「ああ、ますたぁ、見ててくださいましね?
そーれ! 『道成寺鐘百八式火竜薙(どうじょうじかね・ひゃくはちしきかりゅうなぎ)』! 一発!!」
概説
- ランク:A
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大補足:1人
鐘に相手を閉じ込め、薙刀を突き刺して危機一髪的に吹き飛ばす。夏も盛りだというのに、暑苦しさはトップクラス。そのため、彼女と同行することになったサーヴァントたちからは、夏の間は極めて評判が悪い。黒髭に至っては「悪寒、息切れ、頭痛、のどの痛み、胃のもたれがすごいするんですけど」と訴えてやまない。特に関係ないのに。
ゲームでの性能
カードの種別はBusterで、効果は【敵単体に超強力な攻撃&スキル封印状態を付与(1ターン)&やけどを付与(5ターン)】。
余談
「道成寺」とは『安珍清姫伝説』において、清姫から逃げる安珍が最後に逃げ込んだ寺の名前。和歌山県日高川町にある。
安珍は鐘を下ろしてもらいその中に身を隠すが、竜(蛇)に変じた清姫は鐘に巻き付いて火を吹きかけ、安珍を焼き殺してしまったといわれている。この時失われた鐘は後に再建されたのだが、再建供養すらも清姫の怨霊に妨害された挙げ句、これも怨霊のせいで良い音で鳴らなかったことから山中に捨てられてしまった。
その後秀吉配下の武将が山中で発見して戦利品として京都に持っていったといわれ、現在その鐘は京都の妙満寺にある。色々と曰く付きになってしまったからなのか、今なお道成寺には戻されていない。なお最寄り駅の道成寺駅は御坊市にあるが、こちらにも安珍清姫伝説のパネルがある。
鳥山石燕は妖怪を集めた画集『画図百鬼夜行』シリーズ第三弾『今昔百鬼拾遺』にて、この伝説のクライマックスである清姫の変じた蛇女が鐘を焼いている場面を描いたが、その題は清姫や竜蛇女などではなく「道成寺鐘(どうじょうじのかね)」となっている。
後にはこの「道成寺の鐘」というモノ自体に清姫の怨念が宿り怪異化した、といった逸話もある。
ちなみに石燕の解説文には「この鐘とけて湯となるといふ」とあり、つまり清姫の放ったバーニング安珍アタックは金属の鐘すら溶かしてしまうほどの高熱であったことがうかがえる。
あと、宝具選択時の台詞が「煩悩を焼き払う時間でございますよ」なのだが、よく考えると煩悩塗れなのは清姫の方だし、煩悩から逃れたかったお坊さんの方が焼かれている。理不尽。
また、宝具名に“百八式火竜薙”と含まれている為、某格ゲーの主人公の超必殺技のオマージュと思われるが、詳細は不明。
因みに上記の技の方は“裏百八式”であり、百八式は別の技となる。
宝具のモーションや演出も件の技とは全く異なる事と、“百八”は仏教での「煩悩の数」なのでそちらから引用された可能性の方が高い。