概要
- ランク:A+
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1~99
- 最大捕捉:400人
天の牡牛(グガランナ・ストライク)。
女神イシュタルがかつてウルクを破壊するために遣わした、最大にして最強の神獣『天の牡牛』を一時的に召喚。
上空に『天の牡牛』を出現させ、その超大な蹄によって地上を粉砕せしめる。
隕石落下(メテオストライク)にも等しい大破壊。輝く空が落ちてくる。美しい光を放つ明けの明星が空を埋め尽くすかの如く、黄金の大蹄は大地と空との間にあるすべてを磨り潰すのである。
敵味方問わず大ダメージを与え、一時的に全ステータスのランクダウン効果(重圧)を与えるが、イシュタル本人のみ一切ダメージと効果を受けない。
物理的に実体化させている訳ではないため、建造物を破壊することなく「屋内」という空間に限定して使用することも可能。
神々ですら手懐けられないが、イシュタルは時に厳しく、時にもっと厳しく扱うことでグガランナを自在に操ったとされている。今ではイシュタルへの忠誠こそが存在意義であり、喜びであるという。
なお元々はTYPE-MOONデザイナーのひとりPFALZ氏の同人誌に登場するデザインだったが、2017年水着イベントを期に雲で肉体を形作り、骨組みはほぼそのままの形で正式採用されることとなった。
骨格はすべて黄金、さらに角は混じり気のない瑠璃一色の最上のラピスラズリで出来ているという、とんでもなく豪勢な構造をしている。
能力
シュメル最大の神獣と言われるだけあってか、暴風だけで物体を吹き飛ばし、雷鳴でサーヴァントの霊基を砕き、全盛期ならティグリスも干上がらせる力を持っている。
人間にとって事実上無敵の神獣であり、勝ち目がないとイシュタルが自負している。
「Fate/strange Fake」で顕現したその姿は全長500kmを超える積乱雲の巨獣であり、暴風と雷を纏った小さな街ほどの太さを持つ蹄による踏み潰しは、ダウンバーストと共にエアーズロックがそのまま落ちてきたとでも許容すべきものになる。また、巨体でも動きは機敏であり、バックステップで2kmの距離を後退している。
アルケイデスが放った、矢1本がビルほどの太さの大蛇を模る9本の魔矢も踏み潰してしまっており、ティアの放ったロサンゼルスを消滅させる凶星による攻撃も、神気を纏った魔力により距離と方角という概念を打ち壊して方向性を歪めることで自身に向けさせると、容易く飲み込んでいる。
咆吼を上げれば数百の雷鳴と風の唸りが具現化し、わずか10秒ほどの間に周囲に1万を超える落雷が降り注ぎ、口から暴風雨の概念を凝縮させた巨大なトルネードのブレスを吐くことも可能としている。
ブレス本体は秒速200mの暴風で、さらに真空の刃と氷と化した水滴、雷撃を纏いながら『西から東へ』と表現するに相応しい規模で吐き出され、もしも地面を薙ぎ払うように放たれれば街は更地になると言われている。
また、己の全存在を突風へと変換させて吐き出し、吹き付けられた先で己の存在を再構成するという、ブレスであると同時に超高速移動による全力の突進がある。
一つの台風が内包した莫大な質量とエネルギーを維持したまま、秒速396mで対象に突っ込むこの獣撃は、木星の成層圏に吹く風に匹敵する速さで移動する台風のようなものであり、地球全体に影響を与えてしまう。しかし、イシュタルとその神殿ならば影響を受けることはない。
ティアにより限界近くまで分子運動を停止状態に近づけさせる術式を仕掛けられ、心臓部であり積乱雲と風を生み出す熱源である台風の目を直接冷却し始められた時は、さすがに北極の氷の大半を消し飛ばす程の術を純粋に冷却のみに使用されたことでグガランナにも莫大な効果を与えた。
台風の形を保ちながら凍り始め、通常の台風ならば霧散しかねない程だが、その際にも数億に達する稲妻を起こし、魔力を雷へと変換することで身に纏う積乱雲の渦の全てを全長500kmほどにまで存在を圧縮させた雷光の渦とすることで持ち直している。
経歴
「Fate/Grand Order」にて疑似サーヴァントとして現界したイシュタルも元々は有していたが、何故か突如行方不明となってしまい、ウルク中を探し回ったが終ぞ発見することができなかった。
そして、それを間際まで言い出せなかった事で彼女の面目は丸つぶれとなり、唯一原初の女神を食い止められる力を失った特異点ウルクは、九分九厘壊滅する事態に陥った。
以降、カルデアで召喚された彼女も依然グガランナを呼び出す事が出来なくなってしまい、2017年水着イベントでやらかした企ても、この牡牛を再誕させ自らの権威を取り戻す為であった。こちらは紆余曲折の末に完全復活を遂げるが、「金星の女神には金星の女神をぶつけるんだよ」理論でイシュタルの暴走に待ったをかけたケツァル・コアトルの協力により、特異点の崩壊を阻止する対価として撃退される運びとなった。
さらに幕間の物語にてまたもイシュタルの企てで二度目の復活を遂げるが、今度はギルガメッシュの用意した安価な偽物の角にイシュタルの目が眩んでしまった結果、安い角のせいでグガランナが暴走状態に陥って特異点である古代ウルクに進攻する事態を招き、結局はギルガメッシュ・エルキドゥ・イシュタルの三騎で呉越同舟に結託して撃退することになった。
2部7章後編では、ニンキガルによって大量に脚だけ召喚された。ウルク最強の神獣がこんな扱いで良いのだろうか…。
挙句の果てにORTにあっさり蹴散らされている。流石に相手が悪過ぎた。
別作品「Fate/strange Fake」では、サーヴァントではなくホムンクルスに憑依する形で降臨したイシュタルが、欠けた力を補うべく、並行世界の枝葉から無理やり引っ張ることで強制的に召喚を試みた。
実は、その「無理やり引っ張ってきた並行世界」こそが上記の特異点ウルクそのものであり、多少だが本来の酷薄さがあったこちらの彼女は「少しの間グガランナが無くても権能が使える自分なら大丈夫だろう」と思って悪びれなかった。
結果はご覧の有様であり、(半分他人に近い状態だが)ある意味では自業自得というか、並行世界の自分すら搾取対象にした横暴さに読者は呆れる事となった。
余談
FGOイベントで初登場した際は、頭の部分にある人面のような装飾が目立っていたため、その異様さに恐怖を覚えたユーザーが続出した。
本来の瞳は牛と同じ所にあるのだが、青く雲に紛れていたため分かりづらく、黄金の頭頂部が強調された結果によるものと推測される。