては速度が遅く(ルーマニアを出国するのに数日かかっている)、隠密性にもやや欠けるが、一般人対策の認識阻害の効果や、最低限の魔力感知妨害は持っているようで、魔術協会の捜索の目を逃れている。何より、その防衛機構に加え、7500メートルと言うその高度自体が鉄壁の防御機構として働くため、攻略は非常に困難である。後に「愛」だけで侵入を果たした竜娘が出てきたが。
ちなみにその規模や用意しなければならない材料の希少性からなのか、完成には小国を買えるほどの費用がかかってしまう。これのオリジナルである空中庭園の宝具を有するとされるネブカドネザルⅡ世はそういった厳しい発動手順を必要とせずに出すことが可能。
ただし、こちらは浮遊などの出鱈目な機能は備えていない空中庭園であり、セミラミスの空中庭園は本物でないが故に本物以上の性能を有していた。
『FGO』では宝具として抜擢。上述した『十と一の黒棺』による砲撃を行う。本編よりも簡略化されているのか、原理は不明だがバトルのたびにポンポン召喚している。